ヨハネの手紙一
ヨハネの手紙一
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 06:21 UTC 版)
詳細は「ヨハネの手紙一」を参照 第一書は5章から成る。手紙と呼ばれてはいるが、実際の手紙の様式(差出人、宛先の記載など)を備えておらず、特定の個人や教会よりも広い範囲に送られたか、回章のようなものだったと考えられている。 内容には、正しい信仰、兄弟愛、罪という3つの主題が繰り返し登場する。中村和夫はそれを発展のない繰り返しと見なし、ジュディス・リュウは螺旋状に新たな要素を含んでいると見なした。相互の主題が関連しつつ繰り返される構成は、区切りの設定が難しいことをしばしば指摘されており、R・E・ブラウンは先行する36人以上の論者たちの主な区切り方を27種類に分類した。 執筆の背景にあったのはヨハネ共同体の分裂で、「彼らはわたしたちから出て行った」(2章19節)とされている。その出て行った者たちについては、「偽り者とは、だれであるか。イエスのキリストであることを否定する者ではないか。父と御子とを否定する者は、反キリストである」(2章22節)、「イエス・キリストが肉体をとってこられたことを告白する霊は、すべて神から出ているものであり、イエスを告白しない霊は、すべて神から出ているものではない。これは、反キリストの霊である」(4章2・3節)と批判されている。ここで批判されている思想は、仮現論などとの関連が指摘されている。
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