【タービン入口温度】(たーびんいりぐちおんど)
タービンエンジンにおいて、燃焼室から出て排気タービンに吹き付ける燃焼ガスの温度。
一般的に、この温度が高いほどエンジンとしての効率が高いとされている。
現代の最新エンジンにおいて摂氏1550度程度。
ただし高いタービン入口温度を実現するためには、高度な熱設計と、高温に耐えうる材質が必要になる。
高温で排気タービンが融けたり割れたりすることを防ぐため、現代のタービンエンジンではタービンブレードの中に空気を通して冷却する。
薄いブレードの中に微細な冷却孔を設ける必要があるため、非常に高価な部品である一方、熱効率を高めるためにギリギリの温度で運用されることが多く、頻繁な点検を必要とする。
また、燃焼ガスの温度が高いと有害なNOx(窒素酸化物)が生まれてしまったり、軍用機の場合は赤外線を探知されやすくなるといった弊害もある。
このため、環境に配慮した機体やステルス機では、タービンを通過した直後の排気に外気を混合して排気ガスの温度を下げるなどの対策が採られる。
タービン入口温度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 21:29 UTC 版)
「XF9 (エンジン)」の記事における「タービン入口温度」の解説
XF9のタービン入口温度は1,800℃に達する。1,800℃はニッケル系超合金の融点1,400℃を大幅に超えるものである。一般的にこの温度が高いほど高性能なエンジンとされ、世界的に見てもトップクラスの一角を占める。これにはニッケルコバルト基の国産の溶製鍛造ディスク材を用いた高圧タービンディスク、国産第5世代ニッケル単結晶超合金製タービンブレード、タービンシュラウドへの新素材CMC(セラミック基複合材料)・耐環境性コーティングの採用、ブレードの空気孔による保護層の形成などの材料技術と流体解析技術が貢献している。
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