Super Audio CD 自主制作する場合

Super Audio CD

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 14:14 UTC 版)

自主制作する場合

スーパーオーディオCDは著作権保護の関係から基本的にPC上で使用することは不可能であり、市販のソフトのコピーなどはできないようになっている。

しかしながら、CD-DADVDビデオBDMVなどと同様に、自分たちで作詞作曲演奏などを手がけてSACDとは規格は異なるものの、同じ信号形式のDSDで記録したディスクを制作することは可能である。

ティアックから「タスカム」ブランドで、そうしたユーザー向けにDSD録音対応のDVDレコーダー「DV-RA1000HD」が発売されている[7]。最大の特長は、一般的なDVDレコーダーとは異なり、最大24bit/192kHzのリニアPCM形式での録音に加え、スーパーオーディオCDなどで利用されるDSD形式での録音が可能なこと。このレコーダー単体では、スーパーオーディオCDやDVDオーディオ形式のディスクは作成できないが、録音モードとしてBWF(リニアPCM)、DSIDIFF(DSD)、CD-DAの3種類が搭載されている。このため、このレコーダーで作成したDVDデータディスクをマスターとしてプレス業者に委託すれば、オリジナルのスーパーオーディオCDソフトやDVDオーディオソフトを制作することが可能である。なお、一般的な音楽CD(CD-DA形式)であれば、このレコーダー単体で作成可能である。

ソニーのノートPC「VAIO」に搭載されているSonicStage Mastering Studioなどのソフトウェアを用いることで、DSD形式の音楽をDVDメディアに書き込んだ擬似的なSACDを作成することができるので、小ロットのディスク制作には向いている。ただし、VAIOの他にこの方法で作ったDSDディスクを再生可能な機器は、一部のスーパーオーディオCDプレーヤーとPlayStation 3(スーパーオーディオCD再生非対応モデルを含む)のみである。


注釈

  1. ^ もっとも、パイオニアは当初DVDオーディオ陣営であったが、2001年以降に発売された新規機種からスーパーオーディオCD対応のDVDオーディオプレーヤーを発売している経緯がある(2008年度に発売された製品まで)。

出典

  1. ^ a b 鈴木 & 前田 2001, p. 808, 3.1 基本コンセプトと規格書.
  2. ^ 三浦孝仁「『ハイレゾ、発展の10年』: ハイレゾオーディオ発展の流れ」『JASジャーナル』第62巻第4号、日本オーディオ協会、2022年。 
  3. ^ 鈴木 & 前田 2001, p. 806, まえがき.
  4. ^ Specification Books (SACD) Orders”. フィリップス. 2020年8月8日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 鈴木 & 前田 2001, p. 808, 3.2 DSD信号とディスク・バリエーション.
  6. ^ a b c d e f g h 鈴木 & 前田 2001, p. 809, 3.3 コンテンツ.
  7. ^ DV-RA1000HD
  8. ^ News and Information "SCD-1"』(プレスリリース)ソニー、1999年4月6日https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/199904/99-002/2024年2月11日閲覧 
  9. ^ Super Audio CD Player”. ソニー. 2024年2月11日閲覧。


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