周波数割り当て
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/20 13:29 UTC 版)
「Universal Mobile Telecommunications System」の記事における「周波数割り当て」の解説
2004年12月現在、全世界で130以上の運用業者にGSMに基づいたW-CDMA無線アクセステクノロジーのライセンスが発行されている。ヨーロッパでは、ライセンス獲得は一種のテクノロジーバブルの末端で発生し、特にイギリスやドイツではオリジナルの2100MHzの周波数帯への入札が殺到して、その価格が高騰した。ドイツでは6個のライセンスに合計で508億ユーロが支払われ、そのうち2個が購買者(Mobilcomとソネラ/テレフォニカ)によって後で捨てられ、無効になった。この高額のライセンス料は、言ってみれば今後の携帯電話サービスの収入に前倒しで課せられた税金のようなものである。ヨーロッパのいくつかの通信業者(特にKPN)はこの高額のライセンス料によってほとんど破産に近い状態に追い込まれた。それでも一部の通信業者は過去数年の間にライセンス料のコストを収益で取り戻している。最近ではフィンランドの通信業者が2GのGSM基地局と共有する形で900MHzのUMTSを使いはじめており、この傾向は今後1-3年のヨーロッパで拡大すると見られている。 ヨーロッパに割り当てられた2100MHzのUMTSの周波数帯は、既に北米で使われている。1900MHz帯は2G (PCS) サービスに使われており、2100MHz帯は衛星通信に使われている。しかし調整側は2100MHz帯の一部を3Gサービスに解放し、1700MHz帯をアップリンク用に解放した。北米のUMTS運用業者はヨーロッパ風の2100/1900MHzシステムを実装したいと考えており、そのためには1900MHz帯の既存の2Gサービスと周波数帯を共有する必要がある。 AT&Tワイヤレスは、2Gサービス用に割り当てられた1900MHz帯をつかったUMTSサービスを2004年末に北米で開始することとした。2004年、AT&Tワイヤレスはシンギュラーに買収されたが、実際にアメリカの主要都市でUMTSサービスを開始している。シンギュラーはAT&Tモビリティに改称し、さらにいくつかの都市で850MHz帯でのUMTSサービスを開始して既存の1900MHz帯のUMTSを補完している。このため携帯端末としては850MHzと1900MHzの両方に対応したものを販売している。 TモバイルはアメリカでのUMTSに2100/1700MHz帯を使っている。 カナダでは、Rogers、Bell、Telus が850MHz帯でUMTSサービスを提供している。最近では新たなプロバイダーである Wind Mobile と Mobilicity が2100/1700MHz帯で運用を開始した。また、Quebecor と Shaw Communications もサービス開始を予定している。 2008年、オーストラリアのテルストラが既存のCDMAネットワークを国家的規模の3Gネットワーク NextG に置換し、850MHz帯で運用している。テルストラは現在はこのネットワークでUMTSサービスを提供しているが、3GISという企業と共同所有する2100MHzのUMTSネットワークでも運用を行っている。3GISには Hutchison 3G Australia も参加しており、このネットワークは主に同社の顧客向けに使われている。オプタスは都市部では2100MHz帯、郊外では900MHz帯で3Gネットワークを提供しようとしている。Vodafone は900MHz帯で3Gネットワークを構築している。 インドのBSNLは2009年10月から大都市での3Gサービスを開始し、徐々に小さな都市に拡大している。850MHzや900MHz帯は1700/1900/2100MHzのネットワークよりもカバーできる範囲が広く、基地局と加入者がまばらとなる郊外に適している。 南アメリカでは850MHzのネットワークの展開が進んでいる。
※この「周波数割り当て」の解説は、「Universal Mobile Telecommunications System」の解説の一部です。
「周波数割り当て」を含む「Universal Mobile Telecommunications System」の記事については、「Universal Mobile Telecommunications System」の概要を参照ください。
- 周波数割り当てのページへのリンク