ドラマーとして
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ムーンの非常に個性的なプレイスタイルは、同時代及び後進の数多のドラマーに多大な影響を与えた。それまでドラマーの主な役割がリズム・キープに終止していたのに対し、ムーンのプレイは、ある意味でリード・ボーカルよりも先行した「リード楽器」として、タウンゼントのパワーコードと重なり合い、見事に引き立ちあっていた。タウンゼントもまた「ベースやドラムがリード楽器となりギターがリズム楽器と、本来の役割が逆転していたのが、ザ・フーのユニークさだった」と認めている。そのラウドなドラムはマイクなしでも十分なほどであり、エントウィッスルは「キースの音がやたらでかいから、俺もピートもマーシャルを積み上げなきゃならなかった」と語っている。ステージでは並々ならぬ技量と共にショーマンシップを発揮、スティックを廻したり空中に放り投げてはキャッチ、という「芸」も披露。ギターを破壊するタウンゼントに影響される形で、ムーンもまたステージでドラムを破壊した。まさに「ドラム革命」とも呼べる、ドラマーの新たな役割を示した。また、ムーンのドラムプレイは半ばアドリブといえるようなものであり、同じ曲でも演奏のたびに細部が異なっていた。 ムーンのプレイの大きな特徴として、ハイハットをほとんど使用しないことが挙げられるが、エントウィッスル曰く「キースはハイハットが使えなかった」のだという。リズムキープには大体クラッシュシンバルもしくはライドシンバルを使い、ハイハットはただ置いてあるだけということも多かった。また、ムーンのドラムスはスネア、タム、バスドラムそれぞれの音量がほとんど同じという特徴がある。エントウィッスルは「全て同じようにチューニングしてあるから、キースのドラムはどれも同じ音に聞こえるんだ」と語っている。 ムーンの「リードドラム」と共に「リードベース」を担当してきたエントウィッスルは、ムーンのドラムについて「キースはタイムキープが出来なかった。調子が悪いと遅くなり、調子がいいと速くなる。タイムキーパーは俺の役目だった。キースはどんなに馬鹿をやっても俺がついて来ることがわかってたから好き放題やってた」と語っている。またムーンを一番よく表している曲として、「ジ・オックス」(1stアルバム『マイ・ジェネレーション』収録)を挙げている。
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ドラマーとして
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 14:45 UTC 版)
タイトで正確な、細かい手数を用いたフレーズとフィルインが特徴。特にL'Arc〜en〜Ciel加入以前は今よりも多くの手数を用いており、叩く姿も大振りなため派手でアグレッシブなプレイだった。尊敬するドラマーとして上領亘(ex.GRASS VALLEY)を挙げており、yukihiro自身が「ハイハットを複数セットするのは、明らかに上領さんの影響」「上領さんのことが好きな方だったら、僕がハイハットを左右にセットしているのは、そのままやってるなってわかると思います」と述べているようにプレイスタイルに類似点が見られる。 ドラムセット右側のリモートハットと左側のクローズドハットで16ビートを刻む独特なプレイがある。4拍子のバスドラの裏に右手のリモートハット、同時に裏の16分音符を左手のクローズドハットで刻んでおり、「Caress of venus」、「花葬」、「NEO UNIVERSE」、「Lover boy」などで見られる(各種ライヴDVD参照)。また、「snow drop」や、DIE IN CRIESの楽曲「NERVOUS」、SUILENの楽曲「左手」では、yukihiroのドラムセットの特徴ともいえるロートタムを活用したフレーズが随所にみられる。さらに、引き算でリズムを作るアプローチも多く、「NEO UNIVERSE」ではアウトロの一発を除きスネアを叩かず、終始ハイハットとキックの4分打ちだけの構成となっていたり、「forbidden lover」ではマーチング・ビートのようなスネアのアクセントで楽曲を彩っている。yukihiroは「曲の仕上がりはドラマティックになってるけど、ドラムは最後まで展開しない。それだけでカッコいいんだから、余計なことはいらない」と述べている。 音作りに関しては、「楽曲の中でドラムの音は小さくてタイトに、スネアとハイハットを同時に叩いたときの音が、人が聴いているという意味でのスネアの音である」と考えているという。DIE IN CRIESの頃はキックの中に毛布を詰めていたことがあるほどで、L'Arc〜en〜Cielの共同プロデューサーを務める岡野ハジメは「ほとんどのドラマーってキックもスネアもデカくすれば大喜びするんですけど、彼はその逆で"キックの低域がありすぎです"、"アンビエントがありすぎます"というオーダーをしてくる」「ドラムがシャープでスピード感がありながら、キットとしてまとまりのある音にしたかったんだろうと解釈して、1960年代の音場のあり方の"今バージョン"をやればいいんじゃないかと思って、ドラムはタイトに1つの塊にして、その下でベースがちゃんと歌っている形にしようと思いましたね」と述べている。ただ、2007年にL'Arc〜en〜Cielとして発表したアルバム『KISS』のインタビューにて、yukihiroは「(これまでは)アンビはほんとにヤだったんで、ドラムは必ずデッドで、っていうことがまず先にあったから。やっぱそこっていうのは、ある程度曲に対しての制限にもなってくるものだからっていうのもあるし。そういうところを1回こう、なくしてみて。みんなが曲を作ったときに思い描いてた音像とかがそこに明確にあるんであれば、そういう音にした方がその曲が活きるんだろうなっていうふうに思って、今回はそれでやってみたって感じですね」と音作りに心境の変化があったことを示唆している。 また、「SEVENTH HEAVEN」を始め、「winter fall」、「New World」、「spiral」、「DRINK IT DOWN」などで、打ち込みやブレイクビーツを同期させたプレイやスリップビートなど変則リズムを多く採り入れている。「Peeping Tom」では、1980年代のニュー・ウェイヴを意識し、ドラムの残響音をゲートで切り余韻を排除した加工を施していたり、他にも「forbidden lover」では自身のドラム音をソフトに取り込みコラージュのようにドラムフレーズを切り貼りしたり、「Sell my Soul」ではドラム音をアナログ・フィルター・マシンに通し歪み加工を施している。自身が好むドラム音の加工や、バンドサウンドと打ち込みとの同期をL'Arc〜en〜Cielに導入することにより、結果的にL'Arc〜en〜Cielの楽曲の幅を広げることに貢献したといえる。
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