ワールドトレードセンターのツインタワー両棟崩壊についての論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 17:06 UTC 版)
「アメリカ同時多発テロ事件陰謀説」の記事における「ワールドトレードセンターのツインタワー両棟崩壊についての論争」の解説
主流の見解では、ワールドトレードセンター・コンプレックスを形成する7つのビルは、航空機の衝突とそれに伴う火災をきっかけに崩壊したとする。この立場から崩壊の機序を説明する仮説のうち初期のものは、「パンケーキクラッシュ説」とも呼ばれる。これは、ビルの各階の層が下の階へ落下することで、各階が順に押し潰されるようにして崩壊したとする。 しかし、この説に基づけば各階の落下速度が自由落下の速度を越えないはずだとの反論がある。Rick Segalは、崩壊時の映像記録によれば第1ビル、第2ビル、第7ビルの崩壊速度は真空での自由落下速度に匹敵すると述べた。ただし、実際に自由落下だった場合、第1および第2ビルの高さだと9秒、第7ビルだと3秒強で崩壊することになるが、ツインタワーの倒壊には15-20秒、第7ビルは陰謀論者の主張でも6秒かかっているため、とうてい自由落下に「匹敵」とはいえない。また、近代的な高層ビルで火災が原因で崩壊した例はないという反論、パンケーキ説が唱えるような重みや歪み等による崩壊であれば各階が残っているはずだが、実際には原形をとどめないほど粉砕されているという反論もある。 ツインタワーの崩壊は秘密裏に計画された人為的な爆破あるいは解体であったとする主張もある。たとえばスティーブン・E・ジョーンズは、ワールドトレードセンターの3つのビルの崩壊の際にテルミットが使われたという仮説を発表している。また7号館は当時、一切の影響を受けていなかったにもかかわらず、古いビルの爆破解体のように中央から瞬時に崩れ、周りの建物をほとんど傷つけることなく瓦礫(がれき)がきれいに敷地内に収まっているということを指摘する意見がある[要出典]。 一方で、爆破解体は無数の爆薬に電気配線をつなぎ、電気雷管で起爆する非常に緻密(ちみつ)な作業であり、ましてやワールドトレードセンター・ツインタワーほどの規模になると、どんなにいい加減な作業内容でも、数百人規模の人員と数ヶ月の工期(日本の一般的な河川に架かる橋の発破解体でも約20人の人員と2ヶ月の工期が必要)が最低条件となるため、一日に20万を越える人間が出入りするワールドトレードセンター・コンプレックス内で、これらの作業を秘匿(ひとく)しつつ遂行することについての疑問もある。また、ツインタワー両棟は一箇所でも破断したら落下してしまう本質的に単純支持のトラス梁(ばり)で構成された床をもつ特別な構造躯体であり、もともと飛行機の突入による崩壊は必然であるという意見がある。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}しかしこの理屈はフロア及び外壁の崩落は説明できてもコアブロックの崩落の説明にはならない[要出典]。 またアメリカ地質調査所とRJ Lee社による粉砕粉の標本調査では、テルミット反応や爆発の証拠は一切報告されておらず、「テルミットした物質」はプライマー塗料であったと推測されている。国立標準技術研究所は鉄は溶けたのではなく、むしろ脆くなったのであり、それが航空機の衝突によるダメージと共に、倒壊の原因となったと報告した。
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