Itanium
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/23 06:43 UTC 版)
製品
Itanium / Merced (マーセッド)
![]() Itanium 733MHz | |
生産時期 | 2001年6月から2003年4月30日まで |
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生産者 | インテル |
CPU周波数 | 733 MHz から 800 MHz |
FSB周波数 | 266 MHz |
プロセスルール | 0.18μm |
マイクロアーキテクチャ | P7 |
命令セット | IA-64 |
コア数 | 1 |
ソケット | PAC418 |
コードネーム | Merced |
2001年5月29日に発表。180 nmプロセスで製造され、動作周波数は最大 800 MHz。パッケージ内に外部3次キャッシュとして2MBか4MBを選択できる。価格は1,200 - 4,000USドル。しかし、その性能は業界を満足させるものではなかった。これは当初1999年のリリースを目指していたものの、度重なる延期により設計仕様が2年遅れとなってしまったことも大きい。IA-64モードでは同クロック周波数のx86と比較して若干性能がよい程度で、エミュレーションでIA-32のコードを実行すると非常に低い性能しか出なかった(同クロック周波数のx86の1/8)。激しい市場競争により同時期のx86プロセッサは倍以上の1.7GHzに達しており、プラットフォームも旧式化していた。
Itanium Processor 動作周波数 L3キャッシュ TDP 733 MHz 2 または 4 MB 116 W 800 MHz 2 または 4 MB 130 W
Itanium 2
Mckinley (マッキンリ)
![]() Itanium 2 | |
生産時期 | 2002年6月から2007年9月16日まで |
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生産者 | インテル |
CPU周波数 | 900 MHz から 1.67 GHz |
FSB周波数 | 400 MHz から 667 MHz |
プロセスルール | 0.18μm から 0.13μm |
マイクロアーキテクチャ | Mckinley |
命令セット | IA-64 |
コア数 | 1 |
ソケット | PAC611, LGA1248 |
コードネーム |
Mckinley Madison Deerfield Fanwood |
2002年7月8日に発表。0.18 μmプロセスで製造される第一世代のItanium 2。IA-64命令セットにbranchlong命令が追加され、実行ユニットを4から6へ増加、キャッシュ周りが再設計されるなどして性能が最大2倍向上しているが、その恩恵を受けるにはItanium2向けに再コンパイルする必要がある。なおIA-32性能も大幅に改善されたが、同時期のx86プロセッサの性能には遠く及ばず、Mckinleyでのx86コード実行速度はクロック周波数が2/3のPentium IIと同等である。開発初期段階ではFlagstaff (フラッグスタッフ) という名称で開発されていた。
Itanium 2 Processor 動作周波数 L3キャッシュ TDP 900 MHz 1.5 MB 90 W 1 GHz 1.5 MB 100 W 3 MB
Madison (マディソン)
2003年6月末に登場した0.13 μmプロセスで製造される第二世代のItanium 2。ダイサイズは374平方ミリメートル。消費電力はMckinleyと変わらず130ワット。発表当初は3次キャッシュを最大で6 MB搭載するものが出荷されていたが、後に最大で9 MB搭載するもの (Madison-9M) が発表された。2005年にはFSBが667 MHzのものが発表された。最新のものはSPECfpで2,801を記録した (日立製作所のComputing blade)。
Itanium 2 Processor 動作周波数 FSB L3キャッシュ TDP 1-8 Way 1.3 GHz 400 MHz 3 MB 97 W 1.4 GHz 4 MB 91 W 1.5 GHz 6 MB 107 W 4 MB 122 W 1.6 GHz 6 MB 9 MB 1.67 GHz 667 MHz 6 MB 9 MB 1-2 Way 1.4 GHz 400 MHz 1.5 MB 91 W 3 MB 1.6 GHz 667 MHz 3 MB 99 W
Deerfield (ディアフィールド)
2003年にリリースされた2CPUまでのSMPに対応したMadisonの派生版。低電圧版の位置付けで、Madisonよりも消費電力が大幅に抑えられている。消費電力は63ワットでブレードサーバや1Uサーバ向きである。
- ラインナップ - 1 GHz (L3 1.5 MB)
Hondo
ヒューレット・パッカード (HP) がmx2デュアルプロセッサモジュールとして2003年に発表し、2004年から出荷した、Itanium 2を二次利用したプロセッサ。ふたつのMadisonコアと32 MBのL4キャッシュを通常のItanium 2と同じサイズにパッケージ化したもの。HPのみが販売しており、最近では1.1 GHzで各コアに4 MBのL3キャッシュを搭載したものを使っている。
Fanwood (ファンウッド)
2004年に登場した2CPUまでのSMPに対応したMadison (Deerfield) の派生版。通常電圧版ではFSBクロックが533 MHzに向上している。
- ラインナップ
- 通常電圧版 - 1.6 GHz (L3 3 MB)
- 低電圧版 - 1.3 GHz (L3 3 MB)
Itanium 9000 / Montecito (モンテシト)
![]() Itanium 9050 | |
生産時期 | 2002年6月から2007年9月16日まで |
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生産者 | インテル |
CPU周波数 | 1.33 GHz から 2.66 GHz |
FSB周波数 | 400 MHz から 667 MHz |
QPI帯域 | 4.8 GT/s から 6.4 GT/s |
プロセスルール | 90nm から 32nm |
マイクロアーキテクチャ | Montecito, Poulson |
命令セット | IA-64 |
コア数 | 1, 2, 4, 8 |
ソケット | PAC611, LGA1248 |
コードネーム |
Montecito Montvale Tukwila Poulson Kittson |
2006年7月18日に発表、即日発売されたItanium 2シリーズの中の一つ。当初の名称はDual-Core Itanium 2 Processor 9000。この9000はプロセッサナンバで、広義では9xxxの総称とも言えるが、狭義として90xxの総称でもある。後のItanium 2の名称のItaniumとの統合により、このプロセッサの名称はItanium 2 9000からItanium 9000に改められた。
Intelの発表では、Itanium 9050は前世代にあたるMadisonとの比較で、性能が最大2倍、消費電力が最大2割減となり、消費電力当たり性能は最大2.5倍に達するとしている。
9000シリーズの基本共通は、製造プロセスルールは90 nm、L2キャッシュ容量は2.5 MB (デュアルコアのコア毎に1 MBのコードと0.25 MBのデータをキャッシュする)。L3キャッシュは最大容量の製品で24 MB。補助機能としてVirtualization Technology (VT)、Hyper-Threading Technology (HT、一部の製品で無効化されている)、Cache Safe Technology機能を搭載する。熱設計電力は9010のみ75 Wで、シングルコア。
Montecitoに用いられるHT技術は、NetBurstマイクロアーキテクチャでの同時マルチスレッディング (Simultaneous Multi-Threading; SMT) とは違い、CGMT (Coarse-Grain Multi-Threading) を使用している。
Itanium Processor 90xx プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア/スレッド数 FSB L3キャッシュ HT TDP 9050 1.60 GHz 2C/4T 533 MHz 24 MB ○ 104 W 9040 1.60 GHz 2C/4T 533 MHz 18 MB ○ 104 W 9030 1.60 GHz 2C/2T 533 MHz 8 MB × 104 W 9020 1.42 GHz 2C/4T 533 MHz 12 MB ○ 104 W 9015 1.40 GHz 2C/4T 400 MHz 12 MB ○ 104 W 9010 1.60 GHz 1C/1T 533 MHz 6 MB × 104 W
Itanium 9100 / Montvale (モンベール)
Montecito の機能強化版。2007年10月31日即日販売された。名称はDual-Core Itanium Processor 9100番台。
製造プロセスルールは90 nm、最高1.66 GHzの動作周波数、667 MHzのFSBを備え、104W以下の消費電力で動作。2つのプロセッサとチップセットが同じバスに搭載された3ロードバスによって、エンタープライズおよびハイパフォーマンスコンピューティング (HPC) での使用において、優れた能力を発揮する。
また、サーバの利用が低い時の消費電力を削減する新機能「デマンド・ベース・スイッチング」(DBS) により、エネルギーコストの低減にも寄与する。
さらに2008年第1四半期からコアレベルロックステップ機能付きモデルを出荷開始する。この機能はプロセッサーコア内で起こるエラーの検出を確実に行うことでデータの完全性とアプリケーションの信頼性を向上させる新技術である。
Itanium Processor 91xx[5] プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア/スレッド数 FSB L3キャッシュ HT DBS TDP 9152M 1.66 GHz 2C/4T 667 MHz 24 MB ○ ○ 104 W 9150M 1.66 GHz 2C/4T 667 MHz 24 MB ○ ○ 104 W 9150N 1.60 GHz 2C/4T 533 MHz 24 MB ○ ○ 104 W 9140M 1.66 GHz 2C/4T 667 MHz 18 MB ○ ○ 104 W 9140N 1.60 GHz 2C/4T 533 MHz 18 MB ○ ○ 104 W 9130M 1.66 GHz 2C/2T 667 MHz 8 MB × × 104 W 9120N 1.42 GHz 2C/4T 533 MHz 12 MB ○ × 104 W 9110N 1.60 GHz 1C/1T 533 MHz 12 MB × × 75 W
Itanium 9300 / Tukwila (タックウイラ)
2010年2月9日発表。コアごとに6 MBのL3キャッシュを搭載し、QuickPath InterConnectと、2つのDDR3メモリコントローラを備える。QuickPathの合計帯域は96GB/secとなる。かつてFoxtonテクノロジと言われていた、インテル ターボ・ブースト・テクノロジーを備える。製造プロセスルールは65 nm 8層メタルである。従来のItaniumプロセッサに比べ、低電圧動作が可能となっているが、4コアになった分、TDPは最大185Wと大きい。トランジスタ数は20億5000万個、ダイサイズは約700平方mmと巨大なものになっている。[6]また、ソフトエラー対策を強化し、宇宙線の中性子によるエラーを1/80から1/100に抑えたとしている。[7]プロセッサコアは90 nmのMontecitoコアを65 nmにシュリンクした以外は目立った改良はない(2008年1Q時点でインテルは、45 nm High-K 9層メタルのIA-32プロセッサを出荷している)。当初の発売予定は2007年であったが、2008年末に延期され [8] 、2008年末には更に2009年半ばへ延期され、2009年2月にはデザイン修正のため2009年後半に延期された [9]。2009年5月にはリリースを再び延期し、出荷予定を2010年第1四半期に設定し直した[10]。2010年2月9日、当初予定から3年遅れで「Itaniumプロセッサー 9300 番台」として発表された。[11]
Itanium Processor 93xx プロセッサ・ナンバ 動作周波数 (ターボ) コア/スレッド数 QPI L3キャッシュ HT DBS TDP 9350 1.73 GHz (1.866 GHz) 4C/8T 2 x 4.8 GT/s 24 MB ○ ○ 185 W 9340 1.60 GHz (1.733 GHz) 4C/8T 2 x 4.8 GT/s 20 MB ○ ○ 185 W 9330 1.46 GHz (1.600 GHz) 4C/8T 2 x 4.8 GT/s 20 MB ○ ○ 155 W 9320 1.33 GHz (1.466 GHz) 4C/8T 2 x 4.8 GT/s 16 MB ○ ○ 155 W 9310 1.60 GHz 2C/4T 2 x 4.8 GT/s 10 MB ○ ○ 130 W
Itanium 9500 / Poulson (ポウルソン)
2012年11月9日発表。9500シリーズは、Tukwila の後継プロセッサとしてPoulsonとの開発コード名で開発された。製造プロセスルールは45 nmはスキップして32 nmを採用し、最大8コア、マルチスレッド処理を強化し、特に仮想化などの並列処理用の命令を追加した。Intel VT-x, VT-d, VT-i 対応。クロックは最大2.53 GHzとなった。2010年から実施しているXeonとの基盤要素共通化を反映させたとしている[12][13]。対応メモリは DDR3-800 と DDR3-1067。
Itanium Processor 95xx プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア/スレッド数 QPI L3キャッシュ HT DBS TDP 9560 2.53 GHz 8C/16T 2 x 6.4 GT/s 32 MB ○ ○ 170 W 9550 2.40 GHz 4C/8T 2 x 6.4 GT/s 32 MB ○ ○ 170 W 9540 2.13 GHz 8C/16T 2 x 6.4 GT/s 24 MB ○ ○ 170 W 9520 1.73 GHz 4C/8T 2 x 6.4 GT/s 20 MB ○ ○ 130 W
Itanium 9700 / Kittson[14] (キットソン)
2017年5月発表[15][16]。当初2013年リリースを目指し、22nmプロセスによるスループットの大幅な向上およびシングルレベルの向上にXeonとのソケット互換を実現させる計画だったが、定義の見直しにより32nmのまま Itanium 9500 と互換性を維持することになった[17]。最終的に5年の歳月を経てステッピングチェンジが行われただけで、インテルのデータシートによると上位2モデルのクロック周波数向上以外に9500から機能面の変化なし[18][19]。
インテルはXeonとのソケット互換について将来において再検討されるとしていたが、IDG Newsに対してKittsonが最後のItaniumであると明かした[20]。
ヒューレット・パッカード・エンタープライズは搭載サーバーを少なくとも2025年12月31日までサポート予定[21]。対応OSはHP-UX。
Itanium Processor 97xx プロセッサ・ナンバ 動作周波数 コア/スレッド数 QPI L3キャッシュ HT DBS TDP 9760 2.66 GHz 8C/16T 2 x 6.4 GT/s 32 MB ○ ○ 170 W 9750 2.53 GHz 4C/8T 2 x 6.4 GT/s 32 MB ○ ○ 170 W 9740 2.13 GHz 8C/16T 2 x 6.4 GT/s 24 MB ○ ○ 170 W 9720 1.73 GHz 4C/8T 2 x 6.4 GT/s 20 MB ○ ○ 130 W
- ^ Product Change Notification 108304-00 - Intel
- ^ a b c Product Change Notification
- ^ a b c Itaniumが製造終了へ。IA-64の歴史に幕 - PC Watch
- ^ HP が『Itanium』の設計から撤退 - japan.internet.com
- ^ Intel Itanium Processor Numbers
- ^ The World's First 2-Billion Transistor Microprocessor
- ^ INTEL TECHNICAL DISCLOSURES AT ISSCC
- ^ インテル Itanium プロセッサー・ベース・サーバ・プラットフォーム: 製品とテクノロジー
- ^ リリースも延期:Intelが新Itanium「Tukwila」のデザインを修正
- ^ Intel、次期『Itanium』プロセッサ『Tukwila』の出荷を再び延期
- ^ 基幹業務システム向けにインテル® Itanium® プロセッサー 9300 番台を発表 - インテル
- ^ Intel、前世代から性能を2倍以上に高めた「Itanium 9500」シリーズ - PC Watch
- ^ New Intel Itanium Processor 9500 Delivers Breakthrough Capabilities for Mission-Critical Computing - Intel
- ^ インテル、vProとItanium 2のロードマップを解説
- ^ IntelのサイトにItanium 9700シリーズがひっそりと登場 ~5年ぶりの新モデル - PC Watch
- ^ “IntelのItanium、今年出荷の「Kittson」で幕引きか - CIOニュース:CIO Magazine”. 2017年2月17日閲覧。
- ^ Intel Itanium Processors Update
- ^ Intel® Itanium® Processor 9300/9500/9700 Series: Datasheet
- ^ Intel’s Itanium Takes One Last Breath: Itanium 9700 Series CPUs Released
- ^ Intel's Itanium, once destined to replace x86 processors in PCs, hits end of line | PCWorld
- ^ a b HPE Integrity with HP-UX roadmap (public) Aug 2017
- ^ “Mining Itanium”. CNet News (2005年12月7日). 2013年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月19日閲覧。
- ^ Shankland, Stephen (2006年2月14日). “Analyst firm offers rosy view of Itanium”. CNet News. 2012年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月20日閲覧。
- ^ IBM Alleviates a Problem by Buying Platform Solutions Inc.
- ^ HP Supports Customers Despite Oracle’s Anti-customer Actions - HP
- ^ HP、Oracleを提訴――Itaniumのサポート打ち切りは違法
- ^ 米国地方裁、HP Itaniumへのオラクルのソフト移植継続義務を認定
- ^ a b 米オラクル、「Oracle DB 12c」など最新ソフトをHP-UXにも提供へ
- ^ Top500 List - June 2013 - TOP500 Supercomputer Sites
- ^ 米コンパックがAlphaマシンをついに断念,サーバーは米インテル製で染める
- ^ IBM、Itaniumプロセッサを見限る--新チップセットはXeonのみ対応
- ^ Dell、Itaniumサーバから撤退へ
- ^ 米ユニシス、インテルの「Itanium」を見限る--「Xeon」の優位性を強調
- ^ HP、Itanium搭載ワークステーション打ち切り
- ^ NECがメインフレーム「ACOS」の新機種、専用プロセッサ「NOAH」が復活
- ^ 富士通がハイエンドサーバーPRIMEQUESTの新版、CPUをItaniumからXeonへ変更
- ^ インテル、Itaniumで悲喜こもごも(ワークステーション向けWindowsのItanium 2対応版の開発を中止)
- ^ 次期版Windows ServerはItaniumサポートなし
- ^ Red Hat、バージョン6でItaniumサポート打ち切り
- ^ SPARC/Solarisの置き換え狙うItanium連合
- ^ Oracle Stops All Software Development For Intel Itanium Microprocessor - Oracle Press Release
- ^ 米オラクル、Itanium向けソフト開発を終了 - ITPro
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