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受粉
◇受粉後のランの花
| 型 | 受粉後 | 例 |
| ①萎凋型 | 受粉直後から徐々に花が萎れ始める。 | ラン科植物の多く |
| ②非萎凋型 | 受粉しても花が萎れ始めない。 | Paph.の多く、 Phal. luddemannianna, Phal. mannii, Phal. mariae, Z. mackayi |
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受粉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/01/29 05:27 UTC 版)
受粉(じゅふん)とは、種子植物において花粉が雌性器官に到達すること。被子植物では雌蕊(しずい、めしべ)の先端(柱頭)に花粉が付着することを指し、裸子植物では大胞子葉の胚珠の胚孔に花粉が達することを指す[1]。種子植物の有性生殖において重要な過程である。
花粉は被子植物では雄蕊(ゆうずい、おしべ)の葯(やく)で、裸子植物では葯[2]もしくは小胞子葉の花粉嚢[3]で形成され、移動して受粉・受精する。同一個体内での受粉を自家受粉[4]、他の個体の花粉による受粉を他家受粉[5]という。この受粉過程で、どのように花粉が移動するかによって、種子植物の受粉様式を風媒、水媒、動物媒(虫媒、鳥媒など)、自動同花受粉に分類する。裸子植物の大部分は風媒花である[3][6]。
被子植物では、自家不和合性・雌雄異熟 (dichogamy) ・異形花柱花といった自家受粉・自家受精を防ぐ機構が発達した植物種も存在する。それらの機構は遺伝的多様性の維持と近交弱勢の防止の役割を持っている。
受粉[7][8][9]は英語"pollination"の翻訳語であり、ほかに授粉[1][9]・送粉(そうふん)[1][7][8][9]・花粉媒介(かふんばいかい)[1][10]の用語も用いられる[11]。受粉の研究は植物学・園芸学・動物学・生態学・進化生物学など多くの学術分野に関連しており、受粉に関する専門的な学術分野としては送粉生態学(花生態学・受粉生態学)、受粉生物学(送粉生物学)および花粉学"palynology"などがある。
以下、本記事では特に断りが無い限り、被子植物の受粉について記述する。被子植物では、受粉後に花粉から花粉管が伸び、それが柱頭組織中に進入して胚珠に到達し、卵細胞が花粉管の中の精核と融合することで受精が成立する。
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- ^ a b c d e f 日本花粉学会編「送粉」「送粉者」「送粉生態学」『花粉学事典』
- ^ 啓林館「被子植物の生殖と発生」
- ^ a b 岡山理科大学・植物生態研究室「裸子植物」
- ^ 同一クローン個体間(遺伝子型が同じ個体)または近交系として維持されている系統の個体間の受粉を「準自家受粉」(個体間自家受粉)として、自家受粉に含めることもある。その場合、個体内自家受粉は「正自家受粉」として区別する(『植物育種学辞典』)。また、正自家受粉は、同一の花の中での受粉である同花受粉と、同一個体の違う花の間の受粉である隣花受粉に分けられる。
- ^ きょうだい交配・品種間交配など(以上種内他家受粉)、種間他家受粉、属間他家受粉を含む。
- ^ 裸子植物のうちグネツム目 やソテツ目には虫媒と考えられる生物種が含まれる(中山剛 "BotanyWEB"「送粉・受粉-動物媒」)。
- ^ a b 日本遺伝学会編『学術用語集〈遺伝学編〉』
- ^ a b 日本植物学会編『学術用語集〈植物学編〉』
- ^ a b c 日本育種学会編『植物育種学辞典』
- ^ 日本動物学会編『学術用語集〈動物学編〉』
- ^ 一般的には受粉であるが、植物が受動的に花粉を受けることを「受粉」、花粉が媒体を介して被子植物の柱頭・裸子植物の胚珠に移動することを「授粉」と区別することもある。従来、ポリネーションとも表記されていたこれらの現象について、中野治房が「送粉」と言う用語を1966年に提案し、花粉学会・生態学会などで用いられるようになっている(『花粉学事典』・『植物育種学辞典』)。しかしながら、漢字表記の意味に応じて、同一文献中でもそれぞれの表記を使い分けることがある(『花に秘められたなぞを解くために』)。
- ^ a b c 米国農務省森林局Pollinator Factsheet
- ^ 送粉シンドローム(en:pollination syndrome) - 受粉様式に合わせて特化した花の形質、または形質の組合せ(Fægri, K. and L. van der Pijl. The Principles of Pollination Ecology. (3rd ed.) New York: Pergamon Press, 1979. ISBN 0080213383)
- ^ a b 田中肇『花に秘められたなぞを解くために』101ページ。
- ^ 中山剛 "BotanyWEB"「送粉・受粉 - 風媒花」
- ^ a b 中山剛 "BotanyWEB"「動物媒」
- ^ 田中肇『花に秘められたなぞを解くために』73-75ページ。
- ^ 米国農務省森林局Pollinator Syndromes
- ^ 自殖・他殖 - 自己花粉で受精する場合を自殖(自家生殖)"autogamy"、他家花粉で受精する場合を他殖(他家生殖)"allogamy"という。
- ^ a b 田中肇『花に秘められたなぞを解くために』pp.133-140。
- ^ 日本育種学会編『植物育種学辞典』287ページの図表、および田中肇『花に秘められたなぞを解くために』155-156ページを基に作成。
- ^ 隣花受粉 - 同一個体の別の花による受粉。自家受粉の一種。
- ^ 稔性(ねんせい)・不稔性(ふねんせい) - 「稔性」は種子・果実を稔(みの)らせる能力。不稔性・不稔は稔性が無いこと。和合性・不和合性は花粉の受粉・受精に使われる用語であり、稔性・不稔性は種子・果実の形成に対して使われる用語。和合性の花粉であっても、低温や高温による障害で不稔になる花粉もある。
- ^ 同属異種の交雑については、自然状態または人為交配での受精に至ることがあり、種間雑種の形成が種子植物の進化や育種に寄与している例も多い(コムギやアブラナ科植物など)。また、ランでは属間雑種も珍しい例ではない。
- ^ 中山剛 "BotanyWEB"「花のタイプ - 異形花柱性」
- ^ a b 田中肇『花に秘められたなぞを解くために』142-150ページ。
- ^ 花生態学(送粉生態学)の祖はSprengelとされ、受粉生物学の祖はDawinとされる(日本花粉学会編「受粉生物学」『花粉学事典』)。
- ^ Fægri, K. and L. van der Pijl. The Principles of Pollination Ecology. (1st ed.) New York: Pergamon Press, 1966.
- ^ 日本花粉学会編「送粉生態学」「受粉生物学」『花粉学事典』
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