アイヌのしゅうきょう 【アイヌの宗教】
アイヌは東アジア古種族の一つで、昔は少なくとも北日本全土にいたと考えられる日本原住民族。今は少数が北海道に住むが、混血化が進んでいる。その宗教は、万物に霊魂を認めるアニミズムの立場に立つ。どこにでも善神と魔神がいると考えるが、宇宙は天上の神の国、地上の人間の国、地下の死者の国から成ると考え、天上には日神・月神・国造神などが住み、地上には人間と神とが共生し、地下は死者が住む平和な世界と、魔神の暗黒の世界とがある、と考えている。諸神は認めるが、中に最高の統一神のような神は立てない。キツネもクマも魚も鳥もみな神の仮の姿であり、すみかである神の国から地上界(人間界)に来ているのだと解釈し、人間が、これらを殺すと、仮の姿から離れ、魂は神の国へ帰るのだとしている。イオマンテ(熊祭・熊送り)などはそれである。人は死んでも現世の生活が連続されると考えている。叙事詩ユーカラは、神々や英雄についての物語が多い。→ アニミズム イナウ
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