他力本願
他力本願とは、他力本願の意味
他力本願とは、自助努力によってではなく外部からもたらされる助力によって事を成し遂げること、または、そのように期待すること、を意味する語。もともとは浄土思想における救済の考え方を示す語であるが、今日では「人任せ」「他人をあてにする」といった意味合いで用いられることも少なくない。
他力本願の語の由来・語源
他力本願は、もともとは仏教(浄土教)の用語である。 他力本願の本当の意味は「成仏は修行=自らの努力の成果としてではなく、ただ弥陀の本願によってもたられる」という考え方である。「他力」は阿弥陀如来の本願力のこと、「本願」は仏に成らしめようとする願いのこと。「他力本願」は親鸞が説いた教えとしてよく知られている。
他力本願の語の使い方(用法)、例文
今日の通俗的な文脈では「他力本願」はもっぱら「他人や外的要因をアテにする」「人任せ・成り行き任せにする」といった意味で用いられる。他力本願は「他人に甘えて自ら努力をしないクズ」というような非難めいたニュアンスを含みやすいが、「人間関係を大切にする・積極的に人を頼る」といったポジティブな意味合いが込められることもある。
- 上司には部下を頼って仕事を振る他力本願の考え方が求められる
- そんな他力本願の考え方では一人前にはなれない、と言われた
- 思い起こせばずっと他力本願で生きてきた
- 君はまだ未熟だし他力本願で進めていけばいいと思う
- 座右の銘は「他力本願」です
他力本願の英語
救済を意味する「salvation」という単語を組み合わせて、「salvation through the benevolence of Amitabha」というふうに英語で表現すると、「他力本願」の意味となる。たりき‐ほんがん〔‐ホングワン〕【他力本願】
他力本願
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/25 18:21 UTC 版)
他力本願(たりきほんがん)
注釈
- ^ 信楽:「教えを聞いて信じ喜ぶこと、ひたすら信じて疑わず、おのずから心に歓喜が生じることをいう。(中略)浄土教では、弥陀の本願を深く信じて疑わず、救済されんことを願うことをいい(後略)[9]」。
- ^ 受持:〈受〉は受領。〈持〉は憶持の意。〈受け持(たも)つ〉と訓戒し、教えを受けて記憶すること[10]。
憶持:記憶して心に持つこと。心に記憶して忘れないこと。翻訳語としては、憶念と同一[11]。
憶念:東アジアの浄土教において憶念の語は、殊に、阿弥陀仏や阿弥陀仏の功徳、あるいはその本願を、思って忘れぬこと、しばしばそれを思い起こすことの意に用いられる事が多い[11]。 - ^ 真実に背いたよこしまな考え方。
- ^ 自ら思い上がり、他を見下して満足する心。
出典
- ^ a b c 『大辞林 第三版』「他力本願」
- ^ a b c d 『大辞泉』「他力本願」[要文献特定詳細情報]
- ^ a b 『新明解四字熟語辞典』「他力本願」[要文献特定詳細情報]
- ^ 世間一般には、自己の主体性を放棄して他人の力だけを当てにしてものごとを成し遂げようとする依存主義・頼他主義に関して用いられることがあるが、これは語の本来の用法からして誤解である。 — 中村元ほか編 『岩波仏教辞典』第二版、岩波書店、2002年10月、p.689「他力本願」。
- ^ 『大辞林』第二版「他力本願」。
- ^ “他力本願(たりきほんがん)の意味・使い方 - goo四字熟語辞典”. NTTレゾナント. 2018年12月3日閲覧。
- ^ 『大辞泉』「他力」。[要文献特定詳細情報]
- ^ 『広辞苑』第五版、「他力」。
- ^ 中村ほか 2002, p. 565.
- ^ 中村ほか 2002, p. 500.
- ^ a b 中村ほか 2002, p. 114.
- ^ 一楽 2007, pp. 189–190.
- ^ 浄土真宗教学編集所 2009, pp. 43–44.
- ^ “えっ!仏教語だったの?”. 東本願寺. 東本願寺. 2018年12月3日閲覧。
- ^ 本多 2009, p. 75.
- ^ 坂東 2005, p. 85.
- ^ “他力本願の意味とは?|「他力本願-阿弥陀さまにゆだねる- み教えの言葉を学ぶ」より”. 他力本願.net. 2022年4月9日閲覧。
- ^ 『朝日新聞』2005年5月28日号。
- ^ “「他力本願」の使い方間違ってます!仏教界が鹿児島県知事選挙のポスターにNO!選管謝罪…「他人任せ」ではなく「仏様の導き」”. FNNプライムオンライン (フジテレビジョン). (2024年6月21日) 2024年6月26日閲覧。
- ^ 福井万穂 (2024年6月20日). “「他力本願知事」仏教界から抗議で訂正 鹿児島知事選の選管ポスター”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社) 2024年6月26日閲覧。
他力本願
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 05:29 UTC 版)
前述のとおり努力しないことや無責任であることを表現するのに使われるが、本来の意味を誤解・誤用した語である。
※この「他力本願」の解説は、「阿弥陀如来」の解説の一部です。
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他力本願
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