男はつらいよ 寅次郎の縁談
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 13:57 UTC 版)
キャスト
- 車寅次郎:渥美清
- 諏訪さくら:倍賞千恵子
- 諏訪満男:吉岡秀隆
- 車竜造(おいちゃん):下絛正巳
- 車つね(おばちゃん):三崎千恵子
- 諏訪博:前田吟
- 社長(桂梅太郎):太宰久雄
- 源公:佐藤蛾次郎
- ポンシュウ:関敬六
- 花嫁の父:すまけい
- 駐在:笹野高史 - 琴島の人。
- 和尚:桜井センリ - 琴島の人。
- 千代子:松金よね子 - 琴島の人。
- 連絡船係・誠:神戸浩 - 琴島の人。
- 医師:小形雄二 - 琴島診療所の先生。
- 車掌:関時男 - 寝台特急瀬戸号 高松行の車掌。
- 瀬戸号の客:人見明 - 寝台特急瀬戸号 高松行で満男に文句を言う客。
- 印刷工・中村:笠井一彦
- ゆかり:マキノ佐代子
- くるま屋の店員・三平:北山雅康
- 吉田:古本新之輔 - 満男の友人
- 田辺:白鳥勇人 - 満男の友人
- いとう可奈子
- 花嫁の母:川井みどり
- くるま屋の女子店員・木村佳代:鈴木美恵
- 上田亜矢[5]:城山美佳子 - 琴島診療所の看護婦。
- 坪内冬子:光本幸子 - 御前様の娘。久しぶりの里帰り。
- 田宮善右衛門:島田正吾 - 琴島に住む葉子の父。タンゴを好む。
- 坂出葉子:松坂慶子 - 元神戸の料亭の女将。父田宮善右衛門の住む琴島で療養中。
- 備後屋:露木幸次(ノンクレジット)
- 琴島のおばあちゃん:谷よしの(ノンクレジット)
- 浜崎伝助:西田敏行(友情出演)※詳細は#エピソードを参照。(ノンクレジット)
エピソード
- 劇中、「釣りバカ日誌」の主人公・浜崎伝助と思しき釣り道具を持った男(演じているのはもちろん西田敏行)がくるまやの前の通りを横切り、すれ違いざまに店の面々と二言三言会話を交わして去っていくシーンがあり、おばちゃんとおいちゃんは雨の日にもかかわらず釣りをしている様子を見て呆れていた[注 5]。松竹制作の2大人気シリーズ間での「スターシステム」という発想を取り入れた珍しい演出である。
- 御前様役でレギュラー出演していた笠智衆は、前作公開直後に亡くなっているため、キャストロールからも名前が消え、当然出演もしていない。さくらが源公に「御前様元気?」「身延山へ行ってます」というシーンや御前様の娘・冬子役で「第1作」で出演していた光本幸子が第7作『奮闘編』以来久々に出演し、さくらが冬子に「御前様お元気?」と話すと「元気よ」と言う場面や、劇中最終盤に「御前様いかが?」「元気よ。今朝も寅ちゃんのお噂していたの。遊びにきてやってちょうだい」などと御前様は健在である設定になっている。
- 『寅次郎心の旅路』以来、寅次郎が久しぶりに恋愛で奮闘している。
- 劇中で寅次郎が坂を上るのを苦しそうにしているシーンがあるが、実際の渥美清もこの頃には病状がかなり悪化しており、坂を上るのがきつかったと言われている[6]。
- 終盤で映る満男の履歴書の生年月日の欄には「1970年10月10日」と書かれている。
- 『トットてれび』第6話「私の兄ちゃん・渥美清」では本作のポスターを再現したものが登場する。
- DVD収録の特典映像「予告編」には以下のような別シーンが収録されている[7]。
- 漁船に乗っている満男の別バージョン
- 窓際で葉子が父親(田宮)に昔話をする別バージョンと田宮のアップ(本編と予告編ではカップを持つ手やLPレコードジャケットの角度が違っている)。
- 初めて葉子と寅が島ですれ違う時のセリフが予告編では「はい、どちらでしょうか」、本編では「さあ、どちらでしょうか」と異なっている。
- 亜矢と満男が石垣の所で食事をしながら寅さんの過去の恋を話すシーン。本編では葉子がお茶を飲みながら話しているが、予告編ではカップを見せていない。
- 挿入曲
- 宮城長持唄
- はあー 今日は 日もよし 天気もよし/はあー 結び 合せて 縁となるがエー
- はあー 蝶よ 花よと 育てた娘/はあー 今日は 晴れての はあー お嫁入りだヨー
- テクラ・バダジェフスカ作曲:『乙女の祈り』オルゴール~くるまやに寅さんが現れる。柴又商店街から聞こえる。
- セバスティアン・イラディエル作曲:『ラ・パロマ』
- ラルフ・エルヴィン作曲:『奥様お手をどうぞ』(原曲は同名映画の主題歌)
- 宮城長持唄
ロケ地
- 香川県仲多度郡琴平町(金毘羅宮)
- 香川県三豊郡詫間町(現三豊市)の志々島(塩飽諸島)(診療所、花畑、霊屋、港付近を歩くシーン等) - 琴島
- 香川県仲多度郡多度津町の高見島(塩飽諸島)(大聖寺、田宮善右衛門の家等) - 琴島
- ロケ地は志々島と高見島を合わせて「琴島」という設定になっている[8]。
- 香川県高松市栗林公園、中央通り、高松城天守閣(玉藻公園)、高松祭り
- 香川県小豆島土庄町(富岡八幡宮/啖呵売)
- 香川県牟礼町(八栗寺/寅さんがさくらへ電話)
- 栃木県那須郡烏山町(現那須烏山市)(花嫁行列、平群山、山あげ祭、タイトルバック)
- 東京都江戸川区小岩、千代田区(満男が就職面接を受ける会社、東京駅)、渋谷区道玄坂(満男とよっちんが会う)
佐藤2019、pp645-646より
注釈
- ^ 本編では言及されていないが、「折しもバブルが崩壊して、就職戦線は『どしゃ降り』と形容された最悪の時期」と説明する書籍もある[4]。
- ^ 架空の地名。ロケ地は香川県・志々島。
- ^ 後述のように、実は、経営に失敗して既に店を手放し、借金だけが残ったという状況になっている。この経営失敗についても、「バブル崩壊という世相を反映している」と指摘する書籍もある[4]。
- ^ 本作では、「今年はいよいよ社会人だね」というタコ社長の言葉、「学生時代最後の正月なんだぞ」という満男の言葉から、就職が決まったということは分かるが、具体的にどこに決まったのかは分からない。次作で、靴製造・卸会社に就職している。
- ^ 西田の登場はこの1シーンのみで、ストーリーへのからみはない。
出典
- ^ 外部リンクの公式ウェブサイトより。『日経ビジネス』1996年9月2日号、131頁では216万人と丸めた数字で表記。
- ^ 1994年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
- ^ 『日経ビジネス』1996年9月2日号、131頁。
- ^ a b 山田洋次 1997, p. 115.
- ^ ナース服の胸に上田の名札を付けている
- ^ 以下の書籍に監督の山田洋次の言葉がある。日刊スポーツ新聞社文化部 編「所収の渥美清への弔辞」『寅さんは生きている』朝日ソノラマ、1997年1月1日、202頁。ISBN 978-4257035015。"46作、松坂慶子さんに出てもらった『寅次郎の縁談』では、瀬戸内海の小島の急な坂道を上がり下りするのがとても辛そうだったことをよく覚えています。"。
- ^ 第46作男はつらいよ寅次郎の縁談松竹シネマクラシック(2021年5月24日LastAccessDate)
- ^ 男はつらいよ寅次郎の縁談松竹公式サイト(2021年5月23日LastAccessDate)
固有名詞の分類
映画作品 |
素晴らしき戦争 ガンガー 俵万智イン・カルカッタ 男はつらいよ 寅次郎の縁談 銀界縦走 猛獣国横断 |
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