テレフォール酸とは? わかりやすく解説

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テレフォール酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/30 03:01 UTC 版)

テレフォール酸(テレフォールさん、thelephoric acid、テレホル酸)は、Omphalotus subilludens[1]カラスタケPolyozellus multiplex[2]といったいくつかの菌類に見られるテルフェニルキノン色素である。テレフォール酸は、アルツハイマー病においてタンパク質(具体的にはアミロイド前駆体タンパク質)を切断する役割を持つ酵素であるプロリルエンドペプチダーゼを阻害することが明らかにされている。


  1. ^ Sullivan G, Garrett RD, Lenehan RF. (1971). “Occurrence of atromentin and thelephoric acid in cultures of Clitocybe subilludens”. Journal of Pharmaceutical Sciences 60 (11): 1727–29. doi:10.1002/jps.2600601134. PMID 4332377. 
  2. ^ Ju-Yeon K, Rhee I-K, Lee K-B, Hwang J-S, Yoo I-D, Song K-S. (1999). “Thelephoric acid and kynapcin-9 in mushroom Polyozellus multiflex inhibit prolyl endopeptidase in vitro”. Journal of Microbiology and Biotechnology 9 (6): 798–803. 


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テレフォール酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/01 02:22 UTC 版)

カラスタケ」の記事における「テレフォール酸」の解説

「テレフォール酸」も参照 乾燥した子実体アセトン抽出しエキス冷却してマンニットなどの不純物分離除去した後、エーテル可溶性の部分を除く。さらに石油エーテル洗浄しピリジンから再結晶を行うことで、過マンガン酸カリウム似て若干金属光沢をもつ黒紫色の稜柱状結晶単離することができる。 融点不明であるが350 以下では熔融せず、および多く有機溶媒には不溶(メタノール・エタノール・アセトンには温時には僅かに溶け淡い赤ブドウ酒色になり、温めたピリジンには容易に溶解して赤ブドウ酒色を呈し、これに加えるとただちに青色変化する)である。濃い水酸化ナトリウムには不溶稀薄な水酸化ナトリウム炭酸ナトリウムおよびアンモニア水にはわずかに溶解して青色溶液となり, 後に暗緑色となる。濃塩酸では変色せず、濃硝酸では橙黄色濃硫酸では濃い藍色呈する吸収極大495 nmにある。 三重県産のカラスタケ材料とした実験例では、子実体乾燥品に対す収率は2.3%で、元素分析誘導体合成実験の結果からテレフォール酸と同定された。構造式は、2,3,8,9-テトラヒドロキシビス(1,2-b: 4,5b')ベンゾフラン-6,12-キノンである。カラスタケ近縁であるとされるケロウジやコウタケシシタケなどからも分離されており、広義イボタケ科(現代では分子系統学知見加味し、マツバハリタケ科と狭義イボタケ科とに分割されている)に属す菌類の子実体に普遍的に含有されるといわれている。一方カラスタケとは直接的な形態的類似性持たないカワラタケ や、ツメゴケ科のカブトゴケ属に置かれる複数地衣類(Lobaria retigera [Bory] Trevis. var. retigera チヂレカブトゴケモドキ、Lobaria pulmonaria Hoffm. f. hypomela Crom. クロズジカブトゴケなど)などからも見出されている。 ポリオゼリン加水分解によって生合成されるとされており、ポリオゼリン同様にシトクロムP450ファミリーのうちの9種(CYP1A2、CYP2A6, CYP2B6、CYP2C8、CYP2C、CYP2C19CYP2D6、CYP2E1およびCYP3A4))に対す阻害活性を示すことが報告されている。

※この「テレフォール酸」の解説は、「カラスタケ」の解説の一部です。
「テレフォール酸」を含む「カラスタケ」の記事については、「カラスタケ」の概要を参照ください。

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