信頼できない語り手とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 信頼できない語り手の意味・解説 

信頼できない語り手

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/09 07:21 UTC 版)

信頼できない語り手(しんらいできないかたりて、英語: Unreliable narrator)は、小説映画などで物語を進める手法の一つ(叙述トリックの一種)で、語り手ナレーター語り部)の信頼性を著しく低いものにすることにより、読者観客を惑わせたりミスリードしたりするものである[1]


注釈

  1. ^ ジュネットの言う「等質物語世界的」
  2. ^ 同じくジュネットの言う「異質物語世界的」
  3. ^ 実際の著者とは異なる、読者がテキストから想像して形成した著者のイメージ
  4. ^ ただし、ホームズ自身がミスリードしている場合もある。
  5. ^ 『ピックマンのモデル』など。
  6. ^ 第四の壁」を破る例でもある。

出典

  1. ^ a b Frey, James N. (1931). How to Write a Damn Good Novel, II: Advanced Techniques for Dramatic Storytelling (1st ed.). New York: St. Martin's Press. p. 107. ISBN 978-0-312-10478-8. http://us.macmillan.com/howtowriteadamngoodnovelii/JamesFrey 2013年4月20日閲覧。 
  2. ^ a b Booth, Wayne C. (1961). The Rhetoric of Fiction. Univ. of Chicago Press. pp. 158–159. https://archive.org/details/rhetoricoffictio00boot 
  3. ^ Unreliable Third Person Narration? The Case of Katherine Mansfield, Journal of Literary Semantics, Vol. 46, Issue 1, April 2017
  4. ^ a b Rabinowitz, Peter J.: Truth in Fiction: A Reexamination of Audiences. In: Critical Inquiry. Nr. 1, 1977, S. 121–141.
  5. ^ Living Handbook of Narratology”. 2013年1月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月1日閲覧。
  6. ^ Nünning, Ansgar: But why will you say that I am mad?: On the Theory, History, and Signals of Unreliable Narration in British Fiction. In: Arbeiten zu Anglistik und Amerikanistik. Nr. 22, 1997, S. 83–105.
  7. ^ Riggan, William (1981). Pícaros, Madmen, Naīfs, and Clowns: The Unreliable First-person Narrator. Univ. of Oklahoma Press: Norman. ISBN 978-0806117140 


「信頼できない語り手」の続きの解説一覧

信頼できない語り手

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 18:37 UTC 版)

語り手」の記事における「信頼できない語り手」の解説

詳細は「信頼できない語り手」を参照 「信頼できない語り手」は、一人称物語背後から動かす力で、語り手偏見能力限界欲望などからナレーションがゆがむことである。語り手人格について読者が知るための唯一偏りのない手がかりは、語り手自身語り方である。すべての語り手信頼できないともいえ、『白鯨』の語り手信頼置けそうなイシュメールから、ウィリアム・フォークナーの『響きと怒り』における複数の語り手たち(特に知的障害抱えベンジー)や、ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』における犯罪者ハンバート・ハンバート教授まで、語り手信頼度には大きな幅がある。 「信頼できない語り手」の例としては『日の名残り』の執事スティーヴンス、『グレート・ギャツビー』のニック・キャラウェイ、『ライ麦畑でつかまえて』ホールデン・コールフィールド映画ユージュアル・サスペクツ』のヴァーバル・キント、芥川龍之介の『藪の中』や映画羅生門』の証言者たちなどが挙げられる19世紀から20世紀にかけて活躍した文学者ヘンリー・ジェイムズ小説は、すべて語り手視点限界や彼らの語り背後にある動機などが重要な役割果たしている。 信頼できない語り手はフィクション限ったものではない。回顧録自伝自伝的フィクションオートフィクションなど)には語り手たる作者キャラクターたちが登場する時として作者事実歪曲して本当に「信頼できない語り手」となることもあれば、ある目的から自ら「信頼できない語り手」の人格を使うこともある(例えば、映画バスケットボール・ダイアリーズ』の原作となったジム・キャロルの自伝的小説、『マンハッタン少年日記』など)。

※この「信頼できない語り手」の解説は、「語り手」の解説の一部です。
「信頼できない語り手」を含む「語り手」の記事については、「語り手」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「信頼できない語り手」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「信頼できない語り手」の関連用語

信頼できない語り手のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



信頼できない語り手のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの信頼できない語り手 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの語り手 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS