責任投手とは? わかりやすく解説

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責任投手

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/04/11 11:53 UTC 版)

責任投手(せきにんとうしゅ)とは、勝利投手敗戦投手、及びセーブを記録した救援投手[要出典]の3投手を指す。狭義の責任投手として、セーブを記録した救援投手を含めない事も有る。また、引分の記録がつく投手も含めることもある[要出典]

責任投手の決定は、公式記録員によってなされる。

目次

概要

責任投手は、投手の成績に関する基本的な考え方である[要出典]

野球は、なるべく失点を低く抑えてアウトを27個奪い取る競技である。0対0のタイの状態から試合開始され、無失点の状態を維持しながら27個のアウトを取っていく過程で相手チームより失点を低く抑える事でリードを投手は作る。27個目のアウトを取った時点で自チームの失点が相手チームより低ければ、試合終了で自チームの勝利が確定する。

最終的に決着がついたとき、両チームの失点には決勝点と呼ばれる失点が必ず有る。決勝点とは、タイの状態からリードを奪い、試合終了までリードが保たれるきっかけとなる得点である。従って、自チームが勝つための必要十分条件は、自チームが決勝点を得た回の直前の回の第3アウトを取る事である。この回に任務していた投手には勝利が記録される。逆に、決勝点を許した投手には敗北が記録される。一方、リードしている場面で27個目のアウトを取った救援投手には一定の条件のもとでセーブが記録される。

事例

責任投手の決定の事例を9つ示す。下の9つの得点表の太数字で書かれたイニングは、決勝イニングを指す。

事例1

投手 hA hA hA hA hA hA hA hB hC
ビジター 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2
イニング 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ホーム 0 3 0 0 0 0 0 0 x 3
投手 vA vA vA vA vB vB vB vB ・・

ビジティングチーム先発投手vAは、4投球回3失点で降板。ビジティングチーム2番手投手vBは、0失点で残りの4投球回を投球。一方、ホームチーム先発投手hAは、7回0失点で降板。ホームチーム2番手投手はhBは、1回0失点で降板。ホームチームの3番手投手はhCは、2失点で残り1投球回を投球。

勝利 敗北 セーブ
hA vA hC

事例2

投手 hA hA hA hA hA hA hA hA hB
ビジター 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
イニング 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ホーム 1 0 0 0 0 0 0 0 1x 2
投手 vA vA vA vA vA vA vA vA vA

ビジティングチーム先発投手vAは、1回に1失点したものの、それ以降8回まで0失点。一方、ホームチーム先発投手hAは、8投球回0失点で1点リードした状態で降板。ホームチームの2番手投手はhBは、9回表に1失点し、タイに追い付かれる。9回裏にvAは1失点し、サヨナラゲームとなる。

勝利 敗北 セーブ
hB vA 該当無し

事例3

投手 hA hB hC hD hE hF hG hH hI
ビジター 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1
イニング 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ホーム 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
投手 vA vB vC vD vE vF vG vH vI

ビジティングチームもホームチームも1投球回に1投手が登板し交代する。4回表にホームチーム4番手投手hDが1失点し、それ以外に失点は無い。

勝利 敗北 セーブ
vC hD vI

事例4

投手 hA hB hC hD hE hF hG hH hH
ビジター 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
イニング 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ホーム 1 0 0 0 0 0 0 0 x 1
投手 vA vB vC vD vE vF vG vH ・・

ホームチームの8番手投手hHのみ2投球回を投球。それ以外の登板投手は全員1投球回で降板。1回裏にビジティングチーム先発投手vAが1失点し、それ以外に失点は無い。

勝利 敗北 セーブ
hH vA 該当無し

決勝点を先取した投手は、hAである。しかし、先発投手であるhAの投球回数が5未満である。従って、hA以外の登板投手の中で、最も価値有る投球をしたと公式記録員が判断した投手に勝利が記録される。今回の場合、最も投球回数の多いhHの投球に価値が有ると考えられる。

事例5

投手 hA hA hA hA hB
ビジター 0 0 0 0 0 0
イニング 1 2 3 4 5 降雨コールド R
ホーム 1 0 0 0 x 1
投手 vA vA vA vA ・・

ビジティングチーム先発投手vAは、1回に1失点し、それ以降0失点。一方、ホームチーム先発投手hAは、4投球回0失点で1点リードした状態で降板。ホームチームの2番手投手はhBは、5回表に登板し0失点。5回裏に強く雨が降り、コールドゲームとなる。

勝利 敗北 セーブ
hA vA hB

hAの投球回数は、5投球回未満である。しかし、5イニングで正式試合となった為、4投球回で勝利の資格を満たす。hBにはセーブが記録される。

事例6

投手 hA hA hA hA hA hA hA hA hA
ビジター 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
イニング 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ホーム 0 0 0 0 0 0 0 0 2x 2
投手 vA vA vA vA vA vA vA vA vA/vB/vC/vD

9回表終了まで投手交代無し、両チーム0失点。9回裏0対0。 vA:失策により出塁を許す。走者一塁無死で投手交代。 vB:失策により出塁・進塁を許す。走者二塁一塁無死で投手交代。 vC:三塁ゴロ、5→4併殺打。走者一塁二死で投手交代。 vD:2点披本塁打。2対0でサヨナラ。

勝利 敗北 セーブ
hA vA 該当無し

9回裏、1失点サヨナラの場面。3番目の打者を出塁させた投手はvCである。しかし、vCは打者を三塁ゴロに打ち取って前位走者を封殺している。従って、3番目の打者の出塁の責任は、その回の最初に出塁を許したvAに課せられる。3番目の打者の得点が決勝点となる為、vAに敗北が記録される。

事例7

投手 hA hA hA hA hA hB hB hB hB
ビジター 1 0 0 0 0 10 10 10 10 41
イニング 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ホーム 0 0 0 0 0 10 10 10 10 40
投手 vA vA vA vA vA vB vB vB vB
勝利 敗北 セーブ
vA hA vB

決勝点は1回表の1点、vAの投球回数は5以上である。従って、vAに勝利が記録される。また、決勝点を許したhAに敗北が記録される。 11リードの場面ではあるが、vBの投球回数は3以上で、尚且つ最後までリードを守り抜いた事になる。従って、vBにセーブが記録される。

事例8

投手 hA hA hA hA hA hB hB hC hC
ビジター 0 0 0 0 10 0 0 0 0 10
イニング 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ホーム 0 0 0 0 11 0 3 0 x 14
投手 vA vA vA vA vA vB vB vB ・・

ホームチーム先発投手hAは、10失点で5投球回を終える。5回裏、hAの打順で代打が送られ、hAの降板が決まる。その回、ビジティングチームの先発投手vAは、11失点して降板する。その後7回裏に、ビジティングチーム2番手投手は3点の追加点を許す。

勝利 敗北 セーブ
hA vA 該当無し

事例9

投手 hA hA hA hA hA hB hB hB hB/hC
ビジター 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
イニング 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R
ホーム 5 0 0 0 0 0 0 0 x 5
投手 vA vA vA vA vA vA vA vA ・・

ビジティングチーム先発投手のvAは、1回に5失点し、その後7投球回を0失点である。一方、ホームチーム先発投手のhAは、5投球回を0失点で降板。ホームチーム2番手投手hBは、3+2/3投球回を0失点。残りアウト1つで3連続四球で満塁とし、hBが降板。ホームチーム3番手投手hCが最後の27個目のアウトを試合終了

勝利 敗北 セーブ
hA vA hC



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