ケムニッツ交通
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 03:15 UTC 版)
「バリオバーン (ケムニッツ市電)」の記事における「ケムニッツ交通」の解説
東ドイツの民主化やドイツ再統一の動きの中で、東ドイツの都市であったケムニッツ(旧:カール=マルクス=シュタット)の路面電車であるケムニッツ市電の運営権は1990年に従来のカール=マルクス=シュタット地方輸送公社(VEB Nahverkehr Karl-Marx-Stadt、NVK)から市営企業であるケムニッツ交通(ドイツ語版)(Chemnitzer Verkehrs-Aktiengesellschaft、CVAG)へと移管された。同社は東ドイツ時代に導入されたタトラT3D・B3Dの更新工事を進めた一方、老朽化が進みバリアフリーにも難があったこれらの車両の置き換え用として1990年代以降超低床電車の導入を実施した。これがバリオバーン(Variobahn)、もしくはバリオトラム(Variotram)と呼ばれる車両である。 バリオバーンはドイツのABBヘンシェルが開発した路面電車車両で、中間に台車がないフローティング車体を挟んだ連接構造を有する。2020年現在、ドイツのみならず世界各都市に導入されているが、その中でもケムニッツ市電に導入された車両は動力台車・付随台車共に車軸が存在しない独立車輪式台車が用いられており、車内全体の床上高さを350 mm(乗降扉付近は290 mm)に抑えた100 %低床構造を実現させている。そのため、動力台車に設置されている主電動機(水冷式誘導電動機)については、各車輪の外側に1基づつ設置されるハブモーター方式が用いられている。 ケムニッツ市電はバリオバーンが最初に導入された路線であり、1993年に試作車の導入が行われた。ただし量産車の導入までには長い時間を要し、ABBヘンシェルが企業再編によりアドトランツとなって以降、1998年からとなった。それ以降、試作車も合わせて2000年までにケムニッツ交通には合計24両のバリオバーンが導入され、それによる置き換えに加えて利用客減少による余剰もあり、更新工事が行われなかったタトラT3D・B3Dは2002年に営業運転を終了した。 2020年現在、ケムニッツ交通が所有するバリオバーンは以下の2車種である。 6NGT-LDE - 片運転台車両。乗降扉は車体右側のみに存在。試作車(601)を含めて14両(601 - 614)が在籍する。 6NGT-LDZ - 両運転台車両。乗降扉は車体両側に設置されている。10両(901 - 910)が在籍。 片運転台車両(605)(2003年撮影) 両運転台車両(901)(2002年撮影) 広告塗装(614)(2017年撮影)
※この「ケムニッツ交通」の解説は、「バリオバーン (ケムニッツ市電)」の解説の一部です。
「ケムニッツ交通」を含む「バリオバーン (ケムニッツ市電)」の記事については、「バリオバーン (ケムニッツ市電)」の概要を参照ください。
- ケムニッツ交通のページへのリンク