Super Audio CD 普及

Super Audio CD

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/12 14:14 UTC 版)

普及

再生機としてはまずソニーから1999年5月21日に『SCD-1』が発売された[8][9]

2003年11月には、ソニーからSACDを標準対応としたミニコンポ「Listen」を発売し、実売価格が4万円強からと普及価格であったものの、僅か1年半程度で終焉している。

2006年に発売されたPlayStation 3は日本国内でSACDが再生できるのは初期型である60GB/CECHA00と20GB/CECHB00のみである。ファームウェア・バージョン2.00で光デジタル音声端子からの出力が可能になった。5.1chサラウンドを収録したソフトについてはDTS5.1chサラウンド(48kHz/24bit)に変換して出力されたが、直後に出たバージョン2.01において、デジタル光出力ではリニアPCM2.0chステレオ(44.1kHz/16bit)のみ出力可能、DTS5.1chサラウンドでは出力されなくなった。ただし、HDMI端子接続ではリニアPCMに変換することで、2.0chステレオ(176.4kHz/24bit)と5.1chサラウンド(176.4kHz/24bit)のハイサンプリング&ハイビットで出力可能である。なお、DSDのビットストリーム出力には対応していない。

その後、複数の映像・音声規格が再生できるユニバーサルプレーヤーが登場し、その価格が大きく下落したため、実売2万円以下のクラスからスーパーオーディオCDの再生機を購入できる状況になってきている。

しかし、レーベルが積極的に発売しないこと、コンパクトディスク(CD)と比較して選択できる機種が限られることや、過剰なコピーガードの為にパソコンでの取り込みどころか再生すらできないこと、CD以上の特性を十分に発揮するために一定水準以上のオーディオ機器が必要なこと、多くの消費者は現行のCD(あるいはそれ以下のMP3WMAAAC等の圧縮音声)でも音質に不満が少ないとされていること等から、スーパーオーディオCDはCDを代替する程には普及していない。

このためSACDは、CD規格のPCM録音に満足できないハイエンドユーザーを対象とした録音フォーマットとみなされることが多い。発売されているソフトはロックポップスから歌謡曲まで様々なジャンルあるが、クラシック音楽ジャズなどが発売されるソフトの大部分を占める。2008年6月現在で約5300タイトルが発売されている。

2010年6月、ユニバーサル ミュージック ジャパンSHM-CDと同じく液晶パネルポリカーボネート素材を用いた「SA-CD ~SHM仕様~」の発売も開始した。


注釈

  1. ^ もっとも、パイオニアは当初DVDオーディオ陣営であったが、2001年以降に発売された新規機種からスーパーオーディオCD対応のDVDオーディオプレーヤーを発売している経緯がある(2008年度に発売された製品まで)。

出典

  1. ^ a b 鈴木 & 前田 2001, p. 808, 3.1 基本コンセプトと規格書.
  2. ^ 三浦孝仁「『ハイレゾ、発展の10年』: ハイレゾオーディオ発展の流れ」『JASジャーナル』第62巻第4号、日本オーディオ協会、2022年。 
  3. ^ 鈴木 & 前田 2001, p. 806, まえがき.
  4. ^ Specification Books (SACD) Orders”. フィリップス. 2020年8月8日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 鈴木 & 前田 2001, p. 808, 3.2 DSD信号とディスク・バリエーション.
  6. ^ a b c d e f g h 鈴木 & 前田 2001, p. 809, 3.3 コンテンツ.
  7. ^ DV-RA1000HD
  8. ^ News and Information "SCD-1"』(プレスリリース)ソニー、1999年4月6日https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/199904/99-002/2024年2月11日閲覧 
  9. ^ Super Audio CD Player”. ソニー. 2024年2月11日閲覧。





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Super Audio CD」の関連用語

Super Audio CDのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Super Audio CDのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのSuper Audio CD (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS