Self Control (TM NETWORKのアルバム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 21:40 UTC 版)
チャート成績
オリコンチャートではLP盤が最高位3位、登場回数25回、売り上げ枚数10.0万枚、CT版は最高位5位、登場回数25回、売り上げ枚数は6.1万枚、CD盤は最高位5位、登場回数27回、売り上げ枚数は10.1万枚となり、売り上げ枚数は累計で26.2万枚となった。この結果により、シングルよりも一足先にオリコンベスト10内に初めてチャートインした作品となった。
収録曲
全編曲: 小室哲哉。 | ||||
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「Bang The Gong (Fanks Bang The Gongのテーマ)」 | 小室哲哉 | ||
2. | 「Maria Club (百億の夜とクレオパトラの孤独)」 | 小室哲哉 | 小室哲哉、木根尚登 | |
3. | 「Don’t Let Me Cry (一千一秒物語)」 | 神沢礼江 | 小室哲哉 | |
4. | 「Self Control (方舟に曳かれて)」 | 小室みつ子 | 小室哲哉 | |
5. | 「All-Right All-Night (No Tears No Blood)」 | 小室みつ子 | 小室哲哉 | |
合計時間: |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
6. | 「Fighting (君のファイティング)」 | 小室みつ子 | 小室哲哉 | |
7. | 「Time Passed Me By (夜の芝生)」 | 小室みつ子 | 木根尚登 | |
8. | 「Spanish Blue (遙か君を離れて)」 | 小室みつ子 | 小室哲哉、木根尚登 | |
9. | 「Fool On The Planet (青く揺れる惑星に立って)」 | 小室みつ子 | 木根尚登 | |
10. | 「Here, There & Everywhere (冬の神話)」 | 小室哲哉 | 小室哲哉 | |
合計時間: |
CD
全編曲: 小室哲哉。 | ||
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「Bang The Gong (Fanks Bang The Gongのテーマ)」 | |
2. | 「Maria Club (百億の夜とクレオパトラの孤独)」 | |
3. | 「Don't Let Me Cry (一千一秒物語)」 | |
4. | 「Self Control (方舟に曳かれて)」 | |
5. | 「All-Right All-Night (No Tears No Blood)」 | |
6. | 「Fighting (君のファイティング)」 | |
7. | 「Time Passed Me By (夜の芝生)」 | |
8. | 「Spanish Blue (遙か君を離れて)」 | |
9. | 「Fool On The Planet (青く揺れる惑星に立って)」 | |
10. | 「Here, There & Everywhere (冬の神話)」 | |
合計時間: |
曲解説
- Bang The Gong (Fanks Bang The Gongのテーマ)
- Maria Club (百億の夜とクレオパトラの孤独)
- 曲名は本アルバム発売の前年に福岡市にオープンしたディスコ『マリアクラブ』にちなんだもの。TMは同ディスコのオープニングアクトも務めた。イントロが前の曲のアウトロから繋がっている。
- スタッフからの「ディスコ向けの曲が欲しい」という要望に応えて制作した[17]。
- 木根がAメロを作曲し、その他を小室が作曲した[18]。
- メンバー3人で好き勝手に奇声を発して、それをサンプリングした[17]。
- コンセプトは「NERVOUS」の「レッド・ツェッペリンやディープ・パープルのハードロックのリフをキーボードで再現する」を引き続き行った[8]。
- 2024年5月15日、「ヒャダイン with DJ KOO」によるカバーバージョンが『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』に収録された。
- Don't Let Me Cry (一千一秒物語)
- Self Control (方舟に曳かれて)
- 9thシングル。表記は特にされていないが、シングル版ではフェードアウトしていたのに対し本作ではカットアウトとなっていたり、ボーカルのテイクが異なっているなどアルバムバージョンとなっている。また、次の曲のイントロとこの曲のアウトロが繋がっている。
- 2017年10月11日、「DREAMING MONSTER」によるカバーバージョンが 『ココロに、雨。』に収録された[20]。
- 2024年5月15日、「CAPSULE」によるカバーバージョンが『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』に収録された。
- All-Right All-Night (No Tears No Blood)
- 8thシングル。表記は特にされていないが、シングル版と異なり、イントロ、1サビ目からの間奏、リフレインなど全体的に長くなっている、最後のサビがバイノーラル・リミックスされているなどアルバムバージョンとなっている。また、イントロが前の曲のアウトロから繋がっているため、最初の部分で前の曲の終わりが一瞬聞こえてくる(トラック・マークの当時の打ち方による)。
- Fighting (君のファイティング)
- 歌詞が完成する前はAOR風の明るい曲調だったが、完成された歌詞を見た途端小室は急遽全体的なアレンジを重くした[17]。
- 歌詞は「極限状態の中で我慢して、頑張っている状況」をテーマにしている[5]。
- イントロはその他の部分が完成した後に、打ち込みで加えた[8]。
- サビの締めの部分は渡辺美里の『死んでるみたいに生きたくない』のサビのメロディーに似ているが、小室はワンセンテンスの中でマイナーからメジャーに転調しており、自分のメロディーを素直に出した結果であり、気づかないうちにクセが出ているという[19]。
- 宇都宮がいつもより気を引き締めて「男っぽさ」を意識して歌ったら、エンジニアを統括していた伊東俊郎が宇都宮の歌を気に入って、宇都宮と一緒に先行シングル化の打診をした[9]。
- 後に10thシングル「Get Wild」のカップリング曲としてシングルカットされている。
- 最初は「Self Control (方舟に曳かれて)」のカップリング曲として入れる予定だった。小室は「入っていたら反戦歌としての色合いが更に強く出た」と語っている[21]。
- Time Passed Me By (夜の芝生)
- 小室から「ビートルズの『イエスタデイ』みたいな曲を作ってよ」と言われた木根が、お互いその曲をどう解釈していたのかは敢えて詮索せず「イエスタデイ」のコード進行をピアノで弾きながら自分のメロディを鼻歌で口ずさみ、その時木根が浮かんだメロディの動きに合わせて「イエスタデイ」の本来のコード進行から変えていくのを繰り返して、完成させた[22]。その後、編曲の際には小室と「ビートルズみたいなストリングスのアレンジにしよう」と意見が一致した[11]。この様な経緯を経て、木根は「自分のメロディメーカーとしての原点になっているのはやっぱりビートルズだ」と改めて感じた[17]。
- 当時木根は「TMの中での自分の存在感・立ち位置・スタイルを確立しよう」と意気込みながら制作に徹し、「やっとTMに向けたいいバラードがかけた」と手応えを感じ、愛着を抱いている[23]。
- 最初は「アレンジの構成は生ギターとストリングス風の打ち込み」で行こうとしたが、チェロ2人分・ヴァイオリン1人分の打ち込みを足した[8]。
- 「一人10cc」をコンセプトに[18]、小室によるコーラスが24回重ねられた[8]。
- 歌詞は歌入れの前日に完成した[9]。
- 宇都宮が最初に歌った時は自分の感性を重視していたが、他の楽曲より音数が少なかったため、全体的な響きがおかしくなった。改めて楽曲の雰囲気を重視して歌ったら、それがOKテイクになった[9]。
- 木根はナイロン弦のギターのアルペジオはちょっと冒険したと思ったが、うまく仕上がっていると評している[19]。
- Spanish Blue (遙か君を離れて)
- Fool On The Planet (青く揺れる惑星に立って)
- 木根はTMのデビュー前から「8分の6拍子」の楽曲をやりたがったが、小室からは「まだ早い」と止められていた。本作でようやく許可をとって作った[17]。
- 3連符を意識したアレンジが作られ、小室によってオーケストレーション調のアレンジ・コーラスが「Time Passed Me By (夜の芝生)」に引き続いて24回にわたって行われた[8]。ワンボイスでコーラスを重ねるというのは小室のアイデアだと木根は言っている[19]。
- 「8分の6拍子」の楽曲をやりたくて作ってみたが、実際に作ってみるとメロディーに広がりがあったので、ファンタジーな曲にしようということになったと木根は言っている[19]。
- 小室みつ子は「周りにいる他人と違う事を言ったり、考えたりする変な奴を侮らずに暖かく見守ろう。変な奴の考えや夢が、いつか本当になるかもしれない。不可能と思えることを現実にしてきたのは、夢を抱えてそれをあきらめなかった数え切れない変な奴達だから」という思いで書いた[24]。
- 1998年2月25日、南央美によるカバーバージョンが『Rhapsody~ひ・と・り・ご・と~』に収録された[25]。
- Here, There & Everywhere (冬の神話)
- 1970年代前半頃に小室が中学の時に作られた歌であり[8]、その時のボーカルは小室の知り合いの女子だった[9]。PVが存在する。
- 「フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンド」をコンセプトとした[8]。
- メインの機材でRoland MC-4・Prophet-5を使用している[8]。
- アルバムの楽曲で一番最後に完成した[9]。
- 宇都宮は「今までの中で最も親しみやすいから、僕の声質で歌うと、はまりすぎて甘くなりすぎてしまうのではないか」と心配した。しかし、楽曲の気持ちよさを気に入った宇都宮が声を気持ち良く聞かせるために、声のパートをダブルトラックにすることを提案したら、上手く雰囲気を整えることができた[9]。
※2曲目と5曲目の冒頭部分に於いて前の曲の終わりが聞こえたり次の曲の冒頭部分が欠けたりする旨がブックレットの曲目の欄に表記されている。
- ^ 立東社刊「PLUM」1986年9月号 Vol.10「TM NETWORK SPECIAL 実現!宿願成就!てつや★キララ対談」p.84より。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 「TM NETWORK'S WORKS HISTORY 小室哲哉によるアルバム全曲解説!」『ぴあMOOK TM NETWORK 30th Anniversary Special Issue 小室哲哉ぴあ TM編』ぴあ、2014年5月30日、32 - 59頁。ISBN 9784835623269。
- ^ a b c d e 自由国民社刊『シンプジャーナル』1987年2月号「アルバム『Self Control』インタビュー『高まるボルテージのなかで'87年は』」15P-16P,「キーボード講座 第19回『今月は、エッセイ風に…』」106P-107Pより。
- ^ 立東社刊「PLUM」1987年1月号 Vol.14「TM NETWORK 小室哲哉の天才的曲づくりの謎」p.20より。
- ^ a b 自由国民社刊『シンプジャーナル』1987年4月号71P-72Pより。
- ^ 角川書店刊『月刊カドカワ』1991年10月号34P-36Pより。
- ^ 講談社刊「ホットドッグ・プレス」1987年6月25日号「TMネットワーク 小室哲哉 コンピュータはスペイシーな音源だ」p.245より。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 立東社刊『KB special』1987年3月号108P-109P「『Self Control』は"ほんの思いつき"アイディア集!?」より。
- ^ a b c d e f g h i 立東社刊「PLUM」1987年3月号 Vol.16「TM NETWORK ふたりの宇都宮隆」pp.124-125より。
- ^ ソニー・マガジンズ刊 『ギターブック』 1992年1月号109P-110Pより。
- ^ a b 自由国民社刊『シンプジャーナル』1987年5月号18Pより。
- ^ ともえりょうのすけ「PART 2 TM NETWORK/TMN ヒストリー&レビュー CHAPTER 1 タイムマシン、始動(1984年-1987年)」『音楽誌が書かないJポップ批評53 TMN&小室哲哉[ポップス神話創世]』別冊宝島 1532号、宝島社、2008年6月19日、42 - 43頁、ISBN 9784796662697。
- ^ a b “TMN / セルフ・コントロール[再発]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年8月18日閲覧。
- ^ a b c “TM NETWORK / Self Control[Blu-spec CD2]”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年8月18日閲覧。
- ^ a b “TM NETWORK/Self Control<完全生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード (2009年4月8日). 2019年8月18日閲覧。
- ^ a b 梅本直志「PART 2 TM NETWORK/TMN ヒストリー&レビュー TM NETWORK / TMN オリジナルアルバム "WILD" レビュー #4」『音楽誌が書かないJポップ批評53 TMN&小室哲哉[ポップス神話創世]』別冊宝島 1532号、宝島社、2008年6月19日、48頁、ISBN 9784796662697。
- ^ a b c d e f g ソニー・マガジンズ刊『WHAT's IN?』1992年3月号「COMPLETE FILE TMN」52P-55Pより。
- ^ a b c 全音楽譜出版社刊「木根本」p.6,36より。
- ^ a b c d e M-ON! Entertainment社刊 TIME MACHINE BOX 1984>1994 P.100 書籍4520361701287
- ^ “DREAMING MONSTER、木根尚登さんに『Self Control』の振り付け公認を獲得!!その経緯を、「DREAMING MONSTER/木根尚登/田辺晋太郎」の座談会を通して紐解こう!!”. Myuu♪ (2017年10月11日). 2024年5月15日閲覧。
- ^ 自由国民社刊『シンプジャーナル』1987年1月号73P-74Pより。
- ^ メディアファクトリー刊『まっすぐ進む 夢へのヒント54』木根尚登著25Pより。
- ^ 角川書店刊『月刊カドカワ』1996年7月号「木根尚登 スピリチュアル・メッセージ 違和感のない空間」223P-232Pより。
- ^ シンコーミュージック・エンタテイメント刊「ノイジー・ナイトに乾杯!」小室みつ子著pp.160-161より。
- ^ “Rhapsody~ひ・と・り・ご・と~”. oricon ME inc.. 2024年5月18日閲覧。
- ^ “TM NETWORK、80年代の8タイトルをリマスター&紙ジャケで再発”. CDジャーナル. 音楽出版 (2007年1月9日). 2019年8月13日閲覧。
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