ちゃ‐どくが【茶毒×蛾】
チャドクガ
チャドクガ
チャドクガ(終齢幼虫)
ドクガ成虫は翅の開張30~45mm、幼虫は体長40mm、全体黄褐色のガで、前翅の中央にくの字の褐色帯がある。幼虫は当初全体が黄色で、大きくなると腹部背面に黒班が現れる。終令幼虫は色が橙色となる。
チャドクガは前種に似るが、成虫は翅の開張25~35mmで濃黄色、幼虫は体長約25mmになる。
成虫・幼虫ともに毒針毛を持っており、これに触れると、触れた直後はなんともないが、しばらくして激しいかゆみとかぶれが生じる。患部を掻いたり触れたりすると毒針毛がさらに刺さり込み、被害部位が広がってくる。
ドクガは年1回発生し、チャドクガは年2回発生する。越冬は、ドクガが幼虫で、チャドクガは卵で行う。越冬した幼虫は4月頃に出現し、6~8月になって成虫となる。木の葉や枝などに200個ほどの卵を産み付けるが、産み付けた後に毒毛を使って卵の表面を覆う。毒毛は下草や落ち葉の間に作る繭にも付着している。成虫は夜行性で照明によく集まってくる。
ドクガは、カシワやクリ、クヌギ、コナラなどの樹木、ウメ、モモ、リンゴなどの果樹、イタドリなどの草本と、多くの種類に付き、年によっては大発生することがある。チャドクガはツバキ、サザンカ、チャから発生し、庭の木や公園、街路樹などに多く見られる。
チャドクガ
茶毒蛾
チャドクガ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/29 14:52 UTC 版)
チャドクガ(茶毒蛾)はチョウ目ドクガ科の昆虫。本州以南の日本各地に分布。年2回発生、卵越冬。日本では代表的な毒蛾である。茶樹や園芸植物に食害をおよぼす。約0.1mmほどの毒針毛をもち、接触や飛散で皮膚や粘膜に付着すると、炎症をおこして痒くなる。
- ^ “有毒ケムシ類-ドクガとイラガ”. 神奈川県衛生研究所 (2012年8月3日). 2021年5月24日閲覧。
- ^ a b c d “北海道のドクガ 皮膚炎の原因 毒針毛”. 北海道立衛生研究所. 2021年5月24日閲覧。。このサイトはEuproctis属に分類されていた近縁種のドクガ(種)の毒針毛が人体に作用するメカニズムを解説している。
- ^ [幼虫図鑑] p.179 「Euproctis属の特徴」 Euproctis属共通の特徴。
- ^ ドクガ科以外にはカレハガ科、ヒトリガ科の一部などがあり、またマイマイガのように1齢幼虫の時期しか毒針毛をもたない種や、ヒメシロモンドクガ、スギドクガ、エルモンドクガ、ダイセツドクガ、カシワマイマイなどのようにドクガ科でありながら毒針毛を一切持たない種もある。
- ^ 「ドクガ科は日本から50種あまりが知られており、そのうちドクガ属(Euproctis属)は10種類ほど」で「ドクガ科の中でも激しい皮膚炎を起こす原因である毒針毛を持っている(編注:生成する)のは、ドクガ属のガの幼虫だけ」とする。“北海道のドクガ ドクガって?”. 北海道立衛生研究所 (2004年). 2016年4月24日閲覧。
- ^ [蛾類図鑑] Euproctis属は「従来 Euproctis 及び Porthesia の2属に分け」られており「将来いくつかの属に細分すべきである」「この属のなかには毒毛をもっているため、皮膚に炎症やかゆみを与えるものが多い」(p.31)とし、モンシロドクガ,トラサンドクガ,ゴマフリドクガ,キドクガ,ドクガ,チャドクガ,フタホシドクガ,マガリキドクガの8種を挙げる(p.32-34)。
- ^ a b “樹上から無差別攻撃! 肌に刺さるチャドクガの毒針毛30万本”. ヨミドクター(読売新聞). 2022年9月6日閲覧。
- ^ “アーカイブされたコピー”. 2013年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年8月20日閲覧。
- ^ “チャドクガ毒針毛固着剤|業務用品”. 金鳥(大日本除虫菊株式会社). 2021年5月24日閲覧。
- ^ 近年、殺虫剤の使用量を減らすという観点から、消毒用アルコールや灯油をボロキレなどに含ませ、火をつけて焼き殺すという駆除方法が紹介されている。しかし、結果的には木を傷める事になるうえに、火災の危険があり、一般には勧められない。
- 1 チャドクガとは
- 2 チャドクガの概要
- 3 生態
- 4 脚注
固有名詞の分類
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