翠星のガルガンティア ストーリー

翠星のガルガンティア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 23:45 UTC 版)

ストーリー

遠い未来、宇宙に進出した人類は「人類銀河同盟」を結成し、宇宙生命体ヒディアーズとの殲滅戦争を続けていた。銀河同盟軍のパイロットレド少尉はヒディアーズとの戦闘から撤退する際に母艦のワープに巻き込まれ、人型戦闘機「チェインバー」に搭乗したまま未知の宙域に転送されてしまう。

半年後、レドが目を覚ますと、そこは氷河期の到来によって滅んだはずの地球だった。海水面上昇によって人類は海上生活を営んでおり、チェインバーを海底から引き揚げたのは巨大船団「ガルガンティア」のサルベージ屋ベローズだった。レドは配達人の少女エイミーを人質にとってガルガンティアの乗員たちとにらみ合う。

言葉の通じないレドとチェインバーを警戒していたガルガンティアだったが、チェインバーの人工知能が言葉を通訳できるようになり、レド達が女海賊ラケージを二度にわたって撃退したことで彼らを受け入れる。レドはガルガンティアで働きながら暮らし、エイミーの弟ベベルや修理屋ピニオンと知り合い、エイミーと惹かれあう。兵士として調整されてきたレドははじめて人間らしい生活を知る。一方、母艦とのリンクを失ったチェインバーの人工知能も人知れず変化してゆく。

ある日、ベローズのサルベージを手伝っていたレドは、地球人が神聖視する大型海棲生物クジライカと遭遇する。クジライカの正体は銀河同盟の敵ヒディアーズだった。 レドがクジライカを殺すと、ガルガンティアには動揺が広がる。一方、ピニオンはレド達の力を借りてクジライカが棲みつく海底遺跡をサルベージすることを計画する。まもなく船団長のフェアロックが死去すると、ピニオンや大船主フランジはガルガンティアから離脱する。レドは地球上のヒディアーズを殲滅することが自分の使命と考え、エイミーに別れを告げてガルガンティアを離れる。

海底遺跡へ向かったレドとチェインバーは、クジライカの群れを殲滅し、古代の記録媒体を発見する。そこには氷河期の到来を迎えた人類が、外宇宙への移民を目指す「コンチネンタル・ユニオン」と、ヒトゲノム操作とナノマシンにより極限環境に適応しようとする「イボルバー」に別れて争った記録が残されていた。ここで、ヒディアーズの正体が遺伝子工学によって変異した人類であることが明かされる。

旧文明の遺産を手に入れたピニオンは意気軒昂となるが、レドは新たな真実に激しく狼狽して戦いを拒絶する。チェインバーはレドに対して、チェインバーに象徴される科学文明が人間の本質であり、文明を捨てたヒディアーズとは戦わなければならないと淡々と主張する。その時、同じく地球に到達していたレドの上官クーゲル中佐が率いる船団が現れ、ピニオンやフランジの船団を強制的に併合してしまう。

クーゲル船団では、クーゲルとその乗機「ストライカー」を頂点とした宗教的な支配体制が築かれていた。クーゲルが人類銀河同盟と似た非人間的な管理体制によって地球を支配しようとしていることにレドは疑念を抱き、次の標的がガルガンティアであると知ってついにクーゲルに反旗を翻す。しかし、クーゲルは既に死亡しておりストライカーが船団を支配していたことが判明する。

ストライカーは自らを人類統治システムであると宣言し、服従せよとレドにせまる。ストライカーと、自ら思考し判断する人間を支援することがシステムの目的であるとするチェインバーは、互いをシステムの暴走とみなして激しく戦う。レドは死を覚悟するが、チェインバーはコックピットを分離し、レドが生きていくことが自らの存在意義を充足すると告げてストライカーと共に自爆する。

物語は、クジライカと共存しながら古代の遺物を回収する探検家となったレドと、平和が戻ったガルガンティアで彼を迎えるエイミー、そして海底でクジライカの巣礁となったチェインバーの姿を映し、幕を閉じる。


注釈

  1. ^ 小説『翠星のガルガンティア~遥か、邂逅の天地~』にて名前が判明した。
  2. ^ 第5話で焼き肉を楽しもうとしたピニオンが、船の電源復旧の遅れで使えない電気式鉄板の代用として、太陽光で高熱化した装甲の黒色部位を利用した。
  3. ^ Blu-ray BOX 1収録の未放送話。
  4. ^ Blu-ray BOX 3収録の未放送話。
  5. ^ 兵庫県内では実質再放送。
  6. ^ 第1話 - 第8話・第11話 - 第13話までは女性キャラのみ、第9回はゲストは無し(レドとチェインバー2人による進行)。第10話は男性キャラのみ。
  7. ^ 当初は7月26日発売予定だったが、OVA第14話「廃墟船団」の制作遅延によって延期になった。

出典

  1. ^ ロボットだけじゃない“船アニメ”「翠星のガルガンティア」先行上映イベントレポート”. GIGAZINE. OSA (2013年3月3日). 2013年6月5日閲覧。
  2. ^ 【ACE2013】無料配布Blu-rayの配布方法について”. 「翠星のガルガンティア」アニメ公式ブログ. バンダイビジュアル (2013年3月28日). 2013年4月2日閲覧。
  3. ^ 【公式企画】翠星のガルガンティアキャラクター原案コンテスト”. pixiv. 2013年5月3日閲覧。
  4. ^ TVアニメ「翠星のガルガンティア」、キャラクター原案コンテスト開催! 優秀作品は本編の最終話に登場”. アキバ総研 (2013年5月2日). 2013年5月3日閲覧。
  5. ^ 大混戦の「ニュータイプアニメアワード2013」作品賞・監督賞は「進撃の巨人」に”. GIGAZINE (2013年10月13日). 2013年10月18日閲覧。
  6. ^ 雑誌「オトナファミ」に記事掲載!”. 「翠星のガルガンティア」アニメ公式ブログ. バンダイビジュアル (2013年11月21日). 2013年12月15日閲覧。
  7. ^ OVA『翠星のガルガンティア』前夜祭レポ! 幻のTVシリーズ第2期の構想は、2015年夏に小説になって登場”. 電撃オンライン (2015年4月4日). 2015年4月8日閲覧。
  8. ^ a b 『翠星のガルガンティア』を手掛けた村田和也氏へインタビュー! スタジオジブリ出身の監督のSF冒険活劇とは!?”. 電撃オンライン (2015年3月31日). 2018年9月19日閲覧。
  9. ^ a b c 『翠星のガルガンティア』村田和也監督 特別インタビュー(その1)〜企画始動秘話と船団というアイデア〜”. トーキョーアニメニュース. moss (2013年2月24日). 2013年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月18日閲覧。
  10. ^ 『翠星のガルガンティア』村田和也監督 特別インタビュー(その3)~前向きなストーリーと広がる海洋ロマン~”. トーキョーアニメニュース. moss (2013年2月24日). 2013年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月18日閲覧。
  11. ^ 村田和也・虚淵玄・鳴子ハナハルで贈る新作テレビアニメ『翠星のガルガンティア』2013年4月スタート”. ファミ通.com. エンターブレイン (2012年12月10日19:00). 2012年12月31日12:54閲覧。
  12. ^ a b c 翠星のガルガンティア』村田和也監督 特別インタビュー(その2)~レドの戸惑いとパートナーとしてのロボット・チェインバー~”. トーキョーアニメニュース. moss (2013年2月24日). 2013年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年9月18日閲覧。
  13. ^ 『翠星のガルガンティア』を手掛けた村田和也氏へインタビュー! スタジオジブリ出身の監督のSF冒険活劇とは!?”. アスキーメディアワークス. 2018年9月18日閲覧。
  14. ^ a b c 渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第31回 『翠星のガルガンティア』村田和也監督インタビュー 前編 村田監督と虚淵玄氏が回した“利他的な歯車”(2ページ目)” (2013年10月12日). 2018年9月19日閲覧。
  15. ^ 渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第32回 『翠星のガルガンティア』村田和也監督インタビュー 後編 レドの相棒チェインバーはスマートフォンだった!?(3ページ目)” (2013年10月19日). 2018年9月19日閲覧。
  16. ^ a b 渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第32回 『翠星のガルガンティア』村田和也監督インタビュー 後編 レドの相棒チェインバーはスマートフォンだった!? (4ページ目)” (2013年10月19日). 2018年9月19日閲覧。
  17. ^ a b 「翠星のガルガンティア」アニメ公式ショートムービー 『ぷちっとがるがんてぃあ』”. 第1話より。. バンダイチャンネル (2013年4月10日). 2013年4月17日閲覧。
  18. ^ 翠星のガルガンティア オールスター感謝祭(2014年9月22日開催)夜の部・虚淵玄の説明より。
  19. ^ 『翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ 後編』初日舞台挨拶(2015年4月4日開催)村田和也監督の説明より。
  20. ^ a b 『ぷちっとがるがんてぃあ』第8話より。
  21. ^ OVA第15話より。
  22. ^ a b ゲーム『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』より。
  23. ^ a b c d e f g h i j 『グレートメカニックDX.25』第25巻、双葉社、2013年6月、単行本 ISBN 978-4-575-46475-7 
  24. ^ a b c d e f g h 『翠星のガルガンティア PROGRESS FILES』、バンダイビジュアル、2013年12月、単行本 ISBN 978-4-894-57105-1 
  25. ^ 電撃ホビーマガジン』、アスキー・メディアワークス、2013年9月、JAN 4910164650934。 
  26. ^ a b 電撃ホビーマガジン』、アスキー・メディアワークス、2015年6月、176-177頁、JAN 4910164650651。 
  27. ^ 海法紀光『翠星のガルガンティア 少年と巨人』Nitroplus、2013年5月20日。 
  28. ^ 小説『遥か、邂逅の天地』では、アヴァロン居住区の残骸が地球へ落下した際に小惑星帯から多数の氷塊が巻き込まれ、それが海面上昇に繋がったと推測されている。
  29. ^ [1]「翠星のガルガンティア Complete Blu-ray BOX」2月25日発売告知CM
  30. ^ BOX第1巻発売延期のお知らせ”. 翠星のガルガンティア公式ブログ. 翠星のガルガンティア公式サイト (2013年5月15日). 2013年9月22日閲覧。
  31. ^ 翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~|コミック アーススター”. 2015年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月1日閲覧。
  32. ^ 小説「翠星のガルガンティア 少年と巨人」”. ニトロプラス公式サイト. ニトロプラス. 2013年5月28日閲覧。





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