テンソル積とは? わかりやすく解説

テンソル積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/28 09:22 UTC 版)

数学におけるテンソル積(テンソルせき、: tensor product)は、線型代数学多重線型性を扱うための線型化を担う概念で、既知のベクトル空間・加群など様々な対象から新たな対象を作り出す操作の一つである。そのようないずれの対象に関しても、テンソル積は最も自由英語版双線型乗法である。


注釈

  1. ^ テンソルおよびテンソル空間の項を参照
  2. ^ これは例えば工学系において剰余演算を記法 (mod n) で表して具体的に返される剰余が、数学的には同値類として定義される (mod n) に属する無数の元の一つ(同値類の代表元)となるというのと同様である

出典

  1. ^ Hazewinkel, Michiel; Gubareni, Nadezhda Mikhaĭlovna; Gubareni, Nadiya; Kirichenko, Vladimir V. (2004). Algebras, rings and modules. Springer. p. 100. ISBN 978-1-4020-2690-4 
  2. ^ Permutation Operator - PlanetMath.(英語)



テンソル積 (tensor product)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/19 10:45 UTC 版)

二項積」の記事における「テンソル積 (tensor product)」の解説

ベクトル a, b のテンソル積は a ⊗ b で表される

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テンソル積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 07:34 UTC 版)

線型位相空間」の記事における「テンソル積」の解説

二つ線型位相空間代数的なテンソル積上に考えられる妥当な位相一意とは限らず射影テンソル積や単射テンソル積など自然に定義される様々な位相考えられる片方線型位相空間核型である場合にはこれらの位相一致し、テンソル積上の妥当な位相一意的に定まることになる。

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テンソル積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 01:23 UTC 版)

ヒルベルト空間」の記事における「テンソル積」の解説

詳細は「ヒルベルト空間のテンソル積(英語版)」を参照 二つヒルベルト空間 H1, H2 に対し、それらの(代数的な)テンソル積の上に、次のように内積定めることができる。まず(生成元である)単純テンソル英語版に対して ⟨ x 1 ⊗ x 2 , y 1 ⊗ y 2 ⟩ := ⟨ x 1 , y 1 ⟩ ⟨ x 2 , y 2 ⟩ {\displaystyle \langle x_{1}\otimes x_{2},\,y_{1}\otimes y_{2}\rangle :=\langle x_{1},y_{1}\rangle \,\langle x_{2},y_{2}\rangle } と定め、これを半双線型 (Sesquilinearly) に H 1 ⊗ H 2 {\displaystyle H_{1}\otimes H_{2}} 全体定義される内積拡張する。H1 と H2 とのヒルベルトテンソル積 H 1 ⊗ ^ H 2 {\displaystyle H_{1}{\hat {{}\otimes {}}}H_{2}} とは、いま定義した内積付随する距離位相に関して H1 ⊗ H2 を完備化して得られるものをいうヒルベルト空間 L2([0, 1]) を使って例を考えようL2([0, 1]) の二つコピーのヒルベルトテンソル積は、正方形 [0, 1]2 上の自乗可積分関数空間 L2([0, 1]2) に等距かつ線型同型である。この同型で単純テンソル f1 ⊗ f2 は ( s , t ) ↦ f 1 ( s ) f 2 ( t ) {\displaystyle (s,t)\mapsto f_{1}(s)\,f_{2}(t)} なる正方形上の関数写される。 この例は以下のような意味で典型的である。即ち、各単純テンソル積 x1 ⊗ x2 には(連続的双対 H1∗ から H2 への 1-階作用素 x ∗ ∈ H 1 ∗ → x ∗ ( x 1 ) x 2 {\displaystyle x^{*}\in H_{1}^{*}\to x^{*}(x_{1})\,x_{2}} が対応し、この単純テンソル定義され写像拡張して、H1 ⊗ H2 と H1∗ から H2 への有限階作用素全体の成す空間とを同一視する線型同型得られる。これを拡張して、ヒルベルトテンソル積 H 1 ⊗ ^ H 2 {\displaystyle H_{1}{\hat {{}\otimes {}}}H_{2}} は H1∗ から H2 へのヒルベルト=シュミット作用素全体の成すヒルベルト空間 HS(H1∗, H2) に等距線型同型になることがわかる。

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テンソル積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 00:46 UTC 版)

ベクトル空間」の記事における「テンソル積」の解説

詳細は「ベクトル空間のテンソル積」を参照 同じ体 F 上の二つベクトル空間 V と W のテンソル積 (英: tensor product ) V ⊗F W あるいは単に V ⊗ W は、線型写像多変数にするような概念の拡張を扱う多重線型代数における中心的な概念のひとつである。写像 g : V × W → X が双線型写像であるとは、g が両変数 v, w の何れについても線型であることを言う。これはつまり、w を固定したとき写像 v ↦ g(v, w) が線型あり、かつ v を固定した時も同様であることを意味する。 テンソル積は以下のような意味で、双線型写像普遍的に受け入れる特別のベクトル空間である。それはテンソル呼ばれる記号の(形式的な有限和 v1 ⊗ w1 + v2 ⊗ w2 + ... + vnwn全体からなる線型空間で、これらの元は a をスカラーとして a · (v ⊗ w) = (a · v) ⊗ w = v ⊗ (a · w), (v1 + v2) ⊗ w = v1 ⊗ w + v2 ⊗ w, v ⊗ (w1 + w2) = v ⊗ w1 + v ⊗ w2 なる規則縛られている。 これらの規則は、順序対 (v, w) を v ⊗ w へ写す V × W から V ⊗ W への写像 f が双線型となることを保証するのであるテンソル積の普遍性とは 任意のベクトル空間 X と任意の双線型写像 g : V × W → X が与えられたとき、写像 u : V ⊗ W → X が一意的に存在して上記写像 f との合成 u ∘ f が g : u(v ⊗ w) = g(v, w) に等しくなるようにすることができるというものであるテンソル積の普遍性対象を、その対象からの、あるいはその対象への写像によって間接的に定義するという(進んだ抽象代数学ではよく用いられる手法一例である。

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テンソル積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/21 03:01 UTC 版)

多重線型形式」の記事における「テンソル積」の解説

「テンソル積#線型写像のテンソル積」も参照 k-重線型形式全体の成す空間 Lk(V)点ごとの積に関して閉じていないが、f ∈ Lk(V), g ∈ Ll(V)点ごとの積: ( f ⊗ g ) ( v 1 , … , v k , v k + 1 , … , v k + l ) := f ( v 1 , … , v k ) g ( v k + 1 , … , v k + l ) {\displaystyle (f\otimes g)(v_{1},\ldots ,v_{k},v_{k+1},\ldots ,v_{k+l}):=f(v_{1},\ldots ,v_{k})g(v_{k+1},\ldots ,v_{k+l})} は (k + l)-重線型形式となる(これを f と g とのテンソル積と呼ぶ)。したがって Lk(V)Ll(V)Lk+l(V) であり、無限直和k L k ( V ) {\textstyle \bigoplus _{k}L_{k}(V)} はこの積に関して閉じていて、次数付き多元環として共変テンソル代数との自然な同型k L k ( V ) ≅ T ∙ ( V ) {\textstyle \bigoplus _{k}L_{k}(V)\cong T_{\bullet }(V)} がある。 このように定義され多重線型形式のテンソル積は可換でない。しかしテンソル積は結合的かつ双線型乗法与えている。

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