モデルとなった実在の人物と組織
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 07:15 UTC 版)
「ゴッドファーザー PART III」の記事における「モデルとなった実在の人物と組織」の解説
上記のように、本作品は1978年の教皇ヨハネ・パウロ1世の毒殺が強く疑われている急死と、1982年に発生し世界を揺るがす大スキャンダルとなったロベルト・カルヴィ暗殺事件。そしてこれらの事件にまつわるバチカンとイタリア政財界を巻き込んだ金融疑獄事件という、多くの共通の関係者を持つ複数の大事件を作品内にほぼそのままに取り入れることで、現実におけるバチカンとイタリア政財界、マフィアの3者の癒着、腐敗体質を批判している。 その中で、下記のように2つの事件に登場した複数の実在の人物をモデルとしてあてはめている。 ランベルト枢機卿 : アルビーノ・ルチアーニ(枢機卿、その後のヨハネ・パウロ1世) ギルディ大司教 : ポール・マルチンクス(大司教、宗教事業協会〔通称「バチカン銀行」〕総裁) フレデリック・カインジック : ロベルト・カルヴィ(アンブロシアーノ銀行頭取) ドン・リーシオ・ルケージ : リーチオ・ジェッリ(イタリア社会運動幹部、ロッジP2代表)もしくはジュリオ・アンドレオッティ(元イタリア首相) 劇中において、コンクラーヴェの結果「教皇ヨハネ・パウロ1世」となり、バチカン内の腐敗体質の一掃を行おうとしたにもかかわらず就任後に毒殺された「ランベルト枢機卿」については、枢機卿時代の名前こそ違うが、教皇に選ばれた後の名前は実在のものと同じ「ヨハネ・パウロ1世」となっている。 それだけではなく、劇中のコンクラーヴェにおける他の教皇候補者の名前(「ジュゼッペ・シーリ枢機卿」と「アロイーシオ・ロシャイデル枢機卿」)と、その得票数もコンクラーヴェ実際のものと同じであるというように、あからさまにモデルとしてあてはめている。 なお実際に、本物のヨハネ・パウロ1世も就任後にカルヴィやマルチンクス、ジェッリ、アンドレオッティらによるバチカンとイタリア政界、マフィアの癒着によるバチカンの腐敗体質を一掃しようとしたものの、就任後わずか33日に不可解な状況下で自分の居室で死去し、その後解任候補者のリストが行方不明になると同時に、証拠隠滅が図られたことから毒殺による暗殺が疑われている。 さらにジェッリが代表を務め、カルヴィやマルチンクスが会員となっており、カルヴィ暗殺やヨハネ・パウロ1世の「暗殺」にかかわったとされる極右秘密結社「ロッジP2」の名前が実際に劇中で出てくるほか、劇中においてバチカンと関係の深い投資会社として登場した「インターナショナル・インモビリアーレ」社も、イタリアに実在する不動産を中心とした投資会社で、バチカン銀行が大株主であった「インモビリアーレ」社をモデルにしたとされている。 なおコッポラは、当時カルヴィが頭取を務めていたアンブロシアーノ銀行が、パラマウント映画の親会社でコングロマリットの「ガルフ-ウェスタン社」の大株主であった関係で、パラマウントの本社ビルを訪れていたカルヴィを目撃したと語っている。
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