坂田耕雪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/16 05:38 UTC 版)
来歴
尾形月耕の門人。通称萬助、耕雪と号す。加賀国金沢(現・石川県金沢市)に生まれる。弥左衛門町時代(明治15年 - 明治20年)の月耕に師事し浮世絵を学んだのち、大阪市に移り住み、明治29年(1896年)に入社した大阪毎日新聞社で新聞の挿絵を描き好評を得た。明治34年(1901年)に春陽堂から版行された菊池幽芳の小説『己が罪』中編の木版挿絵および口絵、同じく幽芳の小説『乳姉妹』の挿絵を描く。その後は南画の山水や人物図などを描いている。大正3年(1914年)に開催された第8回文展に「露」を出品して入選し、巽画会の会員となる。これは唯一の官展出品作であった。大阪毎日新聞社を退社した後は能画の研究に専念した。また、大阪市の依頼により大阪城天守閣内で「豊大閣」の肖像画を描いた。
作品
- 『己が罪』中編 口絵 菊池幽芳作 春陽堂版 明治33年 ※上巻は富岡永洗、下巻は武内桂舟が口絵を担当
- 『七日間』口絵 菊池幽芳作 文淵堂版 明治34年
- 『夏子』後編 口絵 菊池幽芳作 春陽堂版 明治39年
- 『月魂倭文子の巻』口絵 菊池幽芳作 文淵堂版 明治41年
- 『怪傑紀文伝』前後編 口絵 岡本霊華作 嵩山堂版 明治43年
- 「和歌三神図」 絹本水墨着色
- 「伊勢大廟図」 絹本着色 本山彦一書あり
参考文献
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
- 美術誌『Bien(美庵)』Vol.45(2007年秋号 藝術出版社) 特集「尾形月耕とその一門」 岩切信一郎・悳俊彦・瀬木慎一・福富太郎・桃投伸二 恵比寿堂ギャラリー/ギャラリー紅屋 http://geijutsu.la.coocan.jp/japanesebian_backissue.html 28頁 ISBN-978-4-434-10956-0
- 日外アソシエーツ編 『20世紀日本人名事典』 日外アソシエーツ、2004年
- 山田奈々子 『木版口絵総覧』 文生書院、2005年
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