被甲目 人間との関係

被甲目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 21:30 UTC 版)

人間との関係

もともとは南アメリカ大陸の生物であると思われるが、最近では北アメリカ大陸でも見かけるようになりアメリカ合衆国南部では一般的に見かけられるようになってきている。また、ペットとして飼育される事例も多く、意外と人になつく生き物でもある。一方、穴を掘るという性質から、農地や庭を荒らす害獣と認識され、駆除の対象ともなる。前述の通り野生では地下に穴を掘って巣を作り、その中で寝ているが、飼育下では無防備にあお向けになって寝る。

南米では、アルマジロの肉を食用としているほか、甲羅はチャランゴなどの楽器の材料に使われている。アンデス地方先住民族であるケチュア族の言葉ではケナガアルマジロを「キルキンチョ(quirquincho / kirkincho)」もしくは「キルキンチュ(quirquinchu / kirkinchu)」と呼び、ボリビアペルーではこの名前で呼ばれることが多い。フォルクローレの里として有名なボリビアのオルロでは、自分たちのことを「キルキンチョ」と自称するほど親しまれた動物である。

オルロやラパスなどのアンデス地方の都市でカルナバル(カーニバル)の際によく踊られる「モレナダ」と呼ばれる踊りでは、手にアルマジロの胴体で作ったリズム楽器を持つことがあり、この楽器は「マトラカ(matraca)」と呼ばれる。中に鉄板をはめ込んだアルマジロの胴体に棒をつけ、棒を持って振り回すと鉄板がガリガリと音を出すようになっている。近年のカルナバルでは、本物のアルマジロを使う代わりに、同様のものを木などで作ることの方が多い。[要出典]踊り手たちが所属するグループを示すものの形をしたマトラカ(運送業者のグループならばトラック型のマトラカなど)を持って踊ることもある。

アルマジロは人間以外の自然動物で唯一ハンセン病に感染、発症する動物であるため、ハンセン病の研究に用いられてきた。

アルマジロはテキサス州州の動物である。

テネシー州では野生のアルマジロが増えすぎてしまい、狩猟免許を持っていれば狩猟して食肉として食べて良いことになっている。

中国では犰狳とよばれ、「犰」という文字は狐や狸と同じ特定の動物一種だけを表す漢字であり、一文字だけでアルマジロを意味して山海経の東山経二経に妖怪として載っている。

日本でも個人でペットとして飼育することが可能である。特に法令による規制は受けていないので、許可や登録などの義務は無い。ツチノコの正体という説がある。


  1. ^ a b Alfred L. Gardner, "Order Cingulata," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Volume 1, Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 94 - 99.
  2. ^ a b 川田伸一郎他 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1 - 53頁。
  3. ^ 平凡社 編「アルマジロ(犰狳・帯獣)」『大辞典』 第一(復刻)、平凡社、1994年、629頁。 
  4. ^ a b Christopher R. Dickman「貧歯目総論」「アルマジロ」伊繹紘生訳、D.W.マクドナルド編・今泉吉典監修『動物大百科 6 有袋類ほか』平凡社、1986年、42-43, 52-55頁。
  5. ^ さすがアルマジロ 拳銃で撃った男性、弾跳ね返って負傷[リンク切れ]
  6. ^ アルマジロが銃弾を跳ね返し、女性が負傷―警察「ショットガンを使え」[リンク切れ]
  7. ^ アルマジロの鎧は硬いぞ!! ある男性が「アルマジロを銃で撃ったら弾が跳ね返って義母に命中」しちゃった[出典無効]
  8. ^ アルマジロを銃撃し銃弾が跳ね返る珍事 91m先の義母に直撃[出典無効]
  9. ^ a b Gillian C. Gibb et all., "Shotgun Mitogenomics Provides a Reference Phylogenetic Framework and Timescale for Living Xenarthrans," Molecular Biology and Evolution, Volume 33, Issue 3, 2016, Pages 621 - 642.
  10. ^ a b 冨田幸光、伊藤丙雄、岡本泰子『新版 絶滅哺乳類図鑑』丸善出版、2011年1月30日、225-237頁。ISBN 978-4-621-08290-4 
  11. ^ Gibb, Gillian C.; Condamine, Fabien L.; Kuch, Melanie; Enk, Jacob; Moraes-Barros, Nadia; Superina, Mariella; Poinar, Hendrik N.; Delsuc, Frédéric (2016-3). “Shotgun Mitogenomics Provides a Reference Phylogenetic Framework and Timescale for Living Xenarthrans”. Molecular Biology and Evolution 33 (3): 621–642. doi:10.1093/molbev/msv250. ISSN 0737-4038. PMC 4760074. PMID 26556496. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4760074/. 


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