AIM-174Bとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > AIM-174Bの意味・解説 

AIM-174B

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/03 10:10 UTC 版)

AIM-174B
AIM-174ミサイルを搭載するVX-9所属のF/A-18F
種類 超長距離空対空ミサイル
製造国 アメリカ合衆国
設計 レイセオン
性能諸元
ミサイル直径 0.34m
ミサイル全長 4.72m
ミサイル翼幅 1.57m
ミサイル重量 860kg
弾頭 64kg
射程 240km以上
推進方式 固体燃料ロケット
誘導方式 中途航程: INS+指令誘導
終末航程: ARH
飛翔速度 マッハ3.5 - 8
テンプレートを表示

AIM-174Bは、アメリカ合衆国レイセオン社が開発する超長距離空対空ミサイルである。 AIM-174Bは、SM-6(RIM-174B)艦対空ミサイルの空中発射型である。AIM-174Bは、RIMPAC 2024で初めて一般に公開された。

開発経緯

2004年F-14専用であるAIM-54Cが退役して、以降アメリカ海軍では長距離ミサイルを運用していなかった。これを代替するために安価なAIM-152が開発されたが冷戦終結に伴うソ連爆撃機による脅威がなくなり、また、軍事費も削減されたため、AIM-152は試作段階で開発が中断され、現在では中距離空対空ミサイルであるAIM-120がその任務を引き継いでいる。しかし、近年中国人民解放軍PL-21ロシア連邦軍R-37Mを搭載する敵機と交戦する際、AIM-120は射程の面で不利である。この現状を打開するためにAIM-174Bの開発が進行中である。

アメリカ空軍が開発中のAIM-260統合先進戦術ミサイルと同様に、特別アクセスプログラムとして開発されたと推測される。AIM-260も同様に長距離空対空ミサイルであり、アメリカ海軍はアメリカ空軍と協力して、両軍で使用するために開発しているため、AIM-174BとAIM-260がどのように運用されるのかは不明である。ちなみにAIM-174BとAIM-260はどちらも、現在開発中のアメリカ空軍の長距離交戦兵器とは別のものである。

設計

AIM-174Bの重量は約1,900ポンド(861キログラム)で、AIM-120の約5倍の重さである。公開された写真では、AIM-174BがRIM-174と外観上実質的に同一であることがわかる。ただ、AIM-174BにはMK72固体燃料ロケットブースターが搭載されていない。

特徴

AIM-174Bの射程距離に関する詳細は不明だが、SM-6(ブースターあり)は370kmの射程があり、すでに一定の速度と高度(空気が薄いため推進に必要なエネルギー量が少なくて済む)で発射されるという利点があるため、AIM-174の射程距離は300~400kmに及ぶ可能性があるが、アメリカ海軍が公表した射程距離は240kmに過ぎない。しかし、アメリカ軍戦略的安全保障上の目的で、公表されている兵器システムの射程距離と能力を過小評価することが多いため実際の射程はより長いと考えられる。少なくとも、AIM-174Bは退役したAIM-54Cの150kmやAIM-120Dの180kmよりも大幅に長射程化している。

ロシア連邦軍のR-37Mや中国人民解放軍のPL-21などの超長距離空対空ミサイルは、高価であるため通常、大型空中目標を攻撃するために使用される。AIM-174Bも同様の運用上の制限を受けると考えられ、高価値の空中目標に対する使用に限定される可能性が高い。そのため、AIM-174Bは最前線から遠く離れた空中給油機早期警戒管制機電子戦機空母打撃群を脅かすH-6爆撃機を攻撃するために使用されるのと推測される。

原型であるSM-6は対艦攻撃対地攻撃も可能であるため、AIM-174Bがそのような用途で使用されるとも考えられる。




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  AIM-174Bのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「AIM-174B」の関連用語

AIM-174Bのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



AIM-174Bのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのAIM-174B (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS