連合赤軍 思想

連合赤軍

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 03:28 UTC 版)

思想

連合赤軍は思想的には毛沢東主義(人民戦争理論)を掲げており、その影響を示す例として、「自力更生」という毛沢東主義の言葉が使われていた。[要出典]

なお、連合赤軍の母体となった党派のうち毛沢東主義派は革命左派であり、赤軍派はトロツキストと認識されていたが、革命左派が理論面で貧弱だったこともあり、赤軍派が革命左派に毛沢東思想を薦める場面もあった。[要出典]

連合赤軍における毛沢東思想はかなり原理主義的なもので、その批判は時として当の毛沢東体制下の中華人民共和国にすら及んでいた。森恒夫は中国人民解放軍の設立日についても独自の毛沢東思想理解に基き異議を唱えたが、当時は根っからの親中派であった坂口弘はこのような森の主張を内心不快に思っていたという。[要出典]

一方、連合赤軍の行動原理には毛沢東思想と相容れないものもあった。毛沢東思想は基本的にスターリン擁護の立場であるが、連合赤軍ではスターリンは何の説明もなく絶対悪とされ、スターリン的傾向があるとされたメンバーは「死刑」として殺害された。[要出典]

元革命左派のメンバーには、スターリンを「悪」とする森恒夫の「理論」に違和感を覚える者もいたが、「死刑」にされたメンバー含め誰も異議を唱えなかった。[要出典]

元メンバーは後に「武装闘争できれば満足だった。自分勝手だった。」と証言している。[要出典]

連合赤軍事件

1971年12月31日以降、連合赤軍は山岳ベース事件あさま山荘事件の二つの重大事件を起こす。これらは連合赤軍事件と呼ばれる。

山岳ベース事件は、あさま山荘事件などの逮捕者らの自供により明らかになった大量殺人事件である。これは警察捜査網から逃れるため山中に山岳ベースと呼ばれる山小屋を建設し潜伏中に、「総括」(詳細は後述)と称し連合赤軍内部で粛清が行われたもので、集団リンチを加えて12名を殺害した。また革命左派は、連合赤軍結成以前に組織を脱走した20歳男性と21歳女性の2名を殺害している(印旛沼事件)。

あさま山荘事件は、山岳ベースから逃亡した連合赤軍メンバーが、宿泊施設を占拠し起こした人質篭城事件で、銃器で武装した若者らは9日間にわたり警察と睨み合った。この模様はテレビで中継され、警察官を含む3名が死亡。社会に大きな衝撃を与えた。

連合赤軍メンバーは、クアラルンプール事件の際に超法規的措置釈放・国外逃亡し、現在も国際指名手配されている坂東國男と、東京拘置所自殺した最高指導者の森恒夫を除き、15人のメンバーに判決が確定した。

「総括」とリンチ

連合赤軍は、しばしば総括(そうかつ)[注 2] と称して各人に政治的な反省を迫ることがあった。これはやがて、本人の自覚を助けるとして周囲の者が総括をされる対象者に対し、意見や批判を行うものに発展した。

山岳ベースでの連合赤軍においてはこれが破綻し、リーダーの森恒夫らは総括に暴力を用いるようになった。一人の人間に対し、仲間全員が強い集団での暴力を用いて反省を強要するようになり、実質的なリンチ粛清が展開されるようになった。被害者も政治的指向から、激しい暴力を伴うこの行為に対しほとんど抵抗しなかった。

結果として、ある者はこれらの暴力による内臓破裂で死亡し、ある者は食事もほとんど与えられずに極寒の屋外に縛り付けられ放置され死に至った。彼らは暴力を総括の補助行為として「総括援助」と名付け正当化した。またこの総括援助による死は「総括できないことに絶望しショック死した」として「敗北死」と名付けられた。また総括が期待できないと判断されたメンバー二人(一人は幹部)には「死刑」が宣告され、アイスピックで何度も刺された上に絞殺された。

この殺人に思想などの理由はなく、元メンバーは「結局、森と永田の指導体制に邪魔になりそうな人が排除された。今で言う『マウンティング』。いじめとかと同じだと思います。」と証言している。また、永田洋子の他の女性メンバーに対する嫉妬心、森の個人的コンプレックスが原因の私怨であった、とされる説がある。


注釈

  1. ^ 武装革命に賛同して戦後に日本で暴力行為を扇動・参加していた多数の日本共産党の党員は1955年の路線転換後も罪を問われずに在籍し続けて責任を取らなかったことから、党の暴力革命路線をその後も続いた新左翼の誕生の責任を負うべきだと元党員からも批判がある。
  2. ^ 本来は、「当初の方針どおりの活動ができたかどうかの確認作業」という程度の意味で、連合赤軍のみならず新旧左翼諸党派や学生団体、労働団体等において広く使われていた用語である。つまり、現代風に言えば「PDCAサイクル」のC(check)に相当する。ところが、一連の連合赤軍の事件以降、「内ゲバによるリンチ殺人」という意味合いが加わったため、党派によっては「総括」という用語の使用を止めたところもあった。
  3. ^ これは連合赤軍ではなく「共産主義者同盟(RG)服務規律」では。『RG資料集』(共産主義者同盟(RG)発行、1979年3月)収録の服務規律とほぼ同文

出典

  1. ^ 神山茂夫『日本共産党とは何であるか』自由国民社、p140-141)
  2. ^ あさま山荘事件 立てこもり犯の告白 ~連合赤軍45年目の新証言~
  3. ^ https://web.archive.org/web/20170624030744/http://www.hochi.co.jp/entertainment/20170305-OHT1T50303.html
  4. ^ [1]「あさま山荘事件 立てこもり犯の告白 ~連合赤軍45年目の新証言~」,world news
  5. ^ [http:// ]「韓国」,聯合ニュース,2016年10月24日.
  6. ^ https://news.yahoo.co.jp/byline/joshigeyuki/20170623-00072459






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