レボブピバカインとは? わかりやすく解説

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レボブピバカイン

分子式C18H28N2O
その他の名称L-(-)-ブピバカイン、(-)-ブピバカイン、(-)-Bupivacaine、L-(-)-Bupivacaine、(2S)-1-Butyl-N-(2,6-dimethylphenyl)piperidine-2α-carboxamide、(S)-ブピバカイン、(S)-Bupivacaine、S-(-)-ブピバカイン、S-(-)-Bupivacaine、レボブピバカイン、Levobupivacaine
体系名:(2S)-1-ブチル-N-(2,6-ジメチルフェニル)ピペリジン-2-カルボアミド、(2S)-1-ブチル-N-(2,6-ジメチルフェニル)-2-ピペリジンカルボアミド、(2S)-1-ブチル-N-(2,6-ジメチルフェニル)ピペリジン-2α-カルボアミド


レボブピバカイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/02 00:55 UTC 版)

レボブピバカイン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com Micromedex Detailed Consumer Information
胎児危険度分類
法的規制
投与方法 非経口
薬物動態データ
生物学的利用能n/a
代謝肝代謝
半減期2–2.6 時間
排泄[腎] 70%, [糞便中] 24%
識別
CAS番号
27262-47-1 
ATCコード N01BB10 (WHO)
PubChem CID: 92253
IUPHAR/BPS 7211
DrugBank DB01002 
ChemSpider 83289 
UNII A5H73K9U3W 
ChEBI CHEBI:6149 
ChEMBL CHEMBL1201193 
化学的データ
化学式C18H28N2O
分子量288.44 g·mol−1
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レボブピバカインは、アミド型の局所麻酔薬である。ブピバカインS-エナンチオマーである[1]。ラセミ体であるプピバカインよりも毒性が低い。

レボブピバカイン塩酸塩は、丸石製薬からポプスカインという商品名で販売されている。日本での薬価収載は2008年8月[2]。競合薬品であるロピバカイン[3]より7年遅れであった[4][2]

臨床使用

ブピバカインと比較して、レボブピバカインは血管拡張が少なく、作用持続時間が長い。ラセミブピバカインよりも(モル濃度で)約 13% 効力が低く、運動遮断の開始時間が長くなる(海外、髄腔内投与時)[5]

適応

レボブピバカインは、成人の浸潤、神経ブロック硬膜外麻酔を含む局所麻酔に適応される。および小児の浸潤鎮痛。日本では、0.25%製剤と0.5%製剤は承認当初は硬膜外麻酔と神経ブロックにしか適応が認められていなかったが、2019年9月に局所浸潤麻酔も保険審査上承認となった[6]。0.75%製剤は硬膜外麻酔のみが適応となっている[7]

禁忌

レボブピバカインは、静脈内局所麻酔 (IVRA) には禁忌である。静脈内への誤注入をさけるための相互接続防止コネクタ対応製品の開発が進められていたが、2022年12月時点では発売断念が公表された[8]

副作用

薬物有害反応(ADR)は、正しく投与されている場合はまれである。ほとんどの ADR は、投与技術 (全身暴露をもたらす) または麻酔の薬理学的影響に関連しているが、アレルギー反応はめったに発生しない。

過剰量のブピバカインへの全身暴露は、主に中枢神経系(CNS) および心血管への影響をもたらす。通常、CNS への影響は、より低い血漿濃度で発生し、さらに高濃度での心血管への影響が現れる、低濃度では心血管の虚脱も発生する可能性がある。中枢神経系への影響には、中枢神経系の興奮 (神経過敏、口の周りのうずき、耳鳴り、振戦、めまい、かすみ目、痙攣) とそれに続くうつ病 (眠気、意識喪失、呼吸抑制、無呼吸) が含まれる場合がある。心血管への影響には、低血圧徐脈不整脈、および/または心停止が含まれる。その一部は、呼吸抑制に続発する低酸素血症が原因である可能性がある。

関節鏡視下術後肩甲上腕関節軟骨融解症

レボブピバカインは軟骨に対して有毒であり、関節内注入は関節鏡視下術後肩甲上腕関節軟骨融解症を引き起こす可能性がある[9]

脚注

  1. ^ “Update on local anesthetics: focus on levobupivacaine”. Therapeutics and Clinical Risk Management 4 (2): 381–92. (April 2008). doi:10.2147/tcrm.s1433. PMC 2504073. PMID 18728849. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2504073/. 
  2. ^ a b ポプスカイン0.5%注50mg/10mL”. www.info.pmda.go.jp. 2023年8月23日閲覧。
  3. ^ 競合品目・競合企業リスト”. 厚生労働省 (2011年2月3日). 2023年8月23日閲覧。
  4. ^ 医療用医薬品 : アナペイン (商品詳細情報)”. www.kegg.jp. 2023年8月23日閲覧。
  5. ^ “Intrathecal bupivacaine or levobupivacaine: which should be used for elderly patients?”. The Journal of International Medical Research 42 (2): 376–85. (April 2014). doi:10.1177/0300060513496737. PMID 24595149. 
  6. ^ 第21時審査情報提供事例(医科)令和元年9 月 30日提供分”. 社会保険診療支払基金. p. 10. 2023年8月20日閲覧。
  7. ^ ポプスカイン0.75%注150mg/20mL”. www.info.pmda.go.jp. 2023年8月20日閲覧。
  8. ^ ※続報※【周知】アナペイン、ポプスカイン相互接続防止コネクタ対応製品の発売断念|公益社団法人 日本麻酔科学会”. anesth.or.jp. 2023年1月4日閲覧。
  9. ^ “Articular cartilage and local anaesthetic: A systematic review of the current literature”. Journal of Orthopaedics 12 (Suppl 2): S200-10. (December 2015). doi:10.1016/j.jor.2015.10.005. PMC 4796530. PMID 27047224. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4796530/. 


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