オープン直後の故障
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 06:53 UTC 版)
「ジョーズ (アトラクション)」の記事における「オープン直後の故障」の解説
1990年6月7日、ユニバーサル・スタジオ・フロリダの開業と同時にジョーズがオープニングアトラクションとして披露された。アトラクションで使用されていたサメの重量は3トン、長さは24フィート、ボーイング747のエンジンと同等の水力で水中を移動する。水中には2000マイルの電線と7500トンの鉄が含まれており、アニマトロニクスのサメはコンピューターで誘導する油圧システムで制御されていた。しかしオープン初日は、悪天候のためライドが正常に機能せず運休した。その日を筆頭に故障が相次ぎ、ゲストの避難誘導を連日行った。 原因としてサメがボートを咬み180度回転させるシーン、フィナーレのサメを爆破させるシーンが挙げられ、頻繁に故障が相次いだ。爆破シーンは映画『ジョーズ』のエンディングを再現したものである。サメがボートを咬むシーンでは本物のサメの歯を使用していたため、ボートが傷だらけになった。そして、サメ自体も水中にいるのが負担となり動作不能となることも多々あった。サメの爆破シーンも動かないことが多々あり、その際は船長がアドリブでフォローしていた。正常に動作した際にも、サメの肉片と血液がリアルなため、本物と勘違いするゲストが苦情を入れるケースも多々あった。爆破シーンには水中爆発効果シミュレーターが使用されており、これにはサメの肉片である小道具と赤い染色液の水を打って放つための水中シューティングが備え付けられていた。ユニバーサルは、これらの問題は修理のみで解決するのは不可能だと判断し、オープンから僅か2か月半後に一旦クローズさせた。 ユニバーサルは、適切な設計に失敗したとされるライド&ショーエンジニアリング(英語版)を訴えたが、試験期間の不足を理由に非難された。後に問題個所は、新たなシーンを製作することで決着した。同じ失敗を繰り返さぬようトータリー・ファン・カンパニー(英語版)、ITECエンターテインメント、インタミン、オーシャニアリング・インターナショナル(英語版)に製作依頼をし、各企業の得意分野を分担して製作を進めていくこととした。サメがボートを咬むシーン、フィナーレのサメを爆破させるシーンは、ガスタンクの爆発とサメが感電死するシーンに置き換えられた。サメの感電死は『ジョーズ2』のエンディングを再現したもの。新しいサメははるかに信頼性が高く、500馬力のエンジンと同等の力で水中に突進し、水中を移動する12トンの油圧リフトに取り付けられていた。 ライドの重要な役割を担う船長は5日間のトレーニングを余儀なくされ、資格が十分にあるとみなされるまで指導された。アトラクションは、1993年春に正式に再開された。アトラクション成功の代償として膨大な費用が掛かり、製作費は4000万ドル、ボートとガスタンクに使用される石油は年間約200万ドルかかった。そして少なくとも年に1回500万ガロンの水からなるラグーンを排水しなければならなかった。後にそれが問題となり、1995年6月環境保護局からこれらの排水中の汚染物質の不適切な処理を正すよう命じられた。
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