カウンセリングから
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 18:10 UTC 版)
精神分析学によれば、自己という概念は「私」に近い。しかし正確にいえば「自己イメージ」だとされている。自己は幼少期における母子環境などを通して形成される。主に母親という他者との関係で自己という自分の存在を明確に学んでいくのである。良い母子環境があれば自己イメージは現実と呼応したものになる。対象関係論はこの自己イメージの歪みにより精神病理が発生することを見出している。 自己心理学では、自己は心的構造の上部構造として意識に近いものだと考えられている。広義でいえば「個人の心理的中心」であり「個人が体験する主観世界」を意味する。ほぼ「私」という感覚に近いものである。そして自己は主に感情 (feeling) や情動 (emotion/affect) などによって構成されるものである。 臨床心理学では自己という観念はどちらかというと、それが存在するという前提で語られている。私たちは自己を「考えずとも誰でも持っている」からである。故に科学的な観察アプローチに則って自己を考察するとなると困難が出てくる。何故ならば「自己」は個人が主観的に感じられるものであるが、自分とは全く違う他人の自己は確認する術がないからである。このことからカウンセリングなどでは、自己という概念は最初から人間に存在する心の中心という前提として捉えられている。現在でも正確な定義は論者によって様々で、臨床の見地からすれば今でも曖昧なままである。
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