公安検察
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 00:58 UTC 版)
戦前は思想検察(思想係検事)と言われ、戦前に法制化されていたことがあった大逆罪、治安維持令、治安維持法、思想犯保護観察法違反などの事件を扱い、府県警察部の特高課や外事課、各警察署の特高係や外事係を指揮した。日本の降伏後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)が発した「人権指令」によって、特高警察や外事警察は廃止され、構成員の半数近くが公職追放された}が、思想検察においては、公職追放された検事は最小限に留まったことから、ほぼ無傷な状態で生き残った。その後、労働検察(労働係検事)を経て、公安検察(公安係検事)として戦後治安体制の中核を担っている。公安検察は、全検察中の「時の花形」とも称されるエリートコースであり、法務省と検察庁を往復するキャリアを積む。公安検察は、主に公安警察から送致された事件について立件の可否を判断するが、近年では極左暴力集団による事件が激減したため、薬物事件や暴力団などの組織犯罪も扱っている。 平沼騏一郎 - 検事総長、大審院長、司法大臣、内務大臣、枢密院議長、内閣総理大臣。国本社発起人、日大総長、大東文化学院総長。戦後A級戦犯。東京帝大法科大学卒、法学博士 鈴木喜三郎 - 大審院判事、検事総長、司法大臣、立憲政友会総裁、国本社幹部。東京帝大法科大学仏法科卒 小山松吉 - 司法大臣(神兵隊事件他)、検事総長(京都学連事件)、法政大総長。獨逸学協会学校卒 林頼三郎 - 検事総長、大審院長、司法大臣(思想犯保護観察法成立)、枢密顧問官。公職追放ののち中央大総長。東京法学院卒、法学博士 光行次郎 - 司法省人事局長、東京控訴院検事長、検事総長(思想犯保護観察法成立)、貴族院議員。東京帝大法科大学卒 塩野季彦 - 東京地裁検事局検事正(思想部設置の他に三・一五事件)、司法大臣(帝人事件の影の主役)、大審院検事局次長、公職追放。東京帝大法科大学卒 岩村通世 - 検事総長、司法大臣。のち弁護士。東京帝大法科大学独法科卒 松阪広政 - 東京地裁検事局次席検事(思想部設置の他に三・一五事件)、司法大臣、検事総長、A級戦犯、公職追放。東京帝大法科大学英法科卒 池田克 - 大審院検事局次長、司法省刑事局長・思想部長、弁護士、公職追放ののち最高裁判所判事。東京帝大法科大学仏法科 中野並助 - 検事総長、公職追放。のち弁護士。東京帝大法科大学卒 木村篤太郎 - 検事総長、司法大臣、公職追放ののち保安庁長官、防衛庁長官。東京帝大法科大学英法科卒 岸本義広 - 東京高検検事長(宇都宮徳馬事件)。自民党衆議院議員、公選法違反。東京帝大法学部卒 井本台吉 - 検察官(人民戦線事件、ゾルゲ事件)、公職追放ののち弁護士、検事総長、英霊にこたえる会会長。東京帝大法学部卒
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