桜井線
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運行形態
2022年3月12日改正時点の日中の運転本数は、平日が奈良駅 - 高田駅間の全線で1時間に1本、土休日が奈良駅 - 桜井駅間で1時間に2本(約30分間隔)、桜井駅 - 高田駅間で1時間に1本である[13]。
奈良駅 - 桜井駅の区間運転のほかは、奈良駅 - 高田駅間の運転で、朝と夕方以降の時間帯には高田駅から和歌山線の王寺方面へ直通する。朝ラッシュ時には、奈良駅から桜井線(万葉まほろば線)経由でJR難波駅へ直通する快速が運行されている。かつては定期列車として奈良線からの直通列車が運転されていたり、2022年3月11日まで日中は高田駅で折り返して和歌山線に乗り入れ奈良駅 - 和歌山駅間を直通運転していたりしたが現在は行われていない。[14]
基本的にはワンマン運転だが、朝ラッシュ時(大和路線直通の快速を含む)や、大神神社の月次祭など、沿線で催し物が行われる場合には、車掌乗務で運転される列車もある。運賃箱はあるものの、一般的なワンマン運転とは違い、運転士による運賃収受の確認は行われていない。2020年に新型コロナウイルス感染症の世界的流行がもたらされたことにより、運転士の感染防止対策として運賃箱を使用停止にして仕切り扉を閉め、各駅の集札箱またはICカード読み取り機で精算する形に変更された。2023年のダイヤ改正には、無人駅では一部のドアのみが開く方式から全駅ですべてのドアが開くように変更された。
天理駅構内北側に留置線群があり、後述の「天理臨」といった団体列車の留置などで使用されていたが、団体列車の設定が減少したため、かつ2008年のおおさか東線開業に伴い奈良電車区(現:吹田総合車両所奈良支所)での夜間留置車両が増加したため、非電化であったこの留置線群を電化して夜間留置している。このため、早朝・深夜に入出区のために天理駅発着の回送列車が設定されている。
臨時列車
天理教の祭礼があるときは、天王寺方面からの臨時列車が運転される。主に大和路快速や快速の延長運転の形で設定される。以前は、奈良駅で車両の切り離し・連結を行い、当線内は2両編成から4両編成で運転されていたが、現在では車両の切り離し・連結作業は行っていない。天理行きの列車のダイヤは祭典の開始に間に合わないため利用者が少ない。また帰りの列車は祭典が終わった後に設定されているため一定の利用者がいるが、定期列車にも分散するため混雑するには至っていない。
天理教の祭礼にあわせて、天王寺方面からの臨時列車のほか、日本全国各地から天理駅へ向けて「天理臨」と呼ばれる団体列車が運転され、この時に限り普段地元では見ることのできない車両を見ることができる[15][16][17]。しかし、これらの設定は減少傾向にあり、関東からの天理臨は天理発2011年1月26日を最後に運転終了となった[18]。
また、沿線でラジオウォークなどのイベントや、遺跡などが発掘されると、駅員を派遣したり、臨時列車を運転することもある。
普段は物静かな駅が突如として現地説明会に向かう乗客で溢れかえることもあり、1998年1月に柳本駅近くの黒塚古墳で33枚の三角縁神獣鏡が発見されたときは、臨時快速(停車駅:奈良・天理・柳本・三輪・桜井・高田)が13往復運転され[19]、2日間で2万人が押し寄せ、駅や列車はラッシュ並みに混雑したという。また、2009年11月に桜井市の纒向遺跡で、邪馬台国の宮殿だった可能性のある大型建物跡が見つかった時にも臨時列車の運転が行われた[20]。
奈良万葉レジャー号
2010年秋までの春・秋行楽時の土曜・休日に「奈良万葉レジャー号」が、大阪駅から奈良駅・桜井線経由で高田駅まで運転されていた。大阪環状線・大和路線内は大和路快速または快速に併結して奈良駅で分割を行い、桜井線内は臨時列車として運転されていた。
大阪側の発駅は年度やシーズンにより、大阪発もしくはJR難波発または両駅発と異なっていたが、2009年3月以降は大阪発のみが運転されていた。2006年3月のダイヤ改正でJR難波発のみとなったが、2007年3月のダイヤ改正では、数本ではあるが大阪発の列車も設定されていた。以前は、大阪駅 - 奈良駅間は定期の大和路快速、奈良駅 - 高田駅間は臨時普通として1往復の運転を行っていた。2010年度は再び大阪発とJR難波発が設定され、さらに桜井発奈良経由JR難波行も設定されている。
2009年度までは「山の辺の道レジャー号」として運転されていた。
年末年始の運行形態
大晦日から元旦にかけて、終夜運転が奈良駅 - 桜井駅間で約30 - 60分間間隔で行われる[21]。多客に対応するため全列車に車掌が乗務している。
2017年度は桜井線からの直通で行われていた和歌山線高田駅 - 王寺駅間の終夜運転は中止となり、[22]2018年度は奈良駅 - 桜井駅間で約30分間隔、桜井駅 - 高田駅間で約60分間隔での終夜運転に縮小され[23]、2019年度は桜井駅 - 高田駅間でも運転は中止になった[21]。2020年度は大晦日の終電後から元日午前3時頃にかけ、奈良駅 - 桜井駅間で約30分間隔での臨時列車を運行する予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の状況を鑑み、臨時列車の運行は取り止めとなった[24]。
また正月三が日の日中には、奈良駅 - 高田駅間に臨時列車が1時間あたり1本運転され、1時間あたりの運転本数は、奈良駅 - 桜井駅では3本、奈良駅 - 高田駅間では2本となっていた[25]。なお臨時列車運転のため概ね9時から17時30分の間は列車の時刻が変更され、多客対応のために4両または6両編成で運転して車掌が乗務しているほか、通常ダイヤでは高田駅から和歌山線に直通する2両編成の列車は、桜井線内の混雑に対応できないため高田駅で系統分割を行い、和歌山線に直通せずに高田駅で折り返す運用を行っていた。2018年度まではかつて使用されていた105系のほか、103系・201系・221系が運用されていた。2019年度は227系1000番台のほか221系が使用された。
注釈
- ^ 急行「しらはま」の白浜駅発着列車の名古屋駅発着編成は1972年廃止。
出典
- ^ a b c d e f g h i 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』42号 15頁
- ^ 日本国有鉄道電気局『鉄道電報略号』1959年9月17日、22頁。
- ^ a b c 桜井線の愛称名「万葉まほろば線」に決定!(インターネットアーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年12月24日
- ^ データで見るJR西日本2022 - 西日本旅客鉄道
- ^ データで見るJR西日本2023 - 西日本旅客鉄道
- ^ ご利用可能エリア|ICOCA:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- ^ 近畿エリア・広島エリアに「路線記号」を導入します - 西日本旅客鉄道ニュースリリース 2014年8月6日
- ^ 桜井線の愛称名を募集します!(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2009年11月27日
- ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB、1998年。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 天理仮駅への移転案内板 - 奈良県立図書情報館 奈良の今昔写真WEB
- ^ a b c 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』42号 22頁
- ^ 橿原市/JR畝傍駅 - 橿原市
- ^ 『JTB時刻表』2022年3月号、JTBパブリッシング。pp.302-307
- ^ 『JTB時刻表』2021年10月号、JTBパブリッシング。pp.304-307
- ^ キハ65形「シュプール&リゾート」が天理へ - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年7月29日
- ^ 24系使用の天理臨運転 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年7月29日
- ^ 381系が桜井線に入線 - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2010年7月30日
- ^ 「東京おぢば号」が運転中止へ - 『鉄道ファン』交友社 railf.jp鉄道ニュース 2011年1月27日
- ^ 「黒塚古墳現地説明会」に伴う臨時快速列車の運転について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1998年1月14日
- ^ 纒向遺跡、説明会に1万人以上? JRも臨時電車 奈良[リンク切れ] - 朝日新聞 2009年11月13日
- ^ a b 『大みそかの臨時列車運転のお知らせ』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2019年12月12日 。2019年12月16日閲覧。
- ^ “大みそかの終夜運転のお知らせ”. 西日本旅客鉄道 (2017年11月27日). 2019年12月31日閲覧。
- ^ “大晦日の終夜運転のお知らせ 大晦日深夜から元旦にかけて終夜運転を行います”. 西日本旅客鉄道 (2018年11月20日). 2018年12月10日閲覧。
- ^ “大晦日の臨時列車 運転時刻のお知らせ”. 西日本旅客鉄道. 2020年12月18日閲覧。
- ^ お正月ダイヤ時刻表 (PDF) - 西日本旅客鉄道
- ^ 『和歌山線・桜井線への新型車両導入と車載型IC改札機を使用したICOCAエリア拡大について』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2018年3月7日 。2018年3月7日閲覧。
- ^ 『227系の投入完了と奈良中南部エリアの活性化』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2019年8月22日 。2019年10月1日閲覧。
- ^ JR桜井線・和歌山線の万葉トレインについて - 奈良県
- ^ 万葉ロマン乗せ出発 - JR桜井駅で観光列車見学会 - 奈良新聞 2009年11月30日
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 『歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』42号 23頁
- ^ 『鉄道院年報. 大正3年度』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『近畿地方の日本国有鉄道 - 大阪・天王寺・福知山鉄道局史』大阪・天王寺・福知山鉄道局史編集委員会、2004年、p.361。
- ^ 「奈良櫻井両線を全面気動車化」『交通新聞』交通協力会、1955年2月10日、1面。
- ^ 『近畿地方の日本国有鉄道 - 大阪・天王寺・福知山鉄道局史』大阪・天王寺・福知山鉄道局史編集委員会、2004年、p.376。
- ^ 『近畿地方の日本国有鉄道 - 大阪・天王寺・福知山鉄道局史』大阪・天王寺・福知山鉄道局史編集委員会、2004年、p.377。
- ^ 『近畿地方の日本国有鉄道 - 大阪・天王寺・福知山鉄道局史』大阪・天王寺・福知山鉄道局史編集委員会、2004年、p.378。
- ^ ジェー・アール・アール編『JR気動車客車編成表 2010』交通新聞社、2010年。ISBN 978-4-330-14710-9。
- ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '92年版』ジェー・アール・アール、1992年7月1日、184頁。ISBN 4-88283-113-9。
- ^ 駅コンコースを終日全面禁煙にします(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年8月29日
- ^ ICOCAをご利用いただけるエリアが桜井線へ広がります(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2004年12月22日
- ^ 沿革:JR西日本 - 西日本旅客鉄道
- ^ Jスルーカードの利用終了について(インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 2008年12月2日
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