エンドニムとエクソニム
(内名 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 09:30 UTC 版)
エンドニム(英: endonym)とエクソニム(英: exonym)とは、特定の地名 (toponym) 、民族名 (ethnonym) 、言語名 (glossonym) などを、命名の主体となった民族・言語に内生した呼称と外来の言語における呼称とに区分する術語。また、その区分された特定の地名呼称、民族呼称、言語呼称のこと。主に国際連合地名標準化会議などにおける地名行政や文化人類学の文脈で用いられる。日本語ではそれぞれ、内名(ないめい)と外名(がいめい)と訳される[1]。
注釈
- ^ なお、国連の公用語の一つとしての中国語では、それぞれ、当地语地名、外来语地名と訳されている[3]。
- ^ アイヌ地名は、日本の長い歴史の中で内生化した[5]。
- ^ もう少し詳しく見ると、たとえば小俣 (2009)では、現状のロシア地名の日本語表記を検討対象として、外国地名を日本語表記する手続きの内容について、翻字主義(文字の置換)、表音主義(発音の転写)、表意主義(翻訳)、慣用主義(慣用形)の4つに分類している[25]。これに加えて、特にアルファベット言語間では、内名と同じ語源から派生した転訛形も外来地名の一形態である(例:英語の内名 London に対するフランス語の外名 Londres やイタリア語の外名 Londra など)。
- ^ 公的文書では「도쿄」(トキョ)と読み書きされる。
- ^ 中国名でもある[48]。
出典
- ^ a b 遠藤ほか 2014, pp. 46–47.
- ^ a b 日本学術会議 2019, pp. 18–19.
- ^ UNGEGN 2002, p. 179.
- ^ a b 田邉 2020, pp. 62–64.
- ^ 田邉 2020, p. 63.
- ^ 田邉 2020, pp. 62–63.
- ^ a b c UNGEGN 2002, p. 10.
- ^ a b 田邉 2020, p. 64.
- ^ a b 田邉 2020, p. 65.
- ^ 田邉 2020, p. 53.
- ^ 田邉 2020, pp. 63, 65.
- ^ 加賀美 2017, pp. 3–6.
- ^ a b 加賀美 2017, p. 7.
- ^ a b 加賀美 2016.
- ^ a b c 田邉 2020, p. 52.
- ^ 田邉 2020, pp. 22, 67.
- ^ a b c d e 田邉 2020, p. 23.
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- ^ 田邉 2020, p. 41.
- ^ Kadmon 2007.
- ^ a b c d 田邉 2020, p. 40.
- ^ Woodman 2012, p. 60.
- ^ 田邉 2020, pp. 40–41.
- ^ a b 田邉 2020, p. 43.
- ^ 小俣 2009, p. 116.
- ^ 田邉 2020, pp. 33–34.
- ^ a b c 田邉 2020, p. 21.
- ^ a b 田邉 2020, p. 20.
- ^ 田邉 2020, p. 22.
- ^ a b 田邉 2020, p. 14.
- ^ a b 田邉 2020, p. 46.
- ^ 三省堂辞書編集部 (2021年4月9日). “第1回 人気の第二外国語とそのおすすめの辞書・教材(中国語編)”. 三省堂. 2021年9月7日閲覧。
- ^ 明木 2002, p. 50.
- ^ 笹原宏之 (2012年3月20日). “第169回 韓国の漢字”. 三省堂. 2021年9月7日閲覧。
- ^ 笹原宏之 (2011年4月5日). “第89回 河内(ハノイ)の漢字”. 三省堂. 2021年9月7日閲覧。
- ^ 椙村 1965, p. 104.
- ^ 椙村 1965, p. 97.
- ^ a b 加賀美 2017, pp. 6–7.
- ^ 日本学術会議 2019, p. 2.
- ^ a b c 日本学術会議 2019, pp. 2–3.
- ^ 日本学術会議 2019, p. 18.
- ^ 遠藤ほか 2014, p. 47.
- ^ “the Democratic Republic of Timor-Leste”. The United Nations Terminology Database. 2021年7月10日閲覧。
- ^ “the Republic of Cabo Verde”. The United Nations Terminology Database. 2021年7月10日閲覧。
- ^ “ICYMI: Cape Verde's Name Change”. Political Geography Now (2014年1月19日). 2021年7月10日閲覧。
- ^ “ウクライナの首都等の呼称の変更”. 外務省 (2022年3月31日). 2024年2月8日閲覧。
- ^ “北米最高峰マッキンリー、デナリに名称変更”. ナショナルジオグラフィック日本版 (2015年9月3日). 2021年9月7日閲覧。
- ^ “世界の最高峰は「エベレスト」?「チョモランマ」?”. NHK放送文化研究所 (2001年9月1日). 2021年9月7日閲覧。
- ^ a b “エヴェレスト? エベレスト? チョモランマ?”. 風の旅行社 (2016年2月23日). 2021年9月7日閲覧。
- ^ 趙 2016, p. 77.
- ^ 趙 2016, pp. 82, 135–136.
- 1 エンドニムとエクソニムとは
- 2 エンドニムとエクソニムの概要
- 3 脚注
内名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 07:02 UTC 版)
ジョージア国内で自国を指す内名(エンドニム)は、憲法第2条1項に定められたサカルトヴェロ(საქართველო Sakartvelo [sakʰartʰvɛlɔ] )である。同国の多数民族を指す「カルトヴェリ」(kartvel-i)という語は元々グルジアの東部にあたる地域を統治したイベリア王国(コーカサス・イベリア)の中心であるカルトリ(英語版)地域に住む人を指すが、9世紀までに「カルトリ」という語は中世グルジアの全地域に住む人を指すようになった。また接周辞のsa- -oは「〜が住む場所」の意味であり、〜には民族名が入る。国名がカルトリに由来する原因としては、その時期にグルジアの政治実体と文化が芽生えはじめたことが考えられる。 サカルトヴェロという名前が初めて歴史書に現れるのは800年ごろジュアンシャル・ジュアンシェリアニ(英語版)が書いた『グルジア年代記(英語版)』である。その後200年間、サカルトヴェロの意味は徐々に変わり、1008年にバグラト3世(英語版)がアブハジア王国(英語版)とタオ=クラルジェティ(英語版)を統一してグルジア王国を成立させると、サカルトヴェロは全グルジアを指すようになった。しかし、それが公的に使われるには13世紀までかかっている。 15世紀にグルジア王国が崩壊してイメレティ王国(英語版)、カヘティ王国(英語版)、カルトリ王国など3つの王国と5つの公国が成立しても、統一したグルジア国の記憶は人々の心に残った。そのため、この時期の王たちはグルジア王の称号を決して捨てなかった。18世紀の王族ヴァフシティ王子が書いた『グルジア王国の記述(英語版)』も統一グルジアを堅持した。彼の生きていた時代、グルジアは現実にはいくつかの王国と公国に分裂していたが、彼はそれらを1つの国として扱い歴史書に表現した。他のカルトヴェリ語族の言語でも似たような表現が使われている。メグレル語ではსაქორთუო sakortuo、ラズ語ではოქორთურა okortura、スヴァン語ではსაქართველო sakartvelo、アブハズ語ではҚырҭтәыла Kyrţtwylaである。非カルトヴェリ語族の言語では、リトアニア語で2018年から従来の「グルジア」にあたる呼称の使用を取りやめて「サカルトヴェロ」に対応する呼称へ外名を変更することが発表されているが、それぞれ Gruzija(グルジヤ)、Sakartvelas(サカルトヴェラス)という呼称である。
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