法句経 法句経の概要

法句経

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 01:46 UTC 版)

漢訳『法句経』の名称は、元々は上座部仏教圏の『ダンマパダ』と同一系統の経典が北伝し、中国仏教にて漢訳された際の伝統的名称だが、近代以降の『ダンマパダ』の日本語訳(漢訳)名としても(『ダンマパダ』『真理のことば』等と並んで)用いられている[2]

パーリ語仏典の中では最もポピュラーな経典の一つである。スッタニパータとならび現存経典のうち最古の経典といわれている[3]。かなり古いテクストであるが、釈迦の時代からはかなり隔たった後代に編纂されたものと考えられている[4]

類似のテキストとしては、『ダンマパダ(法句経)』系統と『ウダーナ自説経)』系統を掛け合わせ、『相応部』有偈篇、『スッタニパータ』『テーラガーター』に見られる若干の詩句を付け加える形で説一切有部によって編集され、北伝仏教に伝えられた、サンスクリットの経典『ウダーナヴァルガ』(Udānavarga)がある[5]。サンスクリット原典が現存している他、漢訳経典『出曜経』(しゅつようぎょう)等や、チベット語訳もある。「ウダーナヴァルガ」の意味は、「ウダーナ(無問自説・感興語)ヴァルガ(集まり)」であり、「自説集」といった程度の意味。


  1. ^ 今枝 2015, p. 3.
  2. ^ 南伝大蔵経』など。
  3. ^ 岩波仏教辞典第2版 1989, p. 3.
  4. ^ 中村(1978) p.377
  5. ^ 中村(1978) あとがき
  6. ^ 中村(1978) pp.384-385
  7. ^ 法句譬喩経」『SAT大正新脩大藏經テキストデータベース』第04巻、東京大学大学院人文社会系研究科、No.0211, 0575b16、2018年https://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2015/T0211_.04.0575b16:0575b16.cit 
  8. ^ Brough (1962) p.2
  9. ^ Brough (1962) xiv
  10. ^ Brough (1962) p.13
  11. ^ Timothy Lenz, ed (2003). A New Version of the Gāndhārī Dharmapada and a Collection of Previous-birth Stories: British Library Kharoṣṭhī Fragments 16 + 25. Univeristy of Washington Press. ISBN 0295983086 
  12. ^ Norman (1997) xx
  13. ^ Norman (1997) xxi
  14. ^ パーリ仏典, 法句経, Sri Lanka Tripitaka Project
  15. ^ 中村元『原始仏典I 釈尊の生涯』東京書籍、1987年、34-35頁。 後年に音声録音の新版『「法句経」の世界』が出された。
  16. ^ 中村(1978) p.376
  17. ^ No.326 - Digital Database of Buddhist Tripitaka Catalogues
  18. ^ No.4100 - Digital Database of Buddhist Tripitaka Catalogues
  19. ^ 中村(1978) p.388
  20. ^ 『心に怒りの火をつけない ブッダの言葉〈法句経〉で知る慈悲の教え』(角川文庫、2015年)で改題再刊


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