ごへん‐いせい【互変異性】
互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/21 18:51 UTC 版)
互変異性(ごへんいせい、英: tautomerism)は互変異性体(ごへんいせいたい、英: tautomer)を生じる現象である。互変異性体とは、それらの異性体同士が互いに変換する異性化の速度が速く、どちらの異性体も共存する平衡状態に達しうるものを指す。異性化の速度や平衡比は温度やpH、液相か固相か、また溶液の場合には溶媒の種類によっても変化する。平衡に達するのが数時間から数日の場合でも互変異性と呼ぶことが多い。
- ^ 総説: Elguero, J.; Marzin, C.; Katritzky, A. R.; Linda, P. "The Tautomerism of Heterocycles" Katritzky, A. R.; Boulton, A. J. Eds.; Advances in Heterocyclic Chemistry, Supplement No. 1; Academic Press: New York, 1976.
- ^ 総説: Goodman, M. F. (1995). “DNA Models: Mutations caught in the act”. Nature 378: 237-238. doi:10.1038/378237a0.
- ^ Kuesters, W.; De Mayo, P. (1973). “Photochemical synthesis. 52. Thione photochemistry. II. Preparation of an α-dithione and the α-dithione-1,2-dithiete equilibrium”. J. Am. Chem. Soc. 95: 2383–2384. doi:10.1021/ja00788a057.
互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 06:38 UTC 版)
アスコルビン酸はプロトンの移動によって不安定なジケトンに互変異性する。この場合、エノール側が優勢である。エノールがプロトンを失うと、その二重結合からπ電子を受け取り、ジケトンが生成する。この互変異性では1,2-ジケトンと1,3-ジケトンが生成可能である。
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互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 21:47 UTC 版)
X線結晶解析の結果より、互変異性体として存在する。すなわち、クマリン骨格4位のヒドロキシ基と3位の側鎖のケトンがヘミケタールを形成し閉環している構造とそうでない(開環している)構造の2つの構造異性体間での平衡状態として存在する。しかし、抗凝固薬として側鎖にケト基のない4-ヒドロキシクマリン誘導体が多く存在する(フェンプロクモン(英語版)など)事実は、抗凝固作用を発揮するためには非ヘミケタール型となる必要があることを示している。
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互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/19 21:16 UTC 版)
ただし、シアン酸はイソシアン酸との互変異性を示し、気体もしくは非プロトン溶媒中では、イソシアン酸の形で存在する分子の方が多い。一方で、水素結合が形成し易い液体状態やプロトン溶媒中では、シアン酸の形で存在する分子の方が多い。 このような互変異性が、発生するため、例えばウレタンの合成であれば、普通はシアン酸は原料として用いない。一般にウレタンは、イソシアナートとアルコールとを反応させて作る。 なお、ポリウレタンを合成する場合には、2つのイソシアナート基を有した化合物と、ジオールを反応させる。
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互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/13 14:28 UTC 版)
ニトログアニジンには、ニトロ基が結びついた窒素がイミン窒素になっているニトロイミン構造と、アミン窒素になっているニトロアミン構造の間で互変異性が考えられる。15N NMR 上のカップリング定数の解析などにより、前者のニトロイミン構造が優位であることが確認されている。
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互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/29 00:08 UTC 版)
フロログルシノールはフェノール型である1,3,5-トリヒドロキシベンゼンと、ケトン型である1,3,5-シクロヘキサトリオン(フロログルシン)の2種の互変異性体が存在し、それぞれpHに依存した化学平衡の関係にある。
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互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 15:45 UTC 版)
シアヌル酸は以下のように、トリオン構造(下図右、イソシアヌル酸)との互変異性を持つ。
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互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/11 07:55 UTC 版)
H3PO3は、HP(O)(OH)2側に互変異性化する。この化学種の平衡はP(OH)3側が劣勢である。トリヒドロキシ型は亜リン酸、ジヒドロキシ型はホスホン酸と呼ばれる。リン酸のいくつかはOとPとの間でのHの移動により複雑に互変異性化する。固体状態のとき、HP(O)(OH)2はP=O間が148 pm、P-O(H)間が154 pmの四面体構造をとる。
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互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/20 22:46 UTC 版)
溶液中で互変異性体の平衡状態にあり、クロロホルム中で、ケト型:エノール型=2:1である。 結晶中ではエノール型で、分子は水素結合でつながっている。
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互変異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 16:32 UTC 版)
窒素に結合した水素は酸素に転位することができる。この転位が起こると互変異性体である2-ヒドロキシピリジンが形成される。このラクタム-ラクチム互変異性は類似した構造を持つほかの分子でも見られる。
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