プラズモンと金属光学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/25 04:43 UTC 版)
「ナノフォトニクス」の記事における「プラズモンと金属光学」の解説
金属は、光をその波長よりはるかに下に閉じ込める効果的な方法である。これは元々は無線およびマイクロ波工学で使用されていた。そこでは金属アンテナと導波管は自由空間波長よりも何百倍も小さい可能性がある。同様の理由で、可視光はナノサイズの構造、先端、ギャップなどのナノサイズの金属構造を介すことでナノスケールに閉じ込めることができる。この効果は、電場が先端に集中する避雷針と多少似ている。 この効果は基本的には、金属の誘電率が非常に大きい負の値であるという事実に基づいている。非常に高い周波数(プラズマ周波数及びそれ以上、通常は紫外線)では、金属の誘電率はそれほど大きくなく、金属は電場集中には役立たない。 多くのナノ光学設計は一般的なマイクロ波および電波回路と同じように見えるが、大きさは10万分の1以上に縮小されている。結局のところ電波、マイクロ波、可視光は全て電磁放射であり、周波数が異なるだけである。よって他の部分は同じであり、10万分の1になったマイクロ波回路は10万倍の周波数で同じように動作する。例えば、電波用の八木・宇田アンテナと本質的に同じ設計でナノオプティクスの八木・宇田アンテナが研究者により作製されている。 金属の平行平板導波管(ストリップライン)、インダクタンスやキャパシタンスなどの集中定数回路素子(可視光の周波数での値はそれぞれフェムトヘンリーとアトファラドのオーダー)、ダイポールアンテナの伝送線路に対するインピーダンスマッチングやマイクロ波周波数でよく知られている技術は全てナノフォトニクス開発の現在の分野である。というものの、ナノオプティクスと小型マイクロ波回路の間には非常に重要な違いが多くある。例えば、光学周波数では金属は理想導体のようにはあまり振舞わず、力学インダクタンスや表面プラズモン共鳴のような興味深いプラズモン関連の効果を示す。同様に、光学場はマイクロ波とは根本的に異なる方法で半導体と相互作用する。
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