VADS VADSの概要

VADS

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/21 23:21 UTC 版)

対空機関砲VADS-1改(M167の派生型)

航空自衛隊では基地防空火器として配備していた。

概要

VADSシリーズは、M61 バルカン対空砲バージョンであるM168 20mm機関砲を中核として、レーダーコンピュータなどによる射撃管制装置を組み合わせた半自動システムである。自走式のM163と、牽引式のM167がある。M163の車体はM113装甲兵員輸送車をベースとしている。弾薬は通常、20mm曳光自爆榴弾及び曳光弾を使用する。

M168は、アメリカ合衆国GE社が開発したM61の派生型である。M61は有名な航空機関砲であり、6,000または4,000発/分という発射速度を誇るが、M168では3,000または1,000発/分に低下させてある。また、M61の場合は6本ある砲身が正面から見ると真円になるように配置され、一点に対しての射撃における命中率を向上させているのに対して、VADSの場合やや楕円になるように配置されている。これにより、発射された砲弾が散らばり弾幕を展開することで侵入阻止・爆撃阻止を行う。

VADSは測距レーダーと弾道計算機を組み合わせて適切な偏差射撃(移動する標的までの距離を計算して未来位置に射撃し、命中させる射撃方法)が可能となっている。現在はカメラを付加し、より正確な射撃が可能になった改良型となっている。スーダンイエメンでは、VADSをBTR-152に車載した簡易自走式対空砲が存在する。

採用国

戦争記念館で展示される韓国軍のM167
日本においては、航空自衛隊が航空基地の防空用にM167を導入し、基地防空隊が使用していた。有効射程1.2km。1992年(平成4年)からは海上自衛隊の基地防空用にも配備されていたが、2006年(平成18年)に航空自衛隊に移管された。防衛所要上の重要度が低下したとされ、令和2年度に運用停止、令和3年度にはその時点で残っていた176式がすべて用途廃止された[1]

登場作品

ゲーム

バトルフィールドシリーズ
BFBC
シングルプレイにのみM167が登場する。プレイヤーが使用する前に破壊されてしまうため、使用不可能。
BFBC2
一部マップのアメリカ軍陣地にM167が設置してあり、プレイヤー使用可能。

小説

『機動要塞「大和」』
第二次世界大戦時にタイムスリップした日本において、航空自衛隊の基地防空隊が基地に襲来するB-29 スーパーフォートレスを迎撃するために使用する。
『超空の決戦』
タイムゲートを通じて第二次世界大戦時に派遣された自衛隊が、満州国に襲来するソ連赤軍航空機を迎撃するために使用する。



「VADS」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「VADS」の関連用語

VADSのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



VADSのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのVADS (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS