ブラウアー群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 09:41 UTC 版)
数学において、体 K に対するブラウアーの多元環類群(たげんかんるい、英: algebra class group)あるいは単に K のブラウアー群(ブラウアーぐん、英: Brauer group)Br(K) は、体 K 上の中心的単純環の森田同値類(多元環類、ブラウアー類)を元とするアーベル群で、その演算は多元環のテンソル積から誘導される。ブラウアー群は体上の斜体の分類の過程で考え出されたもので、名称は代数学者のリチャード・ブラウアーに由来する。さらに一般に、スキームのブラウアー群の概念も東屋多元環(東屋代数)を用いて定義される。
- 1 ブラウアー群とは
- 2 ブラウアー群の概要
- 3 類体論との関係
- 4 性質
- 5 関連項目
ブラウアー群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/25 08:01 UTC 版)
詳細は「ブラウアー群」を参照 可換な体 K 上の(有限次元)線形単純環で、その中心が K になっているものは K 上の中心単純環と呼ばれる。K 上の中心単純環同士の K 上のテンソル積は再び K 上の中心単純環になる。中心単純環 R と R 上の n 次行列環 Mn(R) を同一視することによってテンソル積操作は中心単純環の同値類上に群演算を定める(反対環の類をとることでそれぞれの同値類に対する逆元が得られる)。こうして得られる(可換)群 Br(K) は K のブラウアー群と呼ばれる。p-進体のブラウアー群はQ/Z になり、より一般に可換体 K のブラウアー群を絶対ガロア群の群コホモロジー Br(K) ≡ H2(GK, (Ksep)×) ((Ksep)× は K の分離閉包の可逆元全体のなす乗法群) としても解釈できる。
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ブラウアー群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/02 17:14 UTC 版)
詳細は「ブラウアー群」を参照 可換体 K のブラウアー群は、アーベル群であって、その元は K 上有限ランクの中心的単純多元環の森田同値類であり、加法は多元環のテンソル積によって誘導されるものである。ブラウアー群は可換体上の可除多元環を分類しようとする試みから生じたものであり、代数学者 Richard Brauer(英語版) にちなんで名づけられている。群はガロワコホモロジーのことばによって定義することもできる。より一般に、スキームのブラウアー群は東屋多元環(英語版)のことばによって定義される。
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ブラウアー群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 05:35 UTC 版)
「ブラウアー群」を参照 四元数体 H は「本質的に」唯一の(非自明な)中心的単純環である。これは実数体上の任意の中心的単純環は R または H の何れかにブラウアー同値(森田同値)であるという意味である。明確に述べれば、R のブラウアー群は、R および H をそれぞれの代表元とする二つの同値類からなる。ここで、ブラウアー群というのは中心的単純環全体の成す集合を、一方の中心的単純環が他方の中心的単純環の上の全行列環となるという同値関係で割って得られるものであった。アルティン・ウェダーバーンの定理(のウェダーバーンの部分)によって、任意の中心的単純環は何らかの斜体上の行列環となるから、従って四元数体が実数体上で唯一の非自明な多元体であることが分かる。 中心的単純環(体上の環であって、それ自身が体同様に非自明な両側イデアルを持たないという意味で単純環であり、かつその中心が基礎体に一致するもの)は、体の拡大の非可換版の類似物であり、一般の環の拡大よりも限定的である。四元数体が実数体上の(同値を除いて)唯一の非自明な中心的単純環であるという事実は、複素数体が実数体上の唯一の非自明な拡大体であることに比肩する。
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