Urania sloanus Urania sloanusの概要

Urania sloanus

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 23:00 UTC 版)

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Urania sloanus
Swainson (1829, Plate.129)。
Gabriel Bayfield による彩色
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目(チョウ目) Lepidoptera
上科 : シャクガ上科 Geometroidea
: ツバメガ科 Uraniidae
亜科 : オオツバメガ亜科 Uraniinae
: Urania
: U. sloanus
学名
Urania sloanus
(Clamer, 1776)[1]
シノニム
  • Papilio sloanus Cramer, 1776[1][2]
  • Leilus occidentalis Swainson, 1833[1]
英名
Jamaican sunset moth[1]

Sloane's Urania[3]

分布

ジャマイカ固有種であった[1][2][4]標高700m以下の低地の熱帯雨林に分布していたとされる[2]。1880年にはオーチョ・リオスOcho Rios)近くの Bogue Bay で幼虫の発生が観察されている[2][5]

形態

Cramer & Caspar (1779, Plate.85)。Gerrit Wartenaar による描画。

成虫

成虫触角は糸状。後翅には尾状突起を有する。Vinciguerra (2009) が検討した標本では、オスの前翅長は35mm、メスの前翅長は57mmであった。の表の地色は黒色。前翅表には太さの異なる紫がかった緑色の帯状の斑紋が複数存在し、中ほどにある太い帯には分岐の程度に個体差が見られる。後翅表の着色はより複雑で、部位によって水色から赤紫色まで変化する。翅裏の斑紋は明るい青緑色をしている。これらの斑紋の色は構造色であり、鮮やかな光沢を呈する。また、斑紋には顕著な性差は見られないとされる[6]。本種の後翅の明るい赤色系の発色は Urania属のなかでは唯一のものであり[1]、このような美しい斑紋はしばしば称賛の対象となる。本種は Urania属のなかで[4]、あるいはすべてののなかで最も美しい種であると言われる[1]

幼虫

Gosse (1881) によると、幼虫は4対の腹脚と1対の尾脚を有した。成熟した幼虫の体長は1.75インチ。頭部は一様に赤みのつよい褐色で、体は黒い。背面には幅が広く不規則で途切れがちな白色帯が走るほか、側面と腹面にも白っぽい帯があったとされる。若齢幼虫は体表に毛を有したが、発育にともなって脱落し、まばらになる傾向が見られたという[5]

生態

幼虫の食草として、トウダイグサ科Omphalea属に属する O. triandra が記録されている[4][5]。また、同属の O. diandra も食草として利用していた可能性がある[4]

成虫にかんしてはアボカド Persea americana およびマンゴー Mangifera indica の花からの吸蜜が記録されている[4][7]Gosse (1851) によると、本種は日の出のすこし前から活動を始め、早朝には盛んに訪花するが日が高くなると姿を見せなくなり、その後、夕方になり再度姿を見せ始めるが、夜間には活動しなかったとされる。それ以外の季節でも単独での飛翔が観察されたが、3月、4月および6月には成虫の群飛が見られた[2][7]。また、Gosse (1881) は、6月下旬に成虫が O. triandra 群落に集団で飛来し、その一週間後に食草群落で多数の幼虫を観察した事例を報告している[5]


脚注

  1. ^ Vinciguerra (2009) によると、イタリアの個人収蔵標本の中から、ラベルの日付が1908年の本種の標本が見つかったが、この日付が採集日を示しているかどうかは確実ではないという[6]

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