ブラウアー指標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/24 06:18 UTC 版)
モジュラー表現論はリチャード・ブラウアーが1940年ごろから展開したもので、標数 p の表現と通常の指標理論、および G の構造との非常に深い関係性を研究するものである。特に後者はその p-部分群の埋め込みおよびもとの群 G との関係性についてのものになっている。これらの結果は、群論において表現の言葉では直接的に言い表せない問題に適用することができた。 ブラウアーは今日ではブラウアー指標と呼ばれている概念を導入した。K が正標数 p の代数閉体であるとき、K に属する 1 の冪根と、位数が p と素な 1 の複素冪根との間に一対一対応が存在する。そのような全単射を一つ決めて固定するとき、表現のブラウアー指標は、その群で位数が p と素な各元に、その元の表現空間における(重複度込みの)固有値に対応する 1 の複素冪根の総和を割り当てるものである。 表現のブラウアー指標はその組成因子を決定するが、一般には同値型を決定するものでない。既約ブラウアー指標は単純加群によって組成因子が与えられる。既約ブラウアー指標は、通常の既約指標を位数が p と素であるような元に制限したものの(必ずしも非負でない)整係数線型結合である。逆に、各通常既約指標の位数が p と素な元への正弦は、既約ブラウアー指標の非負整係数線型結合として一意的に表される。
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