セキュリティポリス 服装と所作

セキュリティポリス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/24 22:05 UTC 版)

服装と所作

警視庁警護員記章

“SP”の文字をデザイン化した銀色と原色のツートーンのバッジ(警視庁警護員記章と呼ばれ、裏に個人番号が刻印1号は警視庁警備部長が保持。記章の色は偽造防止の為不定期に変更される。通称“SPバッジ”)を上着の衿に付け、大剣に文字が白く染め抜かれた赤いネクタイを締めた地味な色の背広姿が有名だが、実際の活動では周囲に溶け込めるよう、当日の関係者にしか分からないマーク(カラークリップなど)を使っている事も多いという。他には“赤い太陽と三日月の中に白抜きの”(“昼夜を問わず警護対象者を護る”という誓いのシンボル)の警護員記章もあり、こちらは指定警護員記章と呼ばれ、警視庁警備部警護課以外の道府県警察所属の警護員が任務中に着用する[12]

SPは端整な身なりが求められ、髪型も例外ではない(以前、男性SPには七三分けが多かったが、規定があるわけではない)。それにもかかわらず、上着の前を開けたままなのは、いざというときに裾を払って腰や脇に携行している装備品を素早く取り出すためである。また、眼鏡の着用はしない[13]。欧米では、警戒中に異物から目を保護するとともに、報道陣等のフラッシュから視線を遮られないよう、サングラスの着用が励行されているが、それに対して日本のSPがサングラスを着用することはまずない。

さらに、警護中はトイレに行くことが制限されるため、水分摂取には特に気を配っている。夏場の任務につく際には、熱中症予防のため保冷材を上着の内側やポケットに入れたり、胸や背中に保冷剤を装着した下着を身につけることが認められている。

大規模災害等が発生し、首相や閣僚や各党の党首が防災服着用で現場の指揮を執りまた被害視察に入る際は、SPもスーツを着用せず、出動服の襟にSPバッジを装着し、装備品を収めたウエストポーチを携行する。他方、道府県警察の警護員は、私服または出動服を着用して災害現場に赴く。

昭和時代は要人の方を注視し、要人に近づく不審者に対応する方法が取られていたが、1992年の金丸信自民党副総裁狙撃事件をうけて、群衆側に向き合って不審な動きを事前に把握する形に転換するよう警察庁が指示を行った[1][14]


注釈

  1. ^ 天皇・皇族の身辺警護については、「警衛」は警察官のみに用いられる語で、皇宮護衛官の警護は「護衛」。
  2. ^ 2010年5月6日に、日本テレビ系ニュース番組内の特集である「密着!警視庁SP要人警護の舞台裏」の中で、警視庁警備部の警護員(SP)が、P2000を使用した実弾訓練を行っている。また、2011年高知県警察年頭視覧式の装備点検展示において、制服警官がP2000を装備していることが確認された。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j 高橋博 (2007年6月). “自治体首長の警護体制” (PDF). 東京海上日動リスクコンサルティング株式会社. 2019年5月5日閲覧。
  2. ^ 小泉内閣メールマガジン 第31号”. 首相官邸 (2002年1月24日). 2009年5月5日閲覧。
  3. ^ security police”. ウェブリオ株式会社. 2010年5月5日閲覧。
  4. ^ 古谷謙一『そこが知りたい!日本の警察組織のしくみ』朝日新聞出版、2017年7月。ISBN 978-4-02-333090-0 
  5. ^ 警衛警護課 巡査長/大阪府警本部
  6. ^ 京都府警察のしくみ
  7. ^ 神奈川県警察の組織と仕事 警備部 公安第二課
  8. ^ 人に誇れる仕事! T.N 平成22年4月拝命 関西大学法学部法律学科 卒業 福岡県警察本部警備部公安第二課第二係 国賓等要人の警衛・警護等
  9. ^ 警備警察 警衛警護係 巡査部長 - 求人・採用試験情報 | 広島県警察
  10. ^ 島根県警察の組織の細目等に関する訓令 (平成7年3月24日島根県警察訓令第4号) 別表第1(第2条関係) 本部の課、警察学校等に置く係の基準
  11. ^ a b SP鉄の掟は強面に「ポマード」? SP発足40年「命かけて守る精鋭」サミット控え訓練公開 2015.11.21 産経ニュース
  12. ^ 『オールアバウト警視庁』イカロス出版、06-30、78-79頁。ISBN 978-4-8022-0330-2 
  13. ^ 道府県警察警備部の警護隊員には眼鏡をかけた隊員も存在する。
  14. ^ 銃声3発 2000人の聴衆騒然 金丸副総裁狙撃事件(1/2ページ) 産経新聞 (2015年10月26日)
  15. ^ YouTube 2010年4月26日にパシフィコ横浜で行われた公開訓練の動画
  16. ^ “昭恵夫人は京都から奈良へ移動”. テレ朝news. (2022年7月8日). https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000260717.html 2022年7月9日閲覧。 
  17. ^ 過去には、外国人参政権問題についての発言により、反対派や右翼団体から激しい抗議を受けている民主党山岡賢次国会対策委員長が警護の対象に加えられていた(ただし、これは山岡が要請したものではなく、事態を重く見た警視庁当局の配慮による)。他、自由民主党総裁選挙の際、候補となった国会議員には総裁選挙期間中に警護がつくこともある。
  18. ^ “SP 要人警護の世界 政治家との距離感は”. NHK 政治マガジン (日本放送協会). (2023年7月7日). https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/100708.html 2024年3月7日閲覧。 


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