熊本市交通局1080形電車 廃車

熊本市交通局1080形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/03 04:55 UTC 版)

廃車

7両が製造された1080形であるが、廃車が進んでおり、2018年4月1日現在の在籍は2両 (1081・1085) に限られる[10]

最初の廃車は1977年(昭和52年)3月31日付で[29]、前年導入の連接車5000形2編成の代替として1086・1087号の2両が廃車された[7]。冷房化が始まる前の廃車であることからこの2両は冷房化されていない。冷房車についてはしばらく5両とも運行されたが、1990年代に入ると廃車が始まった。まず1993年(平成5年)4月1日付で1084号が廃車[8]。さらに超低床電車9700形の3次車導入に先立つ2001年(平成13年)1月31日付で1082号および1083号が廃車された[9]

車体塗装の変遷

広告電車の例
あんしん財団の広告電車(1085号・2018年)

新造時の車体塗装は、当時のボギー車の共通塗装である、下部をパープルブルー、上部をクリーム色、屋根部分をライトグリーンに塗ったものであった[4][30]。その後ワンマンカー改造の際にクリーム色を基調とし紺色の帯を巻いた塗装に変わった[6][3]。1980年代には帯の色を緑色に変えたものもあり、これらのクリーム色に紺色ないし緑色の帯を巻くのが半鋼製旧型車グループの標準塗装であった[12][7]

1989年(平成元年)、熊本市制100周年および熊本市交通局開局65周年の記念事業の一環として市電塗装デザインコンテストが開催され、1084号と1090形1093号・1200形1201号・1350形1351号の4両がデザイン車両として9月23日から運転を開始した[31]。1084号のデザインは、虹のかかる空と緑の山(阿蘇山をイメージ)を描いたデザインであった[31]

1990年(平成2年)、半鋼製旧型車グループに1980年代導入の8200形8500形に準じた、アイボリーに緑の帯を巻いた塗装の車両が出現した(第1号は1090形1097号)[32]。この塗装がグループの標準色となり、本形式では1994年(平成6年)4月時点で1081号・1083号がこの標準色に変更されているが(1084号は廃車済み)、1082号・1085号はこれとは別の、上半分を緑・下半分をアイボリーとし境目に赤色の帯を巻いた1992年度(平成4年度)の特別塗装であった[33]。1085号に関しては2000年(平成12年)2月に標準色に塗り替えられ[34]、1082号は翌年廃車となったため、本形式の塗装は標準色のみとなっている[35]

塗装とは別に、熊本市電では1999年(平成11年)4月にフィルムラッピングによって全面広告電車が復活した[21]。本形式についても広告電車として用いられることがある。

その他

1081号から1083号の3両は1951年から1954年まで3年存在した「新木南車輌」が最後に納入した車両である。唯一残る1081号かつては車両中央扉左下部に新木南車輛製を語る楕円形の円盤が取付られていたが現在は撤去されているため、確認することができない。また、1084号からは「日本鉄道自動車株式会社」から「東洋工機」への社名変更後、初の導入車である。




  1. ^ a b c d e f g 『世界の鉄道 '73』180-181頁
  2. ^ a b 『世界の鉄道 '83』164-165頁
  3. ^ a b c d e f g h i j 『鉄道ピクトリアル』通巻319号98-100頁
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 『鉄道ピクトリアル』通巻135号74-78頁
  5. ^ a b 『熊本市電が走る街今昔』150-156頁
  6. ^ a b c d e f g h i j k 『鉄道ピクトリアル』通巻223号115-117・138頁
  7. ^ a b c d e f g 『鉄道ピクトリアル』通巻509号132-134頁
  8. ^ a b 『新車年鑑1994年版』179頁
  9. ^ a b 『新車年鑑2001年版』109・183頁
  10. ^ a b 『私鉄車両編成表 2018』190頁
  11. ^ a b c d e f g h i j k 『路面電車ガイドブック』346-347頁
  12. ^ a b c d e 『鉄道ファン』通巻294号92-99頁
  13. ^ 『日本の路面電車 I』163頁(写真参照)
  14. ^ a b 『熊本市電70年』178-179頁
  15. ^ 『新路面電車入門』47-50頁
  16. ^ a b 『鉄道ピクトリアル』通巻688号86-90頁
  17. ^ 『熊本市電70年』145-147頁
  18. ^ a b 『熊本市電が走る街今昔』157-158頁
  19. ^ 『熊本市電70年』95-97頁
  20. ^ a b 『鉄道ピクトリアル』通巻852号264-269頁
  21. ^ a b c 『鉄道ピクトリアル』通巻688号230-234頁
  22. ^ 『トランスポート』第30巻第7号60-61頁
  23. ^ 『熊本市電70年』106-107頁
  24. ^ 『熊本市電70年』117頁
  25. ^ 「鉄道車両年鑑2011年版」154頁
  26. ^ 『路面電車ハンドブック』2018年版175-181
  27. ^ 「鉄道車両年鑑2013年版」133頁
  28. ^ 熊本市 「認定中心市街地活性化基本計画の最終フォローアップに関する報告」、2017年5月、13-14頁
  29. ^ 『熊本市電70年』102頁
  30. ^ 『世界の鉄道 '64』180-181頁
  31. ^ a b 「新車年鑑1990年版」197頁
  32. ^ 『鉄道ファン』通巻352号106頁
  33. ^ 『私鉄車両編成表 '94年版』150頁
  34. ^ 『私鉄車両編成表 '00年版』158・172頁
  35. ^ 『私鉄車両編成表 '01年版』162頁






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