日産ディーゼル・スペースアロー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/25 03:17 UTC 版)
スペースウイングA/スペースアローA (AS系)
AS系は日産ディーゼル工業と三菱ふそうトラック・バスのバスのOEM事業開始に伴って三菱ふそうエアロエース/エアロクィーンがOEM供給されるもので、車両の名称はスーパーハイデッカー「エアロクィーン」がスペースウイングA、ハイデッカー「エアロエース」がスペースアローAとなる。
なお、上述のRA系に関しては本型式のOEM開始後も継続生産されるが、RA系の三菱ふそうへのOEM供給はない。
BKG-AS96JP
2007年8月29日発売の型式。エンジンを含めシャーシ・ボディ共に三菱ふそう製であるが、排出ガス浄化システムは、両社間のOEM供給合意に基づき日産ディーゼルから技術供与を受けた尿素SCR還元システムを搭載している。
平成17年排出ガス規制(新長期規制)に適合し、NOx、PMともに10%減に成功している。また、平成27年重量車燃費基準も達成している。スペースウイングA、スペースアローAともに、型式はBKG-AS96JPである。
- スペースアローA(ハイデッカー)
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直結空調搭載
山交バス (山形県)
- スペースウイングA(スーパーハイデッカー)
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ジパング
LKG-AS96VP
2010年9月1日より発売。エンジンは三菱ふそうの親会社のダイムラーと共同開発した、三菱ふそう・スーパーグレートと共通の新開発エンジン6R10を搭載。出力はBKG-車と同様の309kWあるいは257kW。これに加えて「Blue Tecシステム」(DPF+尿素SCR)を採用し、平成21年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合させた。(但し、UDトラックスでは「Blue Tec」の商標は使用出来ず、単にDPR+尿素SCRと公表している)。 その他の改良面としては、サービスボックスの容量拡大や、それに伴いその形状を見直して最前列の足下の余裕拡大を実現したほか、従来オプション設定だった運転注意力モニターが標準装備となるなど、かなり大幅な改良となっている。ホイールベースは従来車より95mm延長され、リアオーバーハングが短縮された。またラジエーターはベルト駆動から、日野・セレガと同様の油圧によるシャフト駆動に変更され、ラジエーター位置も後方から見て右側から左側に変更され、左側のルーバーの直後にラジエーターが配置された。 また新排出ガス規制対応による重量増に対しては、ハイデッカーの一部車種に軽量サスを設定し、従来車と同等の乗車定員を確保している。 最大トルク・出力とも旧来の6M70型と同じであるが、最高出力の発生回転数は2000rpmから1800rpmになり、実用域でのトルク特性も若干向上したほか、静粛性も一段と向上している。 なお、今回から空調システムは直結式・サブエンジン式ともデンソー製に一本化されている。
2010年10月29日付けで三菱ふそうとの合弁会社設立に向けた協議およびOEM供給の打ち切りが発表される[3][4]。スペースウイングA・スペースアローAの販売が日産ディーゼル・スペースランナーAとともに終了し、日産ディーゼルは2011年をもってバス事業から撤退した[1][2]。
- スペースウイングA(スーパーハイデッカー)
- ^ a b “三菱ふそうとUD、バス事業統合決裂”. MSN産経ニュース (2010年10月29日). 2010年10月29日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b “UDトラックス、バス事業撤退 希望退職700人募る”. 日本経済新聞 (2012年9月17日). 2022年8月22日閲覧。
- ^ 『バス事業に関する合弁会社の設立協議打ち切りのお知らせ』(プレスリリース)UDトラックス、2010年10月29日。 オリジナルの2011年12月18日時点におけるアーカイブ 。2022年8月22日閲覧。
- ^ 『UDトラックス社とのバス事業に関する合弁会社の設立協議交渉終了について』(プレスリリース)三菱ふそうトラック・バス、2010年10月29日。 オリジナルの2010年11月17日時点におけるアーカイブ 。2022年8月22日閲覧。
- ^ a b 『バスジャパン ニューハンドブックシリーズ 28 横浜市交通局』BJエディターズ/星雲社、1999年8月1日。ISBN 4-7952-7781-8。
固有名詞の分類
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