ヨハネ文書
ヨハネ文書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/03 05:00 UTC 版)
ヨハネ文書(1世紀末 - 2世紀)のうち、『ヨハネによる福音書』と『ヨハネの手紙一』に関係する記述がある。 『ヨハネ福音書』の冒頭(1:1-2)には「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。この言は初めに神と共にあった」とあり、また1:14に「そして言は肉体となり、わたしたちのうちに宿った。わたしたちはその栄光を見た。それは父のひとり子としての栄光であって、めぐみとまこととに満ちていた」とあるように、「父なる神の下に、言葉(ロゴス)として先住していたイエスが受肉した」という「受肉」を前提としている。また、20:24-19で、イエスの肉体の復活を否定する使徒トマスのシーンを通じて、肉体の復活が確証されている。 一方で、『ヨハネ福音書』を仮現説的、またグノーシス主義的な文書と見る説もある。このような立場では、受肉は譬喩的な表現に過ぎないことになる。またトマスの告白なども、正統派教会の影響により、仮現説への反駁が『ヨハネ福音書』に添加されたと見なされることもある。このような点から『ヨハネ福音書』は仮現説に反駁する目的で編纂されたという見解がある。 また、『ヨハネの手紙一』4:1-3、『ヨハネの手紙二』1:7は、受肉を否定する偽預言者の存在に言及しており、偽預言者の教説が、仮現説に関係があると考えられる。
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