キサントフィルサイクル
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キサントフィルサイクル(xanthophyll cycle)とは、植物が強光などの条件によって過剰な還元力が葉緑体内に蓄積した際、集光クロロフィルタンパク質(LHC2)の補助色素であるキサントフィル類が集光効率の低い物質に変化し、一方で弱光になった際は集光効率が高い物質に変化する回路のことである。強光あるいは、低温や気孔の閉鎖による代謝速度の低下のために還元力が過剰に蓄積することがあるが、キサントフィルサイクルはこのようなストレスの際に、余剰の光エネルギーを熱に変えて散逸させることにより、光化学系Ⅱへ渡すエネルギーを減らし、光阻害からの防御に役立っていると考えられている。
- 1 キサントフィルサイクルとは
- 2 キサントフィルサイクルの概要
キサントフィルサイクル
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「アンテラキサンチン」の記事における「キサントフィルサイクル」の解説
アンテラキサンチンは、植物等の大部分の光合成真核生物や一部の細菌で、キサントフィルサイクルの中間体分子である。キサントフィルサイクルでは、特定のカロテノイド色素が酵素反応により光防護性の生体色素に変換される。 植物は、橙色のビオラキサンチンをアンテラキサンチン、そして明るい黄色の色素ゼアキサンチンに変換することで、非光化学的消光能を向上させ、過剰な熱を消失させることができる。キサントフィルサイクルの色素の合計量は、"VAZ"と呼ばれることがある。 "VAZ"は、このサイクルの主な色素を光防護能が低い方から順に並べたものである。アンテラキサンチンは真ん中の"A"に相当し、"V"はビオラキサンチン、"Z"はゼアキサンチンである。
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