タム3050形
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「国鉄タム3050形貨車」の記事における「タム3050形」の解説
タム3050形は、ホルマリン専用の15 t 積二軸貨車である。 1954年(昭和29年)6月9日から1962年(昭和37年)6月2日にかけて26ロット63両が製作された。うち57両(タム3050 - タム3068、タム3071 - タム3089、タム3091 - タム3099、タム13050 - タム13052、タム13057 - タム13063)は 汽車製造、日立製作所、飯野重工業、三菱重工業、日本車輌製造および富士重工業において新製され、6両(タム30712代, タム30722代、タム13053 - タム13056)が1957年(昭和32年)4月4日から1959年(昭和34年)7月10日にかけてタ3500形(タ3504, タ3505, タ3500 - タ3503)の改造により製作された。なお、タム3069、タム3070、タム3090は当初から欠番である。 落成時の所有者は住友化学工業、日本瓦斯化学工業、江戸川化学、電気化学工業、日本水素工業、東洋高圧工業、東邦理化工業、三井物産の8社であった。 本形式の他にホルマリンを専用種別とする形式には、タ3050形(42両)、タサ5100形(1両、後述)、タキ8000形(28両)、タキ9700形(2両)、タキ14900形(5両)の5形式が存在した。 1979年(昭和54年)10月に制定された化成品分類番号では、96(有害性物質、毒性のあるもの)が標記された。 1987年4月の国鉄分割民営化時には22両がJR貨物に継承されたが、1998年(平成10年)1月に最後まで在籍した車が廃車となり、形式消滅した。最後に残ったのは、純アルミニウム製のタンク体を持つものであった。これらは、材質の関係で破損しやすいことから、「ア」の副記号を付し、「アタム」と称した。 タンク体はドーム付きの直胴タイプで、材質は積荷の純度保持のためアルミニウム、ステンレス鋼、普通鋼。基本はキセ(外板)なしであるが、タンク体に断熱材と金属のキセ(カバー材)を装備したものもあった。内部には補強のため波形波除板が4枚設置されている。塗色は、アルミニウム、ステンレス地肌の銀色のものと黒色の2種類があった。荷役方式は全車ともマンホールまたは積込口からの上入れ、吐出管による下出し方式である。 走り装置は、一段リンク式のものと二段リンク式のものが混在したが後に全車が二段リンク式へ改造され最高速度は75 km/hとなった。 全長は8,400 mm、全幅は2,475 mm、全高は 3,625 mm、軸距は4,000 mm、自重は9.5 - 11.0 t、換算両数は積車2.6、空車1.0、車軸は12 t長軸であった。
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