Lモード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/04 14:22 UTC 版)
概要
NTTドコモグループが提供する携帯電話IP接続サービス「iモード」を固定電話機に移植させたような類似サービスであり、Lは、Living・Local・Lady・Largeを意味している。東西NTTが2001年6月に日本国内で提供を開始した。ゲートウェイは東京と大阪の2カ所に設置されており、東西NTTが各都道府県内に設置されたアクセスポイントなどへの県内通信部分を提供し、域外となるゲートウェイまでの通信はNTTPCコミュニケーションズとインターネットイニシアティブに委託した。
Lモードに対応した電話機にはアナログモデムとモノクロもしくはカラー表示の大型液晶画面(約4-6インチ)が搭載され、メニューサイト「Lメニューリスト」にてコンテンツプロバイダによる着信メロディ・ニュースサイト・天気予報・地域情報・グルメ・レシピ・オンライントレード等の各サイトや、Compact HTMLで作成された勝手サイトのブラウジング、携帯電話のキャリアメールと同様のプッシュ配信型インターネットメール(Lメール)の利用ができる。Lメールのドメインは「○○○○○@pipopa.ne.jp」であった[1]。画面レイアウトや操作性はiモードを踏襲していた。なお、通信はアナログモデム(殆どの機種が33.6kbps)による回線交換接続であり、接続時間に応じて通信料が発生する従量制課金となる。
サービス開始時のターゲットとしては主婦を想定しており、表示文字が大きいこと、FAXでは画面の印刷(プリントスクリーン)が可能であることをセールスポイントにし、テレビCMには東日本では八代亜紀、西日本では浅野ゆう子を起用した。また、固定電話の買い換え(サービス開始当時で年間約700万台)にともなって少しずつ普及することを期待していた[2]。
接続先は東西NTTのアクセスポイントに限定されるため、マイラインで新電電やNTTコミュニケーションズなど他事業者を選択していた場合は強制的に東西NTTへの接続となる。LCRと併用すると不具合を生じるためアダプターの解除が必要となる(Lモード対応機種はマイラインもあった事からLCRは非搭載であった)。IP電話や直収電話回線では接続不可となる。
また、Lモードに対抗して日本テレコム(後のソフトバンクテレコム、現ソフトバンク)が、0088中継電話を利用して接続するJ-webというサービス(J-Skyウェブと類似)を2001年7月13日から開始したが、2007年8月31日でサービスを終了した[3]。対応機種はシャープ・三洋電機などから発売され、Lモード対応機種をカスタマイズしたもので外観はほぼ同一であるが、一機種でLモードとの併用や排他利用は出来ない。
撤退
Lモード搭載の留守番電話機・ファクシミリは各メーカーのフラッグシップモデルの位置づけであり(実勢価格として2-6万円台)、Lモード無しの留守番電話機・コードレスホンやファクシミリと比べて価格に倍程度の開きがあった。既にADSLなどのブロードバンドインターネット接続が全国的に普及しており、パソコンでインターネットを利用している人がわざわざ乗り換えて(あるいは併用して)利用するほどの魅力に乏しかった。
Lモードの通信料はPHSのブラウザホンやドットiと同様の回線交換接続による時間従量制課金であることもあり加入者は伸びず、2004年7月に「#Lモード on フレッツ」を開始したが遅きに失した感があった。また、ターゲットに想定していた主婦層はファミリー割引(ドコモ)やパケット定額制の浸透もありフィーチャーフォンを所持する人が多くなった。
Lモードの契約者数は2004年8月末に52万件となるが、当初目標の150 - 200万件には及ばず以降減少し、2006年11月30日に新規受付を終了。2010年3月31日に提供を終了した[4]。
- ^ “意外に使える(?)Lモード”. ITmediaニュース. (2001年6月15日). p. 1
- ^ “Lモードは第2のiモードとなるか?”. INTERNET Watch. (2001年6月27日)
- ^ J-web:ソフトバンクテレコム - ウェイバックマシン(2007年9月27日アーカイブ分)
- ^ “Lモード 2010年3月末でサービス終了”. INTERNET Watch. (2009年3月30日)
- ^ 再発行の場合も500円(税込525円)/枚。
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