責任払い ローカル役満に対する包

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責任払い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/04 08:13 UTC 版)

ローカル役満に対する包

包が適用される役満は、基本的にはあくまで上で例示した3役のみである。ただし、ある程度広く知られているローカル役満の中には、「包を適用しうる役」がいくつかあり、その代表的な例が以下の2つである。

四連刻の確定

四連刻が成立しうる3刻子を3副露している相手に対し、その4刻子目をポンされた場合。

(例)          の相手に対してを捨て、それをポンされる。

このような場合、ではなくをポンされた場合も四連刻の包が成立する。

一色四順の確定

3副露して一色三順を成立させている相手に対し、同色同一順子の4順子目をチーされた場合。

(例)         の相手に対してを捨て、それをチーされる。

このような牌姿の一色四順の場合、  の3種に包のリスクがある。ただし、包のリスクを負うのは上家のみである(下家と対面はチーされて包になるリスクはないが、いきなりロンされる可能性はある)。

役満に対する包則の採用状況

  • ルールの列のソートボタンで元の順序に戻る。
ルール 採用状況 備考 / 細目 出典
01/オンライン麻雀/PC/00東風荘 包は無し サービス終了。 [2]
01/オンライン麻雀/PC/01雀賢荘 大三元・大四喜に対して適用 [3]
01/オンライン麻雀/PC/02東南荘 大三元・大四喜に対して適用 サービス終了。 [4]
01/オンライン麻雀/PC/03ハンゲーム 麻雀4 大三元・大四喜に対して適用 包は和了点にのみ適用される。積み棒の扱いは通常の和了と同じ。チップに対しては包は影響しない。ワレメは包の適用後に適用される。 [5]
01/オンライン麻雀/PC/04ハンゲーム 三人麻雀 包は無し [6]
01/オンライン麻雀/PC/05Maru-Jan 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 [7]
01/オンライン麻雀/PC/06天鳳 大三元・大四喜に対して適用 [8]
01/オンライン麻雀/PC/07雀魂 大三元・大四喜に対して適用 [9]
01/オンライン麻雀/PC/08龍龍 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 積み棒は放銃者が負担 [10]
01/オンライン麻雀/PC/98闘牌王 大三元・大四喜に対して適用 [11]
01/オンライン麻雀/PC/10雀龍門M 大三元・大四喜に対して適用 [12]
02/オンライン麻雀/アーケード/01麻雀格闘倶楽部 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 三人打ち・四人打ちともに包則あり。
重複役満については、アガリの点数全てに対して責任払いが発生(下記※参照)。
[13]
02/オンライン麻雀/アーケード/02セガNET麻雀 MJ Arcade 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 三人打ち・四人打ちともに包則あり。
MJ4EVO以前は四連刻に対しても適用。
[14]
[15]
03/プロ/01麻将連合 大三元・大四喜に対して適用 [16]
[17]
03/プロ/02日本プロ麻雀協会 包は無し [18]
03/プロ/03最高位戦日本プロ麻雀協会 包は無し [19]
[20]
03/プロ/04日本プロ麻雀連盟 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 積み棒は放銃者が負担。
ただし、公式ルールでダブル役満の場合、積み棒はツモ和了においては他の3人が、ロン和了においては包になった者が支払う。
[21]
03/プロ/05101競技連盟 包は無し [22]
03/プロ/06RMU 包は無し [23]
03/プロ/07モンド21麻雀プロリーグ 大三元・大四喜に対して適用 [24]
03/プロ/08Mリーグ 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 積み棒は包になった者が負担。 [25]
04/アマ/02全国麻雀段位審査会 大三元・大四喜・字一色・清老頭・緑一色に対して適用 大四喜・字一色・清老頭に関しては4種類目をポンさせた時、および、緑一色に関しては4メンツ目を副露させた時に適用される。 [26]
04/アマ/03THEわれめDEポン 不明(ルールページに言及なし) [27]
05/市販ルールブック/01『平成版 新報知ルール』 大三元・大四喜に対して適用 year/1997/監修:井出洋介、1997年。 [1]
05/市販ルールブック/02『ヒサト流 リーチに強くなる麻雀入門』 大三元・大四喜に対して適用 year/2012/著者:佐々木寿人、2012年。 [28]
01/オンライン麻雀/PC/00雀ナビ四人麻雀オンライン 大三元・大四喜・四槓子に対して適用 段位戦では採用してないが、チャット対局と呼ばれるルール設定ロビーで設定可能 [29]
補記
  • ※:「麻雀格闘倶楽部」では、包の対象役に別の役満(字一色・八連荘)が複合した場合に、和了の点数全額が責任払いの対象となる(上記例の大四喜・字一色の三倍役満の場合、ツモ時は144000点全額払い、他家からロンした場合は72000点ずつの折半)。また、「大三元・四槓子」の二倍役満については、大三元の包が発生した後に四槓子の包が発生することが起こりうるが、その場合は包則は大三元を確定させた者のみに適用される。

大明槓の包

大明槓によって嶺上開花が成立した時、大明槓をさせた者の責任払いとするルールがある。「大明槓の責任払い」とも言う。

  • 現在はほぼ採用されておらず、「咲-Saki-」や「アカギ 〜闇に降り立った天才〜」などフィクションにおいて見られることがある。
  • 競技麻雀では日本プロ麻雀連盟が採用していたが、2023年のルール改正をもって廃止された。同団体が運営している「龍龍」においても同様に2023年に廃止となった。
  • 麻雀一番街」では採用されている。

大明槓の包の具体例

(例)東1局0本場 / 25000点持ち / 子 / 10巡目 / ドラは無関係の風牌

     
この状況から場に切られたを大明槓し、
   嶺上         
嶺上牌からを引いてツモ和了した。
このような和了が発生した時、通常のルールでは、この手は役牌+混一+嶺上開花(50符、嶺上開花のツモ符を認めない場合は40符)で満貫として扱われる。これがツモあがりになるのか「槓させた者の放銃」として扱うのかはルールによる。「槓させた者の放銃」ルールの場合、發を槓させた者が満貫分を一人で支払わなければならない。

フリテンの状態から大明槓して嶺上で和了した場合

大明槓の包を採用する場合は、本来フリテンが適用されるはずの牌による和了であっても結果的に「振り込み」が成立する可能性が生じる。例えば以下のようなケースである。

(例)南3局0本場 / 11000点持ち / 親 / 10巡目 / ドラ表示牌

     
捨牌
待ちはの4面張だが、序盤に捨てたがフリテンになっている。ここにドラのを切られたが、フリテンのためロンできず、かわりにこれを大明槓して(ちなみにこの瞬間実質待ちとなる。の槓によって待ちが消え、理論上の待ちであるも槓で4枚使われるため)、
   嶺上         
嶺上からを引いてフリテンの聴牌をツモ和了した。和了役は役牌+混一+嶺上開花+ドラ4で計8飜の倍満。
このような和了が発生した時、大明槓の包がアリのルールで、且つ、大明槓の嶺上和了にフリテンを問わないルールの場合、を捨てて大明槓された相手は、(フリテンので直接ロンされたわけではないが)倍満分を一人で支払わなければならない。このようなケースはレアケースではあるが、実際に起こる可能性はある。

大明槓のあと暗槓ないし加槓を経て嶺上で和了した場合

上の例と同じくレアケースではあるが、大明槓のあと暗槓や加槓を挟んで嶺上開花となる可能性もある。その際「大明槓の包」を適用すべきか否かについては事前に確認しておく必要があるが、麻雀劇画『白 HAKU』には主人公が四槓子を和了する次のようなシーンがあり[30]、そこでは大明槓のあとに暗槓を挟んだ嶺上ツモに対して包が適用されている。

         
この状況から場に切られたを大明槓し[31]
             
嶺上       
嶺上で引いたをさらに暗槓して[32]
                 
嶺上       
暗槓の嶺上でをツモ、四槓子を和了[33]
このシーンでは、それまでのシークエンスに事前の細目確認はなかったものの、大明槓の包が成立することを相手(=五索を槓された打ち手)が認め[34]、主人公の四槓子(すなわち相手からの役満直撃)が成立している[注 2]

注釈

  1. ^ 以下は、4副露して役満が確定していない牌姿の例。
    •          - 役牌・混一色・混老頭・対々和の聴牌だが、字一色は確定していない。
    •          - 役牌・混一色・赤ドラの聴牌だが、緑一色は確定していない。
    いずれのケースも上家はガードが甘すぎるが、このあと単騎待ちが手変わりして役満になったとしても、上家に包が適用されることはない。
  2. ^ 一連のシーンにおいて、相手キャラクター(弟子丸)は、3つ目の槓子となるを大明槓されたに過ぎず、4つ目の槓子を成立させる牌を切っていない。したがってここで適用されているのは「四槓子の包」ではなく「大明槓の包」である。

出典

  1. ^ a b 井出洋介監修『平成版 麻雀新報知ルール』報知新聞社1997年ISBN 9784831901187、p90。
  2. ^ 東風荘HP/麻雀ルール - 2010年12月03日閲覧。
  3. ^ 雀賢荘/麻雀ルール - 2011年01月25日閲覧。
  4. ^ 東南荘/RULE - 2011年01月16日閲覧。
  5. ^ ハンゲーム/麻雀4/遊び方/包(パオ)について - 2010年12月03日閲覧。
  6. ^ ハンゲーム/三人麻雀/遊び方 - 2010年12月03日閲覧。
  7. ^ Maru-Jan. “ルール”. 2012年6月26日閲覧。
  8. ^ 天鳳/マニュアル - 2011年01月04日閲覧。
  9. ^ 雀魂 (2021年6月15日). “段位戦ルール説明”. 『雀魂 -じゃんたま-』公式サイト. 株式会社Yostar. 2023年2月6日閲覧。
  10. ^ ルール|龍龍 - 2023年06月15日閲覧。
  11. ^ 闘牌王/ルール - 2011年01月16日閲覧。
  12. ^ 雀龍門M. “四人打ち採用ルール役”. 2024年2月1日閲覧。雀龍門M. “三人打ち採用ルール役”. 2024年2月1日閲覧。
  13. ^ 麻雀格闘倶楽部 Extreme/対局ルール - 2024年03月30日閲覧。
  14. ^ セガNET麻雀 MJ Arcade 公式サイト/四人打ち|麻雀ルール - 2024年03月30日閲覧。
  15. ^ セガNET麻雀 MJ Arcade 公式サイト/三人打ち|麻雀ルール - 2024年03月30日閲覧。
  16. ^ 麻将連合. “道場ルール”. 2012年6月24日閲覧。
  17. ^ 麻将連合. “健康麻将全国オープン戦ルール”. 2012年6月24日閲覧。
  18. ^ 日本プロ麻雀協会 競技規定 - 2023年06月14日閲覧
  19. ^ 最高位戦日本プロ麻雀協会/ルール概要 - 2022年07月23日閲覧。
  20. ^ 最高位戦日本プロ麻雀協会 (2023年1月4日改定). “最高位戦日本プロ麻雀協会競技規定”. 2023年6月11日閲覧。(pdf版)第八章に包の規定
  21. ^ 日本プロ麻雀連盟競技ルール - 2023年06月11日閲覧。
  22. ^ 101競技連盟. “101競技規定”. 2012年6月24日閲覧。
  23. ^ RMU. “ルール”. 2022年7月23日閲覧。
  24. ^ モンドTV 麻雀プロリーグ公式ルール - 2011年01月13日閲覧。
  25. ^ Mリーグとは - 2022年07月23日閲覧。
  26. ^ 全国麻雀段位審査会. “競技規定”. 2012年6月26日閲覧。
  27. ^ フジテレビ/THEわれめDEポン ルール - 2010年12月03日閲覧。
  28. ^ 佐々木寿人『ヒサト流 リーチに強くなる麻雀入門』成美堂出版、2012年。ISBN 9784415312231 p115。
  29. ^ 雀ナビ四人麻雀オンライン/遊び方 - 2015年1月09日閲覧。
  30. ^ 渋沢さつき白 HAKU』第18話、単行本第2巻p199-p222、ISBN 9784884756192竹書房、初版発行1993年1月9日(第7刷1997年1月11日
  31. ^ 渋沢さつき『白 HAKU』第18話、単行本第2巻p214(1コマ目-2コマ目)
  32. ^ 渋沢さつき『白 HAKU』第18話、単行本第2巻p214(4コマ目-6コマ目)
  33. ^ 渋沢さつき『白 HAKU』第18話、単行本第2巻p215-p216。
  34. ^ 渋沢さつき『白 HAKU』第18話、単行本第2巻p217(3コマ目-4コマ目)


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