フェライト系ステンレス鋼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/18 04:16 UTC 版)
フェライト系ステンレス鋼(フェライトけいステンレスこう)とは、常温でフェライトを組織とする組成を持つ、ステンレス鋼の一種である。ステンレス鋼における金属組織別分類の1つで、他には「マルテンサイト系ステンレス鋼」「オーステナイト系ステンレス鋼」「オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼」「析出硬化系ステンレス鋼」の4つがある[2]。フェライト系はステンレス鋼の耐食性[注 1]を生み出すクロムを主成分として含み、「クロム系ステンレス鋼」に分類される[4]。
注釈
出典
- ^ “用途例 建築”. ステンレス協会. 2018年1月7日閲覧。
- ^ “How many types of stainless steel are there?”. British Stainless Steel Association. 2018年1月13日閲覧。
- ^ “耐食性”. 無電解ニッケルめっき加工の無電解ニッケルメッキ.com. 2018年2月11日閲覧。
- ^ ステンレス協会 1995, p. 38.
- ^ 向井 1999, p. 1, 7.
- ^ a b c d ステンレス協会 1995, p. 519.
- ^ a b ステンレス協会 1995, p. 102.
- ^ 新日本製鐵 2005, p. 13.
- ^ Lai Leuk et al. 2012, p. 9; ステンレス協会 1995, p. 519.
- ^ a b ISSF 2007, p. 5.
- ^ ステンレス協会 1995, pp. 519–520.
- ^ 野原 2016, p. 17.
- ^ ISSF 2007, p. 14; 谷野・鈴木 2013, p. 241; 大山・森田・吉武 1990, p. 32.
- ^ 小林 裕、2013、「ステンレス鋼とは何か」 (pdf) 、『特殊鋼』62巻6号、特殊鋼倶楽部、2013年11月 pp. 6–7
- ^ “フェライト系ステンレス鋼”. 大同特殊鋼. 2019年4月8日閲覧。
- ^ “ステンレス鋼の種類”. 丸山技研. 2019年4月8日閲覧。
- ^ a b 2009、『金属材料データブック ―JISと主要海外規格対照』改訂7版、日本規格協会 ISBN 978-4-542-14020-2 pp. 224–225, 226–229
- ^ Lai Leuk et al. 2012, p. 10.
- ^ 野原 2016, p. 48.
- ^ Lai Leuk et al. 2012, p. 9.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 103.
- ^ “LowC、Nフェライト系ステンレスの特長について”. ステンレス協会. 2018年1月8日閲覧。
- ^ ステンレス協会 1995, p. 1034.
- ^ 大山・森田・吉武 1990, p. 146.
- ^ 野原 2016, p. 96.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 485.
- ^ a b c ISSF 2007, p. 21.
- ^ a b Donald Peckner, I. M. Bernstein, ed (1977). Handbook of Stainless Steels. McGraw-Hill. p. 16-6. ISBN 007-049147-X
- ^ ステンレス協会 1995, p. 488.
- ^ 橋本 2007, p. 191.
- ^ 野原 2016, p. 102.
- ^ 田中 2010, p. 105.
- ^ ステンレス協会 1995, pp. 531–533.
- ^ a b c 野原 2016, p. 103; 田中 2010, p. 125.
- ^ a b 田中 2010, p. 171.
- ^ 田中 2010, pp. 26–27.
- ^ 橋本 2007, p. 161.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 1427.
- ^ “炭素鋼とは 大辞林 第三版の解説”. コトバンク. 朝日新聞社、VOYAGE GROUP. 2017年12月24日閲覧。
- ^ 橋本 2007, p. 159.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 1429.
- ^ 田中 2010, p. 168.
- ^ 田中 2010, p. 167.
- ^ 橋本 2007, p. 159–161.
- ^ 田中 2010, p. 170.
- ^ a b ISSF 2007, p. 17.
- ^ 橋本 2007, p. 160.
- ^ 橋本 2007, p. 165.
- ^ 橋本 2007, p. 165; 野原 2016, p. 141.
- ^ 鷲見 芳紀、2005、「特集:やさしく知る特殊鋼の熱処理 7.耐熱鋼・耐熱合金」64巻4号、特殊鋼倶楽部、2005年7月 pp. 38–41
- ^ 向井 1999, p. 10.
- ^ ステンレス協会 1995, pp. 527, 529.
- ^ 田中 2010, p. 152.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 493.
- ^ “Ferritic stainless steels”. British Stainless Steel Association. 2017年12月15日閲覧。
- ^ 田中 2010, p. 156.
- ^ 田中 2010, p. 160.
- ^ 橋本 2007, p. 181.
- ^ a b Lai Leuk et al. 2012, p. 12.
- ^ Lai Leuk et al. 2012, p. 12; ステンレス協会 1995, pp. 104, 998.
- ^ a b 橋本 2007, p. 155.
- ^ a b ステンレス協会 1995, p. 104.
- ^ Lai Leuk et al. 2012, p. 41; 田中 2010, p. 109; 野原 2016, p. 164.
- ^ 橋本 2007, pp. 155–156.
- ^ 田中 2010, p. 153.
- ^ a b 野原 2016, p. 164.
- ^ Lai Leuk et al. 2012, p. 13.
- ^ 野原 2016, p. 164; Lai Leuk et al. 2012, p. 13.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 998; 野原 2016, pp. 48, 164; 橋本 2007, p. 155.
- ^ 野原 2016, p. 48; 田中 2010, p. 95.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 998.
- ^ 向井 1999, p. 11.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 104; 田中 2010, p. 153.
- ^ a b ISSF 2007, p. 16.
- ^ a b 田中 2010, p. 178.
- ^ 野原 2016, p. 137.
- ^ a b ISSF 2007, p. 32.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 931.
- ^ ステンレス協会 1995, pp. 932–933; 田中 2010, pp. 195–196.
- ^ 橋本 2007, p. 256.
- ^ 田中 2010, p. 178; ステンレス協会 1995, p. 939.
- ^ Sérgio Souto Maior Tavares, Luis Felipe Guimarães de Souza, Tatiane de Campos Chuvas, Cássio Lapate da Costa Machado, & Brígida Bastos de Almeida (2018). “Influence of heat treatments on the microstructure and degree of sensitization of base metal and weld of AISI 430 stainless steel”. Matéria (Rio de Janeiro) 22 (1). doi:10.1590/s1517-707620170005.0275. ISSN 1517-7076.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 996.
- ^ 向井 1999, pp. 64–65.
- ^ 向井 1999, p. 64.
- ^ 野原 2016, p. 155.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 492.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 1110.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 546.
- ^ a b c 田中 2010, p. 190.
- ^ 田中 2010, p. 191.
- ^ a b 野原 2016, p. 167.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 937.
- ^ ISSF 2007, p. 33; 田中 2010, p. 191.
- ^ a b c d e f 尾崎 芳宏・井口 貴朗・宇城 工、2008、「エキゾーストマニフォールド用フェライト系ステンレス鋼の成形性」 (pdf) 、『JFE技報』(20)、JFE、2008年6月 pp. 44–45
- ^ ステンレス協会 1995, p. 933.
- ^ a b c 田中 2010, p. 189.
- ^ “Stainless Steel in Architectural Applications (pdf)”. The International Stainless Steel Forum. p. 18 (2016年12月12日). 2019年5月3日閲覧。
- ^ 木村知弘、2008、「東京カテドラル聖マリア大聖堂外装改修工事とステンレス」 (pdf) 、『ステンレス構造建築』(34)、ステンレス構造建築協会 pp. 9-13
- ^ a b “種類”. ステンレス協会. 2018年1月13日閲覧。
- ^ 新日本製鐵 2005, pp. 13–14.
- ^ 大山・森田・吉武 1990, p. 167.
- ^ “厨房機器や調理道具に使われるステンレス鋼について”. 日本給食設備株式会社. 2019年4月8日閲覧。
- ^ 橋本 2007, p. 100; 田中 2010, p. 324.
- ^ 新日本製鐵 2005, pp. 14–15; 野原 2016, p. 168.
- ^ ISSF 2007, p. 13.
- ^ 橋本 2007, pp. 24–32; ISSF 2007, p. 35.
- ^ “もっと知ろうステンレス”. 新日鐵住金ステンレス. 2018年1月13日閲覧。
- ^ a b c d e ISSF 2007, p. 15.
- ^ 田中 2010, p. 259.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 1265.
- ^ a b c d e 井上・菊池 2003, p. 56.
- ^ 野原 2016, p. 213.
- ^ 野原 2016, p. 212.
- ^ 橋本 2007, p. 90; 田中 2010, p. 259.
- ^ 橋本 2007, p. 89.
- ^ 田中 2010, pp. 260–262; 野原 2016, pp. 215–217.
- ^ “湿食(しっしょく)とは”. コトバンク. 2018年2月11日閲覧。
- ^ 井上・菊池 2003, p. 57.
- ^ 野原 2016, pp. 217–218.
- ^ a b 横山賢治, 私市優, 土居大治, 鋸屋正喜、「フロッピーディスク・センターコア用高強度, 高成形性フェライト系ステンレス鋼の開発 (NAR-FS-1)」 『日本金属学会会報』 1989年 28巻 5号 p.425-427, doi:10.2320/materia1962.28.425, 日本金属学会
- ^ ステンレス協会 1995, p. 1339.
- ^ 橋本 2007, p. 73; 田中 2010, p. 289.
- ^ 橋本 2007, pp. 68–69; ISSF 2007, p. 9.
- ^ 野原 2016, p. 18; 橋本 2007, p. 69.
- ^ 田中 2010, p. 318.
- ^ ISSF 2007, p. 9.
- ^ Cortie 1993, p. 170.
- ^ 宮楠克久, 藤本廣、「フロッピーディスクセンターコア用フェライト-マルテンサイト複合組織ステンレス鋼板の開発」 『まてりあ』 1995年 34巻 5号 p.617-619, doi:10.2320/materia.34.617, 日本金属学会
- ^ a b c d 遅沢 2011, p. 681.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 6.
- ^ a b c 野原 2016, p. 15.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 6; 鈴木 2000, p. 98.
- ^ Cobb 2010, p. 12.
- ^ 鈴木 2000, pp. 41–42.
- ^ a b ステンレス協会 1995, p. 5.
- ^ 鈴木 2000, p. 42.
- ^ Cobb 2010, p. 13.
- ^ Cobb 2010, p. 14.
- ^ 鈴木 2000, pp. 43–44.
- ^ a b 鈴木 2000, p. 44.
- ^ a b Cobb 2010, p. 21.
- ^ 遅沢 2011, p. 682.
- ^ 遅沢 2011, p. 682; Cobb 2010, p. 21.
- ^ 鈴木 2000, p. 92.
- ^ 鈴木 2000, pp. 89–98.
- ^ Cortie 1993, p. 166; Cobb 2010, p. 275.
- ^ a b c d e Cortie 1993, p. 166.
- ^ 鈴木 2000, p. 98.
- ^ Cobb 2010, p. 244.
- ^ Cobb 2010, p. 296.
- ^ a b c 鈴木 2000, p. 134.
- ^ 鈴木 2000, p. 135.
- ^ 野原 2016, p. 209.
- ^ 鈴木 2000, pp. 136–138.
- ^ a b 鈴木 2000, p. 136; Cortie 1993, p. 167.
- ^ Cortie 1993, pp. 167, 169.
- ^ a b Cortie 1993, p. 167.
- ^ ステンレス協会 1995, p. 8.
- ^ 鈴木 2000, pp. 138–139.
- ^ a b 遅沢 2011, p. 683.
- ^ 野原 2016, p. 32.
- ^ 高橋明彦, 松橋透、2008、「省資源に寄与するフェライト系ステンレス鋼」、『まてりあ』10巻47号、日本金属学会、doi:10.2320/materia.47.501 pp. 501-506
- ^ 野原 2016, p. 32; 田中 2010, p. 105.
- ^ 橋本 2007, p. 24.
フェライト系ステンレス鋼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:24 UTC 版)
「ステンレス鋼」の記事における「フェライト系ステンレス鋼」の解説
詳細は「フェライト系ステンレス鋼」を参照 フェライト系ステンレス鋼とは、常温でフェライトを主要な組織とするステンレス鋼である。高温ではフェライト単一組織またはオーステナイトが少し混じったフェライト組織で、焼入れ処理をしても相変態が起きない。 フェライト系のクロム量にはおよそ 12 % から 30 % 程度までの種類がある。マルテンサイト系と同じくニッケルを主要合金元素として含まず、クロム系ステンレス鋼に分類される。「18%Cr鋼」や「18クロムステンレス」など呼ばれるクロム量約 18 % の鋼種が、フェライト系の代表的な鋼種である。特に、炭素および窒素の含有量を 0.03 % 以下のような極低量まで低減し、さらにチタンやニオブなどの炭化物安定化元素を添加し、性能を高めたフェライト系鋼種は「高純度フェライト系ステンレス鋼」と呼ばれる。
※この「フェライト系ステンレス鋼」の解説は、「ステンレス鋼」の解説の一部です。
「フェライト系ステンレス鋼」を含む「ステンレス鋼」の記事については、「ステンレス鋼」の概要を参照ください。
フェライト系ステンレス鋼と同じ種類の言葉
フェライトに関連する言葉 | フェライト フェライトキャリヤ フェライト系 フェライト系ステンレス鋼 |
- フェライト系ステンレス鋼のページへのリンク