アンモニウムヒドロキシド
アンモニア水
水酸化アンモニウム
(アンモニア水 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 06:16 UTC 版)
水酸化アンモニウム(ammonium hydroxide)は、アンモニアの水溶液を示す場合に用いられる名称である。アンモニア水(ammonia water)とも呼ばれ、NH3(aq)と表すことができる。アンモニア水中の電離平衡において中間体として NH4OH の存在が仮定されたこともあるが[2]、この化学種の存在は否定されている[3]。
- 1 水酸化アンモニウムとは
- 2 水酸化アンモニウムの概要
- 3 関連項目
アンモニア水
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「水酸化アンモニウム」も参照 アンモニアの水に対する溶解度は気体としては非常に大きく濃厚水溶液が存在し、また密度は濃度と伴に減少し、市販の濃アンモニア水は25 - 28%程度のものが多く、26%(d=0.904 g cm-3)のものはモル濃度は13.8 mol dm−3である。アンモニアは水に対しかなり発熱的(すべての気体の溶解熱は発熱的であるが)に溶解し、また溶解に関するギブス自由エネルギー変化も負の値を取るため、水に非常に溶けやすいことになる。これは極性のアンモニア分子が、より極性の強い水分子と水素結合を形成するためである。 NH 3 ( g ) ↽ − − ⇀ NH 3 ( aq ) {\displaystyle {\ce {NH3(g) <=> NH3(aq)}}} Δ H ∘ {\displaystyle {\mathit {\Delta }}H^{\circ }} Δ G ∘ {\displaystyle {\mathit {\Delta }}G^{\circ }} Δ S ∘ {\displaystyle {\mathit {\Delta }}S^{\circ }} Δ C p ∘ {\displaystyle {\mathit {\Delta }}Cp^{\circ }} アンモニアの溶解-34.13 kJ mol-1 -10.05 kJ mol-1 -81.2 J mol-1K-1 59 J mol-1K-1 またアンモニア水は一部電離し、 NH 3 ( aq ) + H 2 O ( l ) ↽ − − ⇀ NH 4 + ( aq ) + OH − ( aq ) {\displaystyle {\ce {NH3(aq) + H2O(l) <=> NH4^+(aq) + OH^{-}(aq)}}} , K b = 1.8 × 10 − 5 {\displaystyle Kb=1.8\times 10^{-5}} p K b = 4.75 {\displaystyle {\mbox{p}}K_{b}=4.75\,} の酸塩基平衡反応によってアンモニウムイオン NH4+ と水酸化物イオン OH- が生じ塩基性を示す。かつてアンモニア水の塩基性は水酸化アンモニウム NH4OH が生成し、これが電離すると考えられていたが、水溶液中にはそのような化学種は認められず、また低温ではアンモニア一水和物 NH3·H2O が生成するが、これはアンモニア分子と水分子が水素結合したものであり水酸化アンモニウムの構造ではない。 また、弱塩基のアンモニアを中和した塩であるアンモニウム塩は弱酸性を示すが、これはアンモニウムイオンの酸解離による。塩基の強度は共役酸の酸解離定数で表記する場合が多い。 NH 4 + ( aq ) ↽ − − ⇀ H + ( aq ) + NH 3 ( aq ) {\displaystyle {\ce {NH4^+(aq) <=> H^+(aq)\ + NH3(aq)}}} , K a = 5.6 × 10 − 10 {\displaystyle \ Ka=5.6\times 10^{-10}} pKa = 9.25 {\displaystyle =9.25} アンモニアの塩基解離およびアンモニウムイオンの酸解離に対するエンタルピー変化、ギブス自由エネルギー変化、エントロピー変化および定圧モル比熱変化は以下の通りである。アンモニアの塩基解離に関しては電荷の増加による、水和の増加に伴いエントロピーの減少が見られるが、アンモニウムイオンの酸解離に関しては、電荷は変化しないためエントロピー変化は小さい。 Δ H ∘ {\displaystyle {\mathit {\Delta }}H^{\circ }} Δ G ∘ {\displaystyle {\mathit {\Delta }}G^{\circ }} Δ S ∘ {\displaystyle {\mathit {\Delta }}S^{\circ }} Δ C p ∘ {\displaystyle {\mathit {\Delta }}Cp^{\circ }} アンモニアの塩基解離3.62 kJ mol-1 27.08 kJ mol-1 -78.6 J mol-1K-1 -210 J mol-1K-1 アンモニウムイオンの酸解離52.22 kJ mol-1 52.81 kJ mol-1 -2.1 J mol-1K-1 -14 J mol-1K-1
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