藤枝焼津間軌道会社 その他

藤枝焼津間軌道会社

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/01 03:03 UTC 版)

その他

『焼津市史 資料編 4 近現代』108頁に収録された、『静岡大務新聞』明治19年5月19日付によれば、討論会において片岡総八郎(という人物)が、東海道鉄道は海岸側ではなく県の産物である茶の運搬に有利な各宿駅の側に通すべし、との説に賛成したとある。また『岳陽名士伝』に小川村の片岡総八郎の記事があるが、明治24年の出版ということもあってか軌道会社の記述はない。

他に片岡総八郎という名は、静岡浅間神社の境内(麻機街道沿い。静岡市文化財資料館の裏手)にある「阪本藤吉製茶之碑」の裏面に刻まれた発起人の名の中に見られる。

地元の有志によりほぼ実物大相当の人車「レプリカ」等が作成されているが、昭和30年頃まで1輛が残されていたとされる、当軌道で使われていた人車については写真や図などは発見されておらず、講演等の際に参考資料として、後年の豆相人車鉄道などの車輛をもとに想像で示されていたものなどから想像で作成されたものと思われる。

脚注

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参考文献

  • 美濃功二「本邦最初の人車軌道に就いて」『鉄道史料』第82号、鉄道史資料保存会、1996年、 40-43頁。(なお現在確認されている最古の人車軌道については木道社を参照のこと)
  • 森信勝『静岡県鉄道興亡史』静岡新聞社、1997年。
  • 高山拡志「豆相人車鉄道・熱海鉄道の成立と展開過程」『鉄道史料』第109号、鉄道史資料保存会、2004年、 1-42頁。
  • 今尾恵介(監修)『日本鉄道旅行地図帳』7 東海、新潮社、2008年。ISBN 978-4-10-790025-8
  • 藤枝焼津間人車軌道報告書 (PDF)”. 焼津商工会議所. pp. 1-18,44-45 (2012年1月10日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月27日閲覧。(主として、商工会開催の森氏講演会の講演録である)

関連項目


  1. ^ 森 (1997) 51頁
  2. ^ 『静岡大務新聞』明治24年7月25日付には「小川(ルビ: おがわ)総八郎」とあり(森 (1997) 50頁)委細不明であったが焼津市史編纂において『志田地区人物誌』『小川町誌』に片岡総八郎なる者が「トロツコ道」「人車木道」を敷設し便を図ったとあり他の記述も内務省史料等と一致することが発見された。私財を投じた、ともある。
  3. ^ この「木道」という言葉について、森 (1997) 55頁においては、の木のような堅い木製のレールが使われていたのだろうと推測している。また、strap-iron rail (あるいは単に strap rail) という、木に鉄を付けたレールが鉄道の初期には使われている。
  4. ^ 『静岡大務新聞』明治24年7月25日付
  5. ^ 美濃 (1996)
  6. ^ 高山 (2004) 1頁
  7. ^ 高山 (2004) 1頁によれば、『静岡民友新聞』明治31年1月16日付に「焼津藤枝間軌道運転広告」と題する広告が「焼津藤枝間軌道担理者川守亀吉」の名前で出されており、それまで休業中であった同軌道の運転を1月17日から開始する旨告知されていることから、川守亀吉への譲渡後、廃止されるまでの間に営業を一時休止していた時期もあったことが確認できる。
  8. ^ 『静岡大務新聞』明治24年7月25日付
  9. ^ 同書刊行後の2015年4月に静岡県道381号島田岡部線となっている。
  10. ^ 国土地理院地図・空中写真閲覧サービスの、1946年3月26日に米軍の空撮した空中写真で現状の前の状態が確認できる。
  11. ^ 森 (1997) 54頁
  12. ^ この「」は茶箱(茶道でいう「茶櫃」ではなく、茶農家からの出荷などに使うもの)を数える助数詞。大務新聞の記事には17とあり、茶葉16貫(60kg)入りのそれ。
  13. ^ 森 (1997) 48頁
  14. ^ 森 (1997) 50頁
  15. ^ 森 (1997) 52頁
  16. ^ 今尾 (2008) 32頁
  17. ^ 日本鉄道旅行地図帳 追加・訂補 7号 東海” - 鉄道フォーラム、2020年7月25日閲覧。


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