不条理ギャグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 04:18 UTC 版)
「ブラックジョーク」および「シュルレアリスム」も参照 1980年代に一世を風靡した吉田戦車を「不条理漫画」の祖とすることが多い。しかし、大塚英志はこれに異を唱えており、漫画史的には吾妻ひでおが1978年から1979年にかけて発表した『不条理日記』(第10回星雲賞受賞作品)が不条理ギャグのルーツとみなすべきだと主張している。 ただし「不条理漫画」的な作品は吾妻以前にも、つげ義春『ねじ式』や蛭子能収『愛の嵐』、赤瀬川原平『櫻画報』などガロ系作家による前衛的な漫画作品や、『天才バカボン』などの赤塚不二夫、長谷邦夫、古谷三敏、とりいかずよしらフジオ・プロのギャグ漫画、ないし谷岡ヤスジ、山上たつひこ、鴨川つばめ、ジョージ秋山、秋竜山、みなもと太郎らによるナンセンスギャグ作品などがあり、手塚治虫はそれらをまとめて「不条理ギャグ」として取り上げている。 また必ずしもギャグを意識していない怪奇漫画や少女漫画でも、内容の奇抜さや不条理な展開から、後年になって不条理ギャグの文脈で再評価される事もある。米沢嘉博や竹熊健太郎が監修を務めた太田出版の復刻漫画レーベル「QJマンガ選書」からは徳南晴一郎の『怪談人間時計』(曙出版)をはじめ特殊な作風の貸本漫画が多数復刻された。また押切蓮介は貸本ホラー漫画の「ギャグにしか見えないホラー」という「ひばり系ホラー」のテイストをあえて意識した、ホラーとギャグを融合させた作風で創作を行っていた。
※この「不条理ギャグ」の解説は、「ギャグ漫画」の解説の一部です。
「不条理ギャグ」を含む「ギャグ漫画」の記事については、「ギャグ漫画」の概要を参照ください。
不条理ギャグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:28 UTC 版)
マンガ解説者の南信長は著書において、吉田戦車の作風が不条理ギャグというジャンルの確立に寄与し、他の漫画家とともに1990年代前半の不条理ギャグブームを支えたとしている。 南は、吉田戦車の作風には「異質なもの同士の出会いによる違和感、動物や無生物の擬人化による異世界感」があるとし、吉田戦車の作風からは「我々が認識している現実がぐにゃりと曲げられるような奇妙な感覚」や、「幼児がTPOもわきまえずに意味不明な発言をするように、脈絡のないナンセンスな展開で、どう反応していいのか分からなくなる」といった「ある種の居心地の悪さ」を感得するという。南は、このような居心地の悪さを笑いに変えた吉田戦車の作風が不条理ギャグと呼ばれるようになったとしており、1990年代前半の不条理ギャグブームを支えた作家として吉田戦車、中川いさみ、朝倉世界一、榎本俊二、和田ラヂヲらを挙げている。 南は、これらの「才能」が吉田戦車の登場と相前後して同時多発的に生まれてきたとし、お互いにほぼ同世代であるこれらの作家の活躍が相乗効果を生み、不条理ギャグというジャンルが確立されたとしている。
※この「不条理ギャグ」の解説は、「吉田戦車」の解説の一部です。
「不条理ギャグ」を含む「吉田戦車」の記事については、「吉田戦車」の概要を参照ください。
- 不条理ギャグのページへのリンク